退治
どうやらこの洋服は、まだ世にお披露目されていなくて、これからモデルさんを決めて発売されるとのことだった。
なので、このイメージにぴったりなオレがそのままモデルとして、写真にアップが最適だとなったらしい。
まぁ、そんなこと言われたらね?
調子に乗るよね?
ってことで、あっさり承諾。
で、紗奈さんはなぜか大喜びだった。
いっぱい着せ替えできるんだ?たくさん佐紀斗くんアレンジ見れるんだ?ってね。
オレごときの着せ替えで、こんなに喜んでくれる紗奈さんがめっちゃ愛おしいし、可愛らしいなって改めて思った。
さっきのお兄様のお言葉を、また思い出して幸せ気分になった。
そしてオレは、これからも紗奈さん宅へ来ることが決定した。
なにせモデルなんでね。
オレは、なんて幸せものなのでしょう。
これからも紗奈さん宅へお邪魔できるなんて。
そのままオレは写真撮影したんだけど、なんと紗奈さんの洋服も、お兄様がデザインしたものだった。
だから、カップル撮影みたいに仲良く見つめあったり、手を繋いだりの写真も撮ることができた。
こ、これは…めっちゃ宝物にしようとその写真を送っていただき、大事に携帯に保存した。
結局最後は、写真撮影になってしまったが、とても楽しかったからお互い、よしとした。てか、紗奈さんが満足そうでなによりだ。
そもそもオレは、なんで紗奈さん宅へきたのかすら忘れて楽しい時を過ごしていた。
そんなこんなで、家に帰ってもずっと写真をみては、ニッコニコなオレ。
学校へ行っても紗奈さんがいて、放課後も一緒に下校して、紗奈さん宅へ直行とかってさ、もう最高かよ‼︎
ずっとニッコニコやん。
なんだか…紗奈さんがオレの彼女なんじゃね⁉︎って錯覚してしまうくらいだ。
そんなオレたちは、いつのまにか学校の皆さんから、ベストカップル認定されつつある。
なぜ⁇ってなっていると、クラスのひとりがオレたちのツーショット写真をみせてくれた。
…こ、これは…
若者に、爆発的に大人気となっているネットの洋服サイトだった。
あのとき、紗奈さん宅で撮影したやつじゃん?
それがまた、あっという間に広まりオレたちは、みなさんに取り囲まれた…。
なんか、少し紗奈さんに近づけた気がする。
だから、嬉しいよ?
嬉しい…けど…ね…
紗奈さんとの貴重な休み時間が…
…
なぜかオレたちは、パワースポットみたいになりつつある…
伝説の席‼︎とまで言われ、大人気です…。
でさ、そこにまたあの二人がやってきたんですわ…
紗奈さんのところには、佐久間くん。
オレは紗奈の幼馴染なんだぜ?ってな感じでさ…。
そんでもってモカは…佐紀斗は、わたしの元カレなんだよーってね…。
…
なんなんでしょうね…
まったく…
二人は、何がしたいのかさっぱりわからないので、ほぼほぼ放置です。
と、言いたいところなのですが…ウザ絡みが半端ない。
佐久間くんもモカも、この人気な二人に一番近い存在だったのは、オレとわたし感が強くて、とにかく絡んでくるわくるわ…。
蜘蛛の巣に引っかかってしまった勢いだ。
オレが引っかかってしまったモカの巣は、とにかくボディタッチがすごくて…困る。
だから、はっきりと好きな人いるから、復縁はないってめっちゃはっきり言ったのに、全然通用しない。
紗奈さんも、佐久間巣に引っかかって困っていた。
好きな人がいるだけで、別にカレカノいないんだから、いいじゃん?ってさ…。
人の気持ちお構いなしだ…。
なら、パートナーできたらしつこくしないんだ?ってなるよね。
ならばと、オレは早速放課後…紗奈さんにあつかましい相談を持ちかけた。
オレたち付き合ってるフリしない?って。
そしたら紗奈さんが、
「フリ…か」
って、なにかを言いたそうにしてためらった。
「あ、オレとフリなんか嫌だよね。ごめん」
って謝ると紗奈さんは、
「ううん、違うの。すっごく嬉しいよ?」
って言ってくれた。
もしかして、無理させちゃったかな?って思ったけど、紗奈さんは少し嬉しそうだった。
「てか、ホントはオレ…」
「えっ?なに?」
「あのね、オレ紗奈さんが好きです。だから、フリするのに、後ろめたいから今ハッキリ言わせてもらった。この気持ち聞いても紗奈さんは、フリできそう?」
オレのいきなりの告白に紗奈さんは、
「わたし…実はわたしも好きです。ずっと前から。と言いますか…はじめからずっと気になってて…」
と。
⁉︎
え?
そ、そうなん⁉︎
「マジか、それはめっちゃ嬉しい。じゃあ、フリじゃなくて、正式にオレと付き合ってもらえますか?」
「うん!こちらこそ嬉しい。ありがとう」
って紗奈さんがオレに抱きついた。
おぉう♡
てか、ここ…教室。
だれかにみられたら…
って思っていた矢先…あの二人がちょうど教室に入ってきた。
「佐紀斗ー♡一緒に帰らないー?」
ってモカが。
で、
「紗奈ー、オレたち幼馴染だから家まで送るー」
と、佐久間くん。
…
この二人にわからせてあげるには、一番いい方法…
それはオレたちのイチャイチャだ。
「あー、佐久間くん。今日から紗奈さんは、オレの彼女なんで。」
といい、紗奈さんを抱き寄せた。
すると紗奈さんも、
「モカさん、そういうことなんです」
といい、オレに抱きついた。
すると二人が同時に笑った。
「「あはは、付き合ってるフリとかウケるんですけどー」」
ってね。
信用しない二人をみてオレは、紗奈さんに小声で目の前でキスしてもいい?って聞いたんよ。
そしたら、紗奈さんは返事をする前にオレにキスをしてきた。
えっ⁉︎
マジか‼︎
てことで、オレもお返しにキスをした。
そしてジーって見つめあって微笑んで、またキスをした。
そしたら、いつのまにか二人がいなくなってたっぽい。
紗奈さんしか見えてなくてごめんー♡ってね♡
こうして、オレたちは付き合えたと同時に、あの二人も撃退することができましたとさ♡
おしまい♡