番外編 プレゼント
お読み頂きましてありがとうございます。
バレンタインネタの番外編です。
本編は別に12時に投稿してあります。
ご安心ください(笑)
「えっ。なにぃなんなの。」
今年のバレンタインは、土曜日ということもあって前日の金曜日に社長室の前に義理チョコを持ってくる女性たちの列が出来ていた。
社長室では、幸子がその列を裁いており、部屋の隅に急遽置かれた机の上にチョコやプレゼントが所狭しと並べられていく。
「幸子知らないの?今日は、2月13日よ。」
わざわざZiphoneへの出勤前に寄ってくれたのか千代子さんが列に並んで、不思議そうな顔の幸子に答えている。
「それは、知っているわよ。でも、そのチョコと別に持ってきているプレゼントはなに?」
「2月13日は、社長の誕生日でしょ。」
俺の誕生日は、バレンタインの前日ということもあって、プレゼントに誕生日兼バレンタインでチョコレートをもらうことが多いのだ。
高校は男子校だったのに、皆がネタとしてチョコパンを持ってくるし、誕生日を知っている女友達からは、チョコケーキを貰って、ホワイトデーのお返しに四苦八苦した。
そのため、最近は、親しい人以外には、誕生日を教えていなかったのだ。いや、ひた隠しにしていたというべきか。
「・・・・・うっそ。私知らないわ。千代子なんで知ってるのよ!」
「あらっ。山田ホールディングスの広報誌に載ってたじゃない。」
実は、前回の広報誌に笑いネタとして、俺の誕生日は、バレンタインとごちゃ混ぜにされることを書いたのだ。それもあってか今年は、チョコとプレゼントを別々に持ってきてくれる女性たちが増えたみたいだ。
「あれかぁ。・・・直視できなくて封印しちゃったやつか。あれにそんな大事なことが・・・。」
もちろん、幸子からも気合の入ったチョコレートを貰っている。ひとつぶ数百円もする有名なブランドだ。
だが、他の女性たちがチョコとは、別にプレゼントをくれたので、影が薄くなってしまったようで何か考えているようだった。
・・・・・・・
その日に自宅に帰り着くとさつきから、今日の添い寝は幸子だと告げられた。バレンタイン当日は、さつきと異世界に行くので、前からその予定だったらしい。
バタン。
俺は、寝室のドアを開けて、覗きこみ。思わずドアを閉じた。
「なんで閉めるのよ。」
寝室のドアからは、いかれた格好の女が出てきた。
素肌にピンクにラメがかったリボンを巻きつけて、頭の上でちょうちょ結びをしている女だ。
「はい。誕生日プレゼントよ。私を受け取ってぇ。」
どこのエロ漫画だよ。それもかなり昔のだ。
こんなのを喜ぶのは、せいぜいが高校生までだろう。
俺は、さつきを連れ寝室に入ると鍵を掛けた。
がちゃがちゃ。どん!どん!
うーん。流石にやりすぎかな。そう思って、ドアを開けるとそこには、ふてくされた顔の幸子が座り込んで居た。
俺は、屈み込んで幸子を立たせる。
「普通に添い寝してくれ。それとも、1人で寝るか?」
急遽思いつきで投稿しました。
やっぱり、笑いのオチは、この人が頑張ってくれました。




