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滲む境界  作者: キシ
第二章

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11/15

6

 割れたガラスの破片と一緒に人影が飛び込む。外にいたのとは違う制服を着た男だ。霊術師かな。ソイツはバケツを持っていて、中身をオレらに向かって撒く。

 透明な水。霊気のヤツか?

 勢いよく飛んできた水は傘で防がれた。水に触れた所がジュウって音を立てて湯気を出す。


「かさね、ありがと」

「……まだ気を抜かないでくださいね」

 かさねの足はそのまま制服のアヤカシに向いて、傘は入ってきたヤツに向ける。

「挟み撃ちなんてヒキョーだぞ。アンタが挟まれちゃえ」

 ま、何とかなるけど。かさねがいるからね。


 霊術師がそこのアヤカシと協力している? 利用している?

 どっちにしたって逃げられるように心の準備をしていたら、霊術師はガラスの破片を蹴って後ろに飛んだ。入った所から出ていく。

「へっ?」

 ビックリして声が出たのは、攻撃じゃなくてすぐに逃げ出したから。けど、ビックリポイントはそれだけじゃない。踏まれていた破片がフヨフヨ浮いて、元あった場所に戻っていったんだ。


 霊術師が割った窓ガラスだけじゃなく、アヤカシが壊していった学校丸ごとピカピカになる。

「霊術師の仕業ですね。凄まじい精度です。優秀な方なのでしょう。さきほどの方の仲間による術でしょうか」

 そのユウシュウなヤツは学校を直したかったわけじゃない。

「掃除の術……じゃなくて封印だよね。これ」   

 うわばきが廊下とくっついて動かない。足が廊下と一緒になったみたいだ。

 そこのアヤカシもおんなじだろう。だから一歩も歩いてなかったのかも。


 かさねの言う通りスゴイことなんだろうけど、本人が感動して教室を歩き回っているように、強いやつには効かない。オレはもちろん廊下から動けないけどね。

「かさねぇー、手かーして。切ってよ」

 一人でどうにもならないので、助けてもらう。フフン、ここが制服のアヤカシとは違うのだ。


「わかりました。けど……」

 オッケーしたのにためらっている。

「いいっての。このままアイツとにらめっこさせる気? オレ負けちゃうよ」

 しぶしぶって感じでオレの足を切り落としてくれた。

 食べた分の妖力で足を作り直す。そうしたら、足はもう重くない。動ける。


「これでヨシっと。それで、これからどーするの? かさねが霊術師とバトルしている間、隠れていればいい?」

 そこにいるアヤカシはボーとして動かなくて、何考えているかわからない。

 霊術師はこれで全部オッケーとは思ってないだろう。


 バトルでは足手まといになるオレはどこかに隠れとかなきゃ。そう思っていたら

「いいえ。逃げます」

 めずらしくキッパリ言い切った。

「……どこに?」

「わかりません。……ただ、考える時間がほしくて……」

「オッケー、じゃ行こ。どっかにいいトコあるでしょ」

 かさね様のご命令通りに直ったばかりの廊下の壁を壊して逃げ出す。

人間ぽのをほっといて。モドキにトドメを刺さないで。アヤカシをボコボコにして、でも殺さなくて。霊術師にロクに反撃しないで逃げ出して。一体かさねは何をしたいんだろう。

 ま、よくわからなくても、かさねの考えに従うだけだ。

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