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第2章-第14話 いんごっと

お読み頂きましてありがとうございます。

「わたしは、デパ地下のスイーツで・・・。」


 あーあ、ネットの使い方を教えたのが間違いだったかな。細かくお店まで指定されてしまった。


「セイヤさん、部屋に積んであるビールの空き缶はアルミだから、有効利用してください。」


 高価なアルミだ。わざわざ持って帰る必要もないだろう。


・・・・・・・・・・


 翌日、貴金属買取ショップの本部に、ショップで買い取ったものとは別に、異世界から持ち込んだ金のネックレスとくず銀のネックレスを買い取り額相当で1000万円分渡した。


 店にはその3割程度のお金が入るから1週間で300万の利益だ。俺個人の懐にも1000万円入る。


「すばらしいコネをお持ちのようですね。」


「ああ、どこの会社かは言えないが、会社の回転資金にまわすために少しずつ売るそうだ。」


「そのコネは大事にしてください。もちろん私どもも、お聞きしません。私どもとしては、こうして金が入ってくるだけで十分な利益をあげさせていただきますので。無理を言ってコネごと他社に行かれては、大損ですから・・・。」


 そのほか老舗買取ショップに行き、お金の回収と買取をお願いした。


 そして、旅行会社に行く。


 社員旅行は韓国2泊3日にした。さすがにそう長期間店を閉めるわけにもいかない。1日目は有名焼肉店で宴会をやったあとは自由行動とした。各人行きたいところがあるそうだ。まあ、俺も行ってみたいところがあったからいいのだが。


 そして、そろそろと思っていた組織を有限会社から株式会社の移行手続きに着手した。手元資金がけっこうあるので、1億円を資本金とした。


 有限会社と株式会社を比べるといろいろと有限会社のほうが有利なのであるが、株式公開ができないのが難点である。FCの経営だけで株式公開ができるとは、もちろん思っていない。今、ある事業会社を買収する手続きに入っているのだ。


 事業のほとんどを中国の会社に取られたため、数人の社員に規模縮小し、潰れかけの会社だ。辛うじて、地を這うような株価で株式公開を維持しているようだが、撤退するのも時間の問題だ。ほんの5千万円ほどで、全株式の70%以上を確保できた。それ以外は銀行が握っていて確保は難しかったのである。


「社長さんいますか?」


 その会社に出向き、受付に声をかける。


「はい、どちら様ですか?」


「山田ホールディングス社長の山田取無と申します。」


「少々お待ちくださいませ。」


 しばらく待つと社長が出てくる。


「どういうご用件ですかな、今大変忙しいのですが・・・。」


 それはそうだろう。いきなり、株価が跳ね上がれば誰でも気付くだろう。


「ああ、すみませんね。忙しい原因を作ってしまって・・・。」


 俺は素直に謝る。


「M&Aを仕掛けているのは、おたくさんですか?」


 社長が悲壮な顔で見つめてくる。


「そうですね。本日付けで総株式の70%を取得しました。」


 俺は事実を淡々と教える。


「なんのために、こんなことを・・・、とりあえず、取締役は総退陣ですか?」


 先回りして考えてくれるのは嬉しいが悲観的なことでは困る。


「まあまあ、そう急がないで、今、悪徳金融から借りている借金はいくらくらいありますか?」


「2億円に利息がついて3億円になっています。」


 社長は素直に答えてくれる。逆らっても仕方が無いと思っているのだろう。そこへ社長に良く似た人物がやってくる。親族かな。


「社長、よろしいのですか。こんな訳のわからないやつに?」


「専務、仕方がない。もう俺達は追い出されるしかないんだ。」


「追い出しませんよ。経営陣にある程度の給料返上をお願いするくらいですかね。ここに4億円あります。これで、当分の会社存続は維持できますかね。とりあえずは、経営陣個人名義の借用書でかまいませんが、あとで優先株に割り当ててください。」


 俺は、袋から4億円取り出す。


「そうですね。銀行さんはまだ待ってくれていますから。そんな条件でいいのですか。でも、うちには技術はあっても、特許は皆無ですから、切り売りもできませんよ。」


 もちろん、その辺りも調べてある。ある意味ヒモ付きじゃ無い分、こちらの好きなように指示を出せる。そんな会社を選択したのだ。


「では、この金属の成分を調べて、同じものを作ってくれませんか?おそらく、だれも特許を取っていない合金だと思うので、即座に特許も取ってください。」


 俺は異世界で買ってきたオリハルコンのインゴットとミスリルのインゴットを出した。


「これは?ふーむ、見たことも聞いたこともないものですな。」


 さすがに技術職畑の社長だな。新しい金属の前では、猫に鰹節状態だ。


「できれば、社員に余計な負荷を与えたくないので、成分が調べ終わるまで、買収の件は黙っていてもらえませんかね。」


「それはできんが、わしら取締役が続投していいなら、ほとんど影響を皆無にできると思うぞ。」


 まあ、成分は指輪でみたところ、日本にある一般的な成分しかないようだったので、優秀な日本の技術者なら大丈夫だろう。


 この事業が成功し、株価が以前の状況に戻れば、含み益が200億円、年の配当も1億円くらいにはなる。楽しみだ。


・・・・・・・・・


 なんかあっというまに1週間が経ってしまった。買取ショップは社員の彼女に任せ、難しい案件のみ俺が対応する。その合間で旅行会社や会社設立に買収までやったのだから・・・。早いわりには、濃度の濃い1週間だった。


 親戚に預けたことになっているが異世界に娘を連れて行って、寂しいかなと思ったが、それほどではないようだ。もともと暫く離れていたし、その前も仕事でほとんど顔を合わせない生活をしてきたのだから、そんなものかもしれない。


 ただ、自宅に帰ってきたときに、パパ、パパっと幻聴が聞こえるのには参った。まあ1日1回はスカイペのテレビ電話で話しているからか。娘のほうは、ぜんぜん寂しくないようだ。


 さて、松阪丸大百貨店でエトランジュ様に頼まれたスイーツとセイヤに頼まれたビールを買う。なんか今回は、このビールだけで200KGの重量をオーバーしそうだ。セイヤは、ビール・発泡酒・第3の中で第3がいいと主張したので大した金額では無いのだが・・・。


・・・・・・・・・・


 ああ、指輪が光りだした。今回は何を売りつけるかな。


なかなか難産でした。旅行を今回もってこようと思ったのですが、どう考えても従業員の意見を纏めたりできないし、パスポート取得が間に合わないので次回に持ち越します。


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