第3章-第20話 出世街道爆進中!
お読み頂きましてありがとうございます。
平日連載作品がキリの良いところまできたので
こちらの更新ペースを上げたいと思っております。
ストックゼロから毎日になるのか2日に一回になるか
わかりませんが頑張って書きますのでよろしくお願いしますね。
「というわけなんだ。頼まれてくれるか?」
今、ニホンで陥っている状況をマイヤーに話した。
「悔しい!私が動けるなら、そんな輩は叩き潰してやるのに!」
以前、マイヤーやったことを思い出し真っ青になった。マイヤーが言う叩き潰すのは、物理的なことだからだ。
前回は、相手が相手だったこともあり、詳しくは調べられなかったが、今回は明らかに敵対しているのだ。警察沙汰になって、こっちが潰されることになりかねない。
「大事な身体なんだ。大切にしてくれ。」
「あと1ヶ月もすれば、安定期に入る。それまでに解決していないようだったら、私が蹴散らしてみせる。」
元々この数週間が勝負だとは、思っていたがマイヤーに期限を付けられてしまった。
「ああ、頼むよ。」
なんで、こんなことに・・・。
・・・・・・・
信子さんと洋一さんを信子さんがこれから住む場所に案内してもらい。洋一さんと信子さんが暫く会えなくなるということもあり、今日は、エルフの里に泊まりこむことにした。
「トムと2人っきりになるのも、久しぶりね。」
夕食も終わり、ベッドルームにもう1台ベッドをいれてもらった。
俺は、そのベッドではなく、マイヤーのベッドに腰掛けて、話をしている。
「そうだな。」
「寂しい?」
「ああ、マイヤーが居なくて寂しいよ。」
「ホント?」
「もちろんだ。」
まあ、最近はさつきか幸子が傍に居てくれるので、悪夢を見ることも少ないが時折、マイヤーに傍に居て欲しいと思うこともあるのだ。
「それで、そいつをどうやって潰すつもり?」
このまま、しっぽりと無理しない程度に夫婦の営みに入ろうかと思っていたが、どうしても、先ほどの話が気になっていたのだろう色気の無い話になっていく。
「どうすれば、いいと思う?」
案は、あることはあるのだが、平凡すぎて、マイヤーの過激な案を聞きたかったのだ。
「そこは、銀行なのだろう。金庫を空間魔法で取り上げるというのは、どうだ?」
面白いかも、金庫を空間魔法で自分の空間に取り込み、『移動』後、どこかで金庫を取り出したら、銀行強盗ならぬ金庫窃盗ができるな。
まあ、銀行の札の多くは、ナンバーが調べられているから、そのままでは、使用できないが、韓国のカジノにでも持ち込んでマネーロンダリングでもすれば・・・。って無理か。カジノでも身分証明書が必要だ。
「ダメージを与えるだけならば、良い手かも・・・。使うときがあれば使ってみるよ。」
「いっそのこと、火魔法で金庫の中のお金を燃やしてしまえば?」
金庫の中は酸素濃度も低いだろうし、すぐにスプリンクラーが動いて、ろくに燃えはしないだろうが、イメージダウンにはなるな。
「そんな魔法があるのかい?」
「『灯』だよ。教えただろう?あれならば、視界に入る場所なら、どこでも灯せるだろう。」
そういえば、マイヤーに魔法の基礎訓練をされた際に教えてもらったような・・・。
火魔法というと派手なイメージがあるけどそれだけじゃなかったんだな。さすがに銀行でファイアボールを打ち込むわけにはいかないもんな。マイヤーならやりそうだが・・・。
「それから?」
「うーん、そうだ!銀行ならコンピュータだらけなのだろう?それを破壊すればどうだ?」
「ライトニングでも打ち込むのか?」
たしかに銀行のコンピュータルームを破壊すれば、大ダメージだろうな。しかし、銀行ならバックアップ装置があるはずだ。おそらく遠隔地に配置されているだろうから、2箇所同時は難しいに違いない。
「そんなところかな。」
「ありがと。ありがとう。十分だよ。」
「結局、この傷治さなかったのね。」
マイヤーが火傷の跡を撫でながら言う。
「セイヤは、見る度に治せ治せと言われるがね。」
「ふ・ふ・ふ。」
「じゃあ、もう寝ようか。」
・・・・・・・
「ああ、なんとなく解かるよ。あちらの方向に何かが居るってことくらいだけど。」
翌朝は、洋一さんとうなぎ工場の人狼をつれてレベリングだ。さすがに探索の使い方は解からないので人狼まかせだ。
俺はいつものライフルではなく、特注のクロスボウで獲物を仕留めていく。このクロスボウは、蔵王高原で知り合った世界大会のタイトル保持者の監修のもと製作した、ミスリル製のバネとオリハルコン製の矢だ。
試射の際では、厚さ5センチの鋼鉄をぶち抜く性能を持っている。このミスリル製のバネとスミス金属で最高の性能を誇るオリハルコンを使用しているので、この世界の鍛冶職が作ったオリハルコン製の重騎士装備が簡単にぶち抜けることまで確認した。
最終的には、量産して右軍の弓部隊に配備する予定だ。
今は、魔獣相手だからおよそ半分の力で引いているのであるが、それでも大木は軽くぶち抜けるし、岩でも50センチくらいなら砕いてしまう。
欠点は貫通してしまうことで、貴重な矢を紛失しやすいことだ。
結局、夕方まで狩りをして、洋一さんのレベルが4まで上がった。




