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滲む境界  作者: キシ
第二章

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7/15

 ヘニョヘニョなセンサーでもわかる、強い霊気の反応があった。発信源は遠い。

 しっかりしたセンサーを持つかさねはオレより先にビビッときて、オレの所にやってきたのだ。何のために?



「ええと、その。わたしは霊気の元に行ってきます。それで、もしかしたらすぐには帰ってこれないかもしれなくて。それで、その……」

 備えになる食料を渡しに来た。もしくは、どこに置いたらいいか聞きに来たってとこだ。かさねは優しいからね。

「ワナかもよ。そもそも行ってどーするのさ」

 アヤカシや幽霊をボコボコにする霊術師の組織がある。コレはソイツらが作った、ボコボコにする相手をおびき寄せるワナかもしれない。


「何をしたいのかは、えーと。……言えません。ただ行きたいんです。それで、ええと。……行ってきます」

 フニャフニャ、フワフワしている。けど、かさねの意思は決まっている。

「オッケー、オッケー。止めないってば。代わりにオレを連れてって」

 返事を待たずに準備を始める。


 もう一回布団の中に潜って、出る。この時にヘビの抜けがらみたいに一番外側と中身を少しベッドに残しておいた。

 そうするとベッドで寝てる取成東の完成だ。


 これだけじゃハリボテだけど、かさねに補充してもらえば動くようになる。帰りが遅くなっても代わりに取成東をやってくれるはずだ。

 オレは弱いから、オレが二人ぐらいになっても気が付かない。弱っちいオレだからできる技。分身だ。


 ベッドに残した妖力の分、ちょっと背が小さくなった。これはこれで運びやすくていいかも。


 外に出るために窓を開けるとカーテンがパタパタ踊る。モタモタしてると誰かに見つかってしまう。

「ホラホラはやく。ゴー、ゴー!」

 ここまで来てオレを連れて行くのに悩んでいるかさねの手を取って急かす。




 協力関係。だけど対等じゃない。

 かさねが上。オレが下。

 イヤがるけどゼッタイそうだ。


 かさねが死ねば、俺はすぐに死んでしまうだろう。だからオレはかさねについて回って、弱いなりに、死なない程度に頑張ってかさねを守るのだ。 

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