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孔から妖力が生まれる。妖力がアヤカシになる。
人間の食べ物で腹を満たすには量が足らない。オレはアヤカシの食べ物、霊気や妖力を一人で用意できない。だから強いかさねに協力している。人間に紛れて小学校に通っているのもその一つだ。
でも孔があれば? 管理できるかわからないけど、孔から出る妖力があれば一人で生きていける。
何を考えているのかわからないけどヤツを守って生きるより、自分一人を守って生きるのがずっと楽だ。
「ま、考えとこ」
腕が動く。傘が切る。オレはそれをキャッチして食べる。
動きのバリエーションが増えたって、切られたら終わり。見てるだけのオレが言うことじゃないけど、他にないのかな。
食べているうちにオレの身体に異変が起きた。
「うぅ……。お腹イタくなってきた」
ゼッタイ腕の妖力のせいだ。
「やっぱり食べないほうがいいよ」
「だねぇ。あのアヤカシ成長してるや」
アヤカシは学習する。
腕の動き方が増えたり、妖力の抵抗が大きくなっているのがそれだ。そのせいでお腹がイタくなった。
学習しているけど、足は動かない。上だけこっちを見て、外を向いたまま固まっている。
オレらが歩いているのを見てるのに歩かないし、腕みたいに振ったりもしない。それに人間をマネして学習したなら腕は伸びない。オレらも腕は伸ばさないしね。成長がなんか変だ。
そして変といえば、かさねもだ。向かってくる腕を傘で切り落とすだけで攻撃しようとしない。考えていることがあるんだろうけど、聞いてみても
「えーと、その。わからなくなってしまって」
と言う。やっぱりわからない。
戦っている間オレはジャマにならないように、かさねの後ろに立っていた。かさねを守るためにここにいるけどテキザイテキショ。真正面の争いごとはオレの仕事じゃない。
オレとおんなじで、かさねの後ろにあって無事だった窓ガラスが急に割れた。




