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第5章-第61話 わらいばなし

お読み頂きましてありがとうございます。

「紹介しよう。中央に居られるのがブラックドラゴンでリーダーの海条ツヨシだ。」


 城に到着すると暫く待たされたあと、謁見の間と思われる場所に通された。思われるというのは、思いのほか横に広いのだ。


 まるで舞台のように少し高さのある壇上があり、まるで小学校の講堂のようなところだったのだ。



 その場所にズラズラっと5人の人間が現れた。1人はブルードラゴンこと、アキラ殿だ。しかも、なぜか、少しずつ間隔を空けて立っている。



「紹介に預かったリーダーのアキラだ。そして、そちらから見て左端に居るのがイエロードラゴンの多岩ダイタ。俺の隣が、ピンクドラゴンのペギー茉山。そして、その向こうにいるのがグリーンドラゴンの飛鳥ケンジだ。」



 左から黄・青・黒・桃・緑の順に並んでいる。なんだこれは、しかも、王じゃなくてリーダー?



 しかも、皆ニホン人の名前ばかりだ。この世界では、過去に転生された勇者の子孫は、ニホン人の名前を使うと聞いたことがあるが、まさか、このドラゴンたちは、皆、ニホン人の転生者の子孫なのか?










 そして、突然、リーダーのツヨシ殿が『ゴー!』っと、言った途端、5人が一斉にジャンプした。




 降り立った姿は、それぞれの色のツナギを着て、これまたそれぞれの色のフルフェイスのヘルメットを被った状態で、立っていた。




 まさか、その姿は・・・。俺が呆然と見つめているとリーダーが決めゼリフを言ったのだ。



「5人揃って、ドラゴーン・・・ファイブ!」


 皆、それぞれにポーズも決めている。



・・・・・・・



 思わず、目の前が暗くなりそうだった。隣では、アヤがなんじゃこりゃという感じでスマホで撮影している。



 壇上では、それぞれベルトのようなものを外している。あれが魔道具になっており、幻影を見せているらしい。ベルトを外した途端、元の姿に戻っているのだ。



「すまないな。5人揃って人族の前に出るときの決まりごとでの。」



 話を聞いてみるとやはり、過去に転生した勇者が関わっていたのだ。チバラギ国やギョウザ村とセンスがそっくりだ。


 過去に転生した勇者たちは、魔王となった赤竜と戦って討ち取ったそうだ。


 その時に魔王討伐に他の竜たちが参加しなかった罰として、人族の前に5人揃って現れるときには、勇者たちから支給された魔道具を使い、変身して決めゼリフを言わなくてはならないらしい。


 勇者たちは、時折現れては、その姿を見て、笑い転げていたそうだ。酷い、あまりにも酷すぎる。


 勇者たちが死んで歴史上の人物となっても、その罰を受け続けているらしい。律儀と言うべきなのか、それほど後悔していると言うべきなのか・・・。


「やっぱり、受けなかったか。こちらの人間には、効かないんだよな。この1000年で効いたのは、2・3回くらいかな。なにを勘違いしたのかわからんが、イキナリ討伐すると言い出した若者に見せたら、お腹を抱えて笑い転げたので元の姿に戻って踏み潰してやったわ。」


 それは、きっと異世界からきた転生者だろう。いきなり、戦隊もののヒーローに踏み潰されるなんて・・・南無南無・・・。



「ところで、この御仁かな。我が眷属を見事うち滅ぼしたお方は?」


「そうです。我が全て見ておりました。」


 ギャグ空間からスッとシリアス、それも緊張感漂う空間へと変貌した。


「そうでしたな。トム殿。」


「はい。ここに映像もございます。」


 実は、この映像は、エルフの里の次期長に説明するために録画していたのだが・・・。


「ほう、なるほど、我が眷属が写っておるわ。これは、酷い。ゴブリンたちには、悪いことをしてしまったな。」



 ホっと息をする。どうやら解かって戴けたようだ。



「そなたにも、過酷な役目を与え申し訳なかった。この通りだ。」


 ツヨシ殿が僅かだったが頭を下げてくれた。強者のドラゴンの王だからこそ、この意味は、大きい。これをゴブリンたちに伝えれば少しでも溜飲をさげてくれるに違いない。


「だが、眷属にも家族がおったのだ。これは、どうすればいい?」


 いよいよ、本題に入った。生き物だから、そういうこともあるだろうが、流石に自分の命を差し出すわけにもいかない。


「リーダー!それならば、我にも責任がある。もう少し早く、ゴブリンたちのところへ到達しておれば、防げたかもしれないのだ!それに、トム殿は、あの初代チバラギの直系で、空間魔術師のジョブも持っておられる。無理を言うのは、やめておいたほうがいいと思うぞ。」


「なにぃ!空間魔術師だとぉ!それは、不味い。それは、不味いぞ。しかも、今見た映像は、鮮明だったではないか。・・・・ふぅーー、ブルブルブル。考えただけで、恐ろしくなってきたわ。ならば、不問にいたそう。眷属の家族に対しては、こちらのほうから補償しておくべきだな。」


 なにやら、俺のジョブを聞いた途端、リーダー改め王であるツヨシ殿が慌て始めた。なんだろう?


「では、これにて。トム殿、ご足労戴いてありがとうございました。後ほど、迎賓館の方で歓迎パーティーを開きますので、もう暫くお付き合いください。」


 とりあえず、無罪放免となったらしい。疑問だらけだが、わざわざ突いて蛇を出すつもりもないのでとりあえず、このまま放置だ。


うーん。書いてる本人が一番恥かしいかも・・・。


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ひとえに皆様のご支援によるものと深く深く感謝しております。

本当にありがとうございます。


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