拗らせカップル
先生に話をした数日後
担任の先生は肌艶がとても良くなっていた。
あの日、帰りに早速おススメ化粧品を買って帰ったそうな。
でも…先生の肌艶がよくなったことは、あまりニュースには、ならなかった。
それより…
オレのお隣さんの紗奈さんが…大変なことになっていた。
今まで、すぐ隣をみると紗奈さんがいた。
なんなら、ジーッと見つめ合うくらいだったのに…
なのに今は、紗奈さんが見えないっ‼︎
なぜなら紗奈さんは、たくさんの人に囲まれ中だからだ。
かつらを取り、学校へきた紗奈さんは一撃でみんなにバレていた。
で、今こうなっているってわけだ。
みんなやっぱり情報が早いよなー。
まぁ、当日は大騒ぎだったけど少しずつ落ち着いてきて、平和な日常に戻りつつあったんだけど…
佐久間くんが、やたらと紗奈さんの元へやってくるようになった。
紗奈さんは、あからさまにイヤな顔で佐久間くんに対応していた。
紗奈さんは、もう佐久間くんのことをなんとも思っていないのだろうか?
てか、佐久間くんってモカと付き合っているんじゃないの⁉︎
紗奈ってやっぱりかわいいよね〜♡とか言ってるけど…それはアリなのか⁇
と思っていたら、プンスカするモカがオレたちのクラスへとやってきた。
で、佐久間くんをお叱りするんか?ってみていたら…
なぜかオレのところにやってきて、
「わたしたち、やり直さない?」
と、驚き発言をしてきた。
えっ⁉︎
なんなんだ…?佐久間くんといい、モカまでも…
この二人は、別れたのだろうか?
そもそも…目の前に元カレがいるのに…元々カレに復縁とかって…
てか、ややこしな。
元カレとか、元々彼とか…
「…あのさ、モカさんって佐久間くんと付き合ってるんじゃなかった?」
モカは、チラリと佐久間くんをみて
「いるよー。でもあの人すぐ他の女のところいくしー。全然大事にしてくんないしー。やっぱり佐紀斗の方が断然いいって気づいたんだよねー」
と言った。
すると、それが聞こえた佐久間くんは…
「なー、紗奈ー、オレの彼女かわいくねーんだわ。紗奈の方が何倍もかわいいし、オレと付き合おう」
と、紗奈さんにせまっていた。
まだモカって、佐久間くんと付き合ってんじゃんか…
それでこれは…どうなんだ?
まずお互い別れてからすることなんじゃ…
紗奈さんは、好きな人いるからってお断りしていた。
なんなら、その人に一目惚れしたそうな。
…
紗奈さん…好きな人いたんだ。
さぞかし、その男性はカッコいいのだろう。
フラれた佐久間くんをみたモカは、クスッと笑って
「ざまぁなやつ。わたしは、佐紀斗に幸せにしてもらうからー」
って、オレの腕に手を絡めてきた。
「あ、モカさん…おやめください。他人に触れるのは、どうかと思うよ?」
と、手を振り払った。
「え?どういうこと?てか、なんでサン呼びするの?また彼女になってあげるって言ってるのに。」
と、焦るモカ。
だからオレは、モカにはっきり言ってやった。
「オレは、もうモカさんのこと好きじゃない。あと他人だから、呼び捨てにしない。それにオレ、好きな人いるから」
って、言ってやった。
すると今度は、佐久間くんが
「フッ、ざまぁな女」
って笑った。
この人たちは…ほんとにこの前まで好き同士だったのだろうか?ってくらいなやりとりだった。
なぜこんな数日で…ここまで拗れるのか、ある意味感心する。
そこでチャイムが鳴ったので、二人は
「「ふんっ」」
っていい、同じ教室へと戻っていった。
…
仲良いんだか…悪いんだか…。
そんな二人をみて、苦笑いするオレと紗奈さん。
なんか、紗奈さんってとっても癒しの顔する時があるんだよなぁ。
優しい微笑みっていうのかな…?
あれは、ある意味技じゃないかって思うくらいだ。
紗奈さんを一目惚れさせた人ってのが、オレはどんな人なのかめっちゃ気になった。
こんな美しい人が一目惚れするって…まさか、有名人じゃないよね⁉︎
って、考えちゃうよねー…。
でも、どうやらそれは間違いでもない⁉︎
オレは見てしまった…
とある日…
紗奈さんと化粧品活動のため歩いていたら、少し離れたところで、めっちゃイケメンの男性が紗奈さんにおててをフリフリしていたのを…。
そして、紗奈さんは…ペコリとしたんだ。
オレは、あの人だれ?って…聞くことすらできないくらい二人の世界だった。
あの人がさくちゃんなんじゃ?って思ったよね。
おかあさんが…
この前紗奈さん宅にいったとき、おかあさんが言ってだんだよね。
さくちゃん以外の男の子連れてくるなんて珍しいねってさ。
さくちゃんって…やっぱりあの人なんかな?
でも、あの人…隣に女の人いたよね…。
なんならその女性と…いい感じの雰囲気でしたけど…
…
続く。