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第4章-第42話 あらたなしごと

お読み頂きましてありがとうございます。


休み中は走れるだけ走って(書いて)息切れしそうだったら、休みます。

「アメリカの携帯電話会社を買収が完了したのは知っているじゃろ?」


「ええ、ランナーズ・ネクストですよね。」


 Ziphoneは低迷中のアメリカ第3位の携帯電話会社を買収すると発表し、いくつかの横槍はあったものの見事、1兆円余りで買収を完了した。そして、グループは世界第3位の携帯電話グループになっている。


 それに伴い、日本でもアメリカでもパケットし放題のプランを双方の携帯電話会社で導入して、世界を渡り歩くビジネスマンを中心に買い替えが多く発生していると聞く。


「そうじゃ。しかし、終着点は、そこではない。世界中で使える携帯電話グループを目指すのじゃよ。そこで、EU第4位の携帯電話会社ラインズ・テレコムを買収しようと思っておるのじゃ。」


 ラインズ・テレコムと言えば、EUのみならず、ロシアやイスラム圏にも通信網を持つ携帯電話会社だ。この会社がZiphoneの傘下になれば、Ziphoneグループは世界第1位になり、CEOの言う通り世界中で使える携帯電話を発売することができる。


 おもわず背筋がゾクゾクっとした。


「もう既に賢次が着手しておるのじゃが、なにせアメリカと違い伝手が少ないこともあり、情報戦で苦戦しておるのじゃよ。そこで、お主に現地に飛んでもらい情報収集活動をお願いしたいのじゃ。」


 確かに『移動』と指輪の能力を使えば、どこでも入りこめるから、情報収集には、打って付けかもしれない。だが、それは犯罪だ。あまりやりたいことでじゃない。


「心配するな。違法なことをやらせようとは、思っておらぬよ。EUでは、完全な密室でのやりとりを嫌うこともあり、ある種のパーティーを開き、その屋敷の一室で秘密の会議が行われたりするんじゃよ。パーティーの招待状は貰えるから正々堂々と正面からさつきを伴い入ればいいじゃよ。」


 CEOは、俺の顔色からやりたくないという表情を読み取ったのか、そう返してきた。うむ。屋敷内を探索するだけならば、マナー違反かもしれないが犯罪では、ないだろう。


 いざとなれば、発覚しなければ多少の問題に目を瞑ることができるようにしておくことも、経営者として必要なことだとは、わかっているのだが、なかなか踏み出せないのが現状だ。


 よほどの危機に見舞われないかぎり自分の良心が咎めることは、できないということなのだ。我ながら甘ちゃんだとは、思うのだが・・・。


「あと、さつきとの結婚式は、どうするのじゃ。やるか?籍を入れるだけにするか?」


「そうですね。2人とも2度目となるわけですから・・・よく、相談して決めたいと思います。」


「わしとしては、大々的にやってくれたほうが、あとあとやりやすいんじゃかな。まあええじゃろ、よう相談してな。」


「わかりました。心配をお掛けし申し訳ありません。」


・・・・・・・


「というわけなんだが、どうしたい?」


 俺は、自宅のマンションに返り着いたあとで結婚式の話をした。もちろん、朝まで浮かれていた幸子の目の前でだ。


「そうですね。会社的な披露宴だけ行えば、いいと思います。そこは、きっちりと押さえておけば、私的なものは、必要ないですから。」


 その返事を聞いてがっかりする。さつきが俺のことを大切に思ってくれていることは、解かるのだがそこに深い愛情表現が伴わないのは、洋一さんから聞いた過去の経緯からすると仕方が無いのかもしれない。


 俺が鈍感なだけなのかも知れないが、もっと解かり易い愛情表現をしてくれないかと思うのだが・・・。


「さつき!ダメじゃない。ハワイで私に嫉妬した貴女は、何処へいってしまったのよ。いいわ、外国での私的なパートナーの座は、頂くわよ。それでいいのね。」


 横からとんでもない矢が幸子から飛んできた。そして、フンと鼻を鳴らし俺に抱き付いてくる。確かに日本では、余り幸子と目立った行動は取れないが、外国では、そう目立たないに違いない。


「ダーメ!!」


 おもいきり耳がキーンと鳴るほどの大声がさつきから発せられる。そして、俺を力ずくで自分の方へ引っ張りこんだのだ。


「あらあら、ちゃんとできるじゃない。それでこそ、トムの奥様だわ。私は、ちょっぴり愛情の分け前を貰えれば我慢できるから大丈夫よ。」


 流石に数々の修羅場を潜り、年をえてきただけのことは、あるな。まあ、しっかりと自分の分を確保するところは、笑えるが・・・。


「ちゃんと愛情を示しなさい。トムは、それでも鈍感なんだから、直接的に愛情を示さないと返ってこないわよ。」


「うんわかったわ。ありがとう幸子。貴女の取り分が無くなるほどの愛情を得てみせるわ。」


「・・・・はいはい。がんばってね。」


 幸子は、そういいながら更に抱きついてくるのだった。


 俺は、両手に花状態なのをいいことに二人を抱きしめる。


「大好きだよ。」


いつも評価して頂きましてありがとうございます。


そろそろ、ハーレムタグが必要でしょうか?

いまさらかよって言われそうですが(笑)

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