ジーッ
オレには、中学から付き合っている彼女がいる。
名前は、浅木 モカだ。
そしてオレは早見 佐紀斗。
「佐紀斗ー、今日友達と遊ぶから一緒に帰れないー」
「あー、わかった」
モカは…オレの教室の入り口から、そう大きな声で言った。
「またか…。はぁ」
最近モカの様子が、へんなんだ。
…というか、これが倦怠期とよばれるものなのだろうか。
あまりオレと一緒にいても、最近楽しくなさそうなんだよね…。
一緒に帰っているのも、今までそうしてたから帰るみたいなね…
…
で…最近は、よくドタキャンされる。
冷たい机に顔をのせて大きなため息をつくと、ふと隣の席の人と目があった。
…てか、じっとオレをガン見している。
…えと、、、
さっきのオレと彼女の会話のやりとりをたぶん…聞いていたであろう隣の席の人…
そしてたぶん…ため息もきかれていたよね…。
これは、哀れみの視線…?
ジー
ジー
両者譲らないジー
…
いや、これは…たたかいじゃないって!
オレはふと視線を外して、何事もなかったかのように姿勢を正した。
小学校一年生で習ったお手本の姿勢みたいに、ピーんとして。
あ、きちんとこぶしがひとつ入るくらい机とお腹をあけたよ?
休み時間だというのに、このピーンとした姿勢のやつを、オレは未だみたことがない。
それを今…オレは実践している。
何やってんだかな。
すぐに姿勢をグニャッと戻した。
はぁ…
また、ため息を思わずついた。
そして、ハッとしてお隣さんをみると…
まだこちらを凝視していた…
…
え、これは…また睨めっこ対決が始まってしまぅ…
さっきのは、オレの負けだ。
だって、オレ…目逸らしたし…ってかさ、睨めっこなんか…そもそもしたくない!
またふいっと視線を外すオレ。
てか、隣の人…肌めっちゃ綺麗だな。どんなケアしたらそんなに綺麗になるんだ?って羨ましがっていたら、隣の席の人がいきなり…
「ハグ…ハグしません?」
っていきなりなことを言ってきた。
初めての会話がまさかのハグしません?だった?
「えっ⁉︎今なんて⁉︎」
「ハグですけど?」
バグ‼︎
オレの脳内バグってますが⁉︎
今のって…ハグって言いました⁇
オレは、じっとみてくる隣の人を凝視した。
この人…何言ってんだ⁇
てか、今気づいたけど…この人おめめクリクリでまつ毛なが〜。
てか、瞳ウルウルよ?
可愛らしいおかただ。
でも、こんなにかわいいのに…もったいないくらいの容姿だ。
髪はボサボサで猫背って…
じっとみていると、その人の瞳からぽたっと涙が溢れ落ちた?
「えっ?な、泣いてる?」
「いえ、ドライアイです。これは目薬」
「あぁ、そうなんだ。」
てか、いつのまに目薬ー⁉︎
まあ、それはいいよ。
てか、さっきのハグって何⁉︎
「あのさ、聞き間違いだったらごめんなんだけど…さっきハグしません?って言いました?」
オレの質問にその人は、当たり前かのように
「はい。いいましたけど?」
と答えた。
空が青いの当たり前ですよね?くらいのノリ…で。
「あー、やっぱりそう言ったんだ?てか、オレ…彼女いる…から、ごめんね。そういうことは、できない…かなぁって。」
「へー」
…
あっさり返された。
明日晴れるらしいよ?
へー
くらいのノリでさ…
なんなんよ⁉︎
隣の人…謎すぎ‼︎
よくわからないけど、隣の人はオレの彼女にも興味津々らしく、オレの教室にきた彼女もよく凝視していた。
さすがに、その視線に気づいた彼女は…まさかの隣の人に面と向かって
「なに?キモいから」
って言い放った。
「それは…モカ、言い過ぎだよ」
「だってキモいじゃん。もうこの教室来ないから。次から佐紀斗が毎日わたしの教室きてよね」
と言い、教室を出て行ってしまった。
お互い交互で、教室を行き合う約束だったのに…。
ま、いいか。
そう思っていると、隣の席の人が
「あ、なんか…ごめんなさい。お詫びに机拭きますね?」
とハンカチを出そうとしていた。
「えっ、なんで机…てか、そんなことしなくて大丈夫だから」
と、慌てると隣の席の人は、
「あ、そうですか。よかったです…ハンカチなかったです」
と、ポケットからスッと手を出した。
なんなんよー⁉︎
マイペースっていうのかな⁇なんなのかな⁇
よくわからないけど、不思議な人だなぁって改めて思ったのでありました。
続く。