隣の部屋から…
紗奈さんは、男性目線からみたら髪型とか化粧とか、どういうのがうけるのか調査したいということで、今回お呼ばれしたのだ。
なんなら、服装とかの好みも聞きたいと。
…
オレの好みだから、偏るよ?って言ったんだけど、紗奈さんはそれでも聞きたいって言ってくれたので、今日は紗奈さんを存分にオレ好みに変身してもらおうと意気込んだ。
まぁ、そもそも紗奈さんは素材が抜群だから…まず何もしなくてもかわいいんだけどね。
だって、いらっしゃいって出迎えてくれた部屋着ですら、めっちゃかわいいんだもん…。
もう、これで良くない?ってなくらいかわいい。
でも、これじゃ来た意味がなくなってしまうので、きちんとオレのタイプをお伝えした。
やっぱり、紗奈さんの髪の長さからして、ゆるまきかポニーテールだろう。
まずは、元気風のポニテにオシャレパーカーを着てメイクも明るめにとお願いしてみた。
すると紗奈さんは、あっという間に元気女子へと、早替わりした。
かわいい。
そして次は、おっとり系女子の格好をしてくれるとのことだ。
楽しい。
好きな人の着せ替えとか…普通ありえないことだ。
それが今、まさに実現してるとかって…すごいな。
てか、少し申し訳ないくらいに好き放題、要望を出しているので、後ろめたい気分だった。
なんか、オレばっかり楽しくてごめんって謝ると、紗奈さんは…なら、わたしも佐紀斗くんに、してほしい髪型と服装があるの!って、目を輝かせた。
…オレなんかが着せ替えしても楽しくないと思われるけど…でも、すごくワクワクしているっぽいから、オレはそんなワクワクな紗奈さんにこたえてあげる事にした。
でも…今すぐってのは、無理なんよね。
そもそも要望されても服がないじゃん⁉︎ってなったんよ。
だから、それは後日だねーって言おうとしたら紗奈さんは、どうしても一緒に写真撮りたいから少し待っててと、隣の部屋に向かったっぽい。
…
そして…少しして現れたのは…紗奈さんと、まさかのこの前の男性じゃありませんかっ‼︎
ええええぇー⁉︎
だれ?てか、だれ?
同居人?
それとも、まさかこの人…同棲中の彼氏?
家族住んでるのに、同棲許可されたの?
と…オレが放心状態で脳みそフル回転で色々考えていると、
「兄」
と、一言紹介された。
兄…?
兄ってことは…兄か。
…てことは、紗奈さんの好きな人だれなの?って一瞬思ったが、それより今は目の前のお兄さまに好感を持っていただかなくては。
というわけで、自己紹介をしてにっこり微笑んだ。
するとお兄様もご丁寧に自己紹介してくれて、にっこりしてくれた。
そして、
「彼氏くん、いい人だなぁ。」
って呟いたんです。
彼氏くん⁉︎
するとすかさず紗奈さんが、
「彼氏じゃないから。」
って訂正したよね。
あげておとす…みたいな。
すると…
お兄様ったら、
「あー、まだ彼氏じゃないんだ」
って笑ったんです。
まだ…
まだ彼氏じゃないって言いましたね?
まだだって⁉︎
じゃあ、これから彼氏になれるんっすか⁉︎って喜んだよね。
たぶん言い間違いだと思うけど…
でも、言い間違いでもそれは嬉しかったので、そのままそっと胸の奥の引き出しにしまった。
きちんとエアーティッシュに丁寧に包んでさ。
そんな丁寧なことをしていたら、紗奈さんのお兄様が、お洋服をオレに貸してくれるっておっしゃってくれた。
あぁ、オレをコーディネートするとか紗奈さん言ってたっけ…。
すっかり忘れていた。
そして紗奈さんチョイスの洋服がお兄様から渡された。
⁉︎
こ、これは…
めっちゃおしゃれだった。
おしゃれすぎるし、こんなデザインの洋服どこで売ってるんよ?って興味津々になると、嬉しそうにお兄様は、
「それ、オレがデザインしたんだ」
っていうじゃありませんかっ!
兄妹で、カリスマとかヤバ…
そんな素晴らしい洋服に早速身を包まれると、紗奈さんがめっちゃカッコいいと喜んでくれた。
一番喜んだのは、もちろんオレ。
だって、好きな人にそんなこと言われてテンション上がらないやついる⁉︎
もう一気に、高層ビル最上階ってな勢いですからね!
そのまま、オレはふざけてポージングしてみた。
すると…
お兄様から、いきなりモデルでそのまま続行しない?
と、いきなりモデル候補に上がった。
え?
モデル…⁇
続く。