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第2章-第13話 さいくる

お読み頂きましてありがとうございます。


「そうですね。これなんかどうでしょう?屋外に差しておくだけなんですが、夜になると灯がつくんですよ。デンチもいりません。」


 そういって、太陽光発電機能付き街灯を取り出す。これも100円ショップの品だ。店の前にも差してある。ホームセンターで買った本格的なやつはセイヤの許可を取り後宮の周りに差してある。


「ほう、一度使ってみないとわからんな。借りていっていいか?」


「はい、必要な量は陛下を通して、教えてください。」


「あと、これはどうでしょう?」


 袋からマウンテンバイクを取り出す。前回、スクーターをと言われて思いつきで持ってきてみたのだ。


「これは、お主の馬に似ておるの。これも、油が必要なのか?」


「いえ、これは自分の足を使います。試しに乗ってみますね。」


 俺は店の前の道から100メートルくらい離れたところまでマウンテンバイクで走って行きUターン後、店の前で最高速になる程度まで踏み込んだ。


「おお、意外と早いもんだな。でも、なにやらバランスが悪そうだの。コケないのかい?」


「そうですね。一般人でも数回コケれば乗りこなせると思います。やってみますか?」


「はい!わたくしめに任せてください。」


 アルム少尉が元気よく立候補する。


「まずは、ここを回すと座るところの高さ調節ができます。跨いで頂けますか?」


 アルム少尉が跨ぐとぎりぎりまで上げる。アルム少尉が降りてさらに少しだけ上げて固定する。


「高さは両足の先がぎりぎり地面に着くくらいです。止まると左右にコケるので、足で支えてくださいね。人が歩く速度の倍以上の速度で真っ直ぐ走れば、まずコケません。」


 アルム少尉は、初めこそよろよろしていたが、一回コケたとたんバランスよく乗りこなせるようになったようだ。乗りこなせるようになるとあっという間に見えなくなるところまで走って行ってしまった。


「あれは幾らなんだ?」


「チェーンキーを入れて、3万Gです。」


「チェーンキーとはなんだ?」


「アレを盗まれないように柱などに括り付けられる鍵です。」


 そこに丁度、アルム少尉が戻ってきた。


「どうだ乗り心地は?」


「もう最高です。こんなに自分の力で走ることが気持ちいいなんて、思いもしませんでした。」


「3万Gだそうだが、買うか?」


「う、3万Gですか。今月の給料が半分持っていかれますね。うーーーーん。」


「わかりました。仕舞いますので返して頂けますか?近衛兵に提案してみます。」


「ま、まって、わかりました。買いましょう。はい、3万G。」


「はい、確かに。」


 彼にチェーンキーも手渡し、使い方を教えた。


・・・・・・・・・・


 店を閉める。今日は七輪をつかったり大変だった。片付けるだけで1時間も掛かってしまった。最後に王宮に向かう。セイヤに面会依頼すると、ギリギリ間に合ったようだ。


 執務室に入るとセイヤに人払いをお願いし、作業にかかる。適当に日当たりのいい場所にアタッシュケース型の太陽光発電機を置き、テーブルタップをセイヤの執務室の壁に括りつける。そして、無線LAN中継機を設置し、タブレット型Wifi端末を取り出し、設定を完了した。


 そして、タブレットでヨウツブを見る方法をセイヤに教えた。


「おお、く○もんが・・・。覚えていてくれたんだな。ありがとう。」


「これは、できましたら執務室と後宮で使ってください。あと電卓機能もあります・・・。」


 簡単に計算方法も教える。トケイで数字にもなれたようで、問題なく使えるようだ。


「これは高いんだろうな。」


 電卓のみを袋から取り出し説明する。


「いえ、このような電卓だけならば、1000Gも頂ければ・・・。これも、お渡ししておきます。王宮で必要な部署があれば、あとで個数をお知らせ頂ければ、お持ちしますよ。」


 さらに、小型冷蔵庫も設置する。


「これは、店にあった冷たい飲み物が入っていた箱だの。」


「ここに、例えばこの水のビンを3時間ほど入れておくと勝手に冷えますので、帰る前に入れておけば、翌日には冷たい水が飲めます。」


 執務机の上に乗っていた水のビンを指し説明した。


「そうすると、これをここに入れておけばいいのだな。」


 どこかで見たビールの缶が執務机の中から出てきた。


「セイヤぁ、勝手に持ってきたのですかぁ?」


 つい呼び捨てにして叫びそうになる。いくらなんでも不味い。そう、後宮の冷蔵庫に入れてあったビールを勝手に持ち出したらしい。妙に減っている気がしたのはセイヤが犯人らしい。


「怒っているのか?」


 セイヤは俺よりも20センチは高い身長を縮ませている。


「もう欲しいのなら、言ってくださいよ。次回持ってきます。1日1缶ですからね。重いんですからねビールは・・・。」


「せめて、2日で3缶で・・・・。おねがいなのじゃ。」


 意外と細かく刻んでくる。セイヤは手をすり合わせてお願いのポーズをとっている。


「はいはい、わかりましたよ。次回持ってこれるだけもってきますね。」


・・・・・・・・・


「ジュースくだちゃい。」


 後宮に帰り夕食後、娘をお風呂に入れると冷蔵庫のジュースを催促しにくる。


「く○もんみせてくだちゃい。」


 それが終わるとヨウツブでく○もんだ。半分、寝コケながら見ている。く○もんの動画が終わったとたん、電池がきれたかのようにパタっと寝てしまった。そこを控えていた侍女に任せて、上の階の召喚の間に行く。


「帰る前に、なにかリクエストはありますか?」


「次は男の子がいいのう。」


 無茶言いやがる。セイヤをジロっと睨んでやる。


さあ、エトランジュ様のリクエストはなんでしょうね?

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