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バトルとハプニングは唐突に!?

 ― 市街地 ―


 マカナ「アサヒ、何処だ?」


 私は天狗の羽で飛びながら天狗と共にアサヒを探している。


 ドォン!


 爆発した場所からアサヒの妖量と邪神の妖量を感じた。


 マカナ「あそこか!」


 おそらくアサヒが邪神と戦闘をしているのだろう。速くアサヒの援護に行かなければ!

 私は爆発した場所へ高速で向かう。


 マカナ「あれは!?」


 アサヒが旭道三段を使用して市民を守りながら人型の黒いドブガエルの邪神5体と戦っていた。


 人型のドブガエル「グエグエッ!」


 男の子「うわーんお婆ちゃん!」


 お婆さん「ひぃ!」


 ズドンッ!


 小さい男の子を庇っているお婆さんが襲われそうになるが、アサヒが人型のドブガエルを一撃で蹴り倒した。


 アサヒ「ここは俺に任せて速く逃げて下さい!」


 お婆さん「あ、ありがとうございます!」


 お婆さんは小さい男の子を連れて逃げていった。


 人型のドブガエル達「グエ!グエ!グエ!」


 4体の人型のドブガエルが辺りの影から20体の邪鬼を生み出す。


 アサヒ「流石に数が多いな。それなら光輝…」


 一瞬アサヒが光輝弾を出すのを躊躇う。その隙に邪鬼がアサヒに襲いかかる。


 アサヒ「しま…」


 マカナ「アサヒ!!」


 私は急いで天狗と神仏合体をする。そして大天狗となって右手に太刀、そして右手付近に浮いている金剛杖を左手に持つ。


 カシャンッ


 金剛杖を鳴らすと雷神装が全身を纏い、アサヒに近付く邪鬼達に向かって突撃する。


 カッ!ドォオン!!


 人型のドブガエル達「グエ!?」


 私はアサヒの前で着地した。邪鬼達は吹き飛ばされていき、雷神装の放電によって8体倒した。


 アサヒ「マカナか!?ありがとう助かった!」


 マカナ「勝手に行動するなアサヒ!」


 アサヒ「ごめんごめん」


 着地でしゃがんでいた私は立ち上がってアサヒを注意した。アサヒは手を合わせて笑って謝っていたが反省の色は無かった。


 マカナ「しかし、よく邪神が出てくる事が分かったなアサヒ」


 アサヒ「第六感覚のおかげだよ。速く邪神を倒して被害を最小限に抑えないとな」


 マカナ「そうだな」


 アサヒが私の隣に立つ。不思議な感覚だ。かつて大嫌いで殺したかったアサヒと、まさか肩を並べて戦う日が来るなんて思ってもみなかった。


 マカナ「アサヒ、余り無理はするな。お前は旭道で身体能力を向上させているとはいえ、肉体は人である事は変わらないからな」


 アサヒ「分かったよ。ならお言葉に甘えて邪鬼は俺が相手をする。カエルはマカナに任せた。大天狗の状態なら楽勝だろ?」


 マカナ「フッ、無論だ」


 お互い笑い合う。アサヒと一緒にいると不思議と気持ちが落ち着き、寿量が増えていくのが分かる。アキナの言った事が理解出来たような気がする。


 マカナ「行くぞ!」


 アサヒ「ああ!」


 マカナ「雷神装・獄刀火纏」


 私は雷神装を纏い、高速で獄刀火纏をドブガエル2体を斬る。


 人型のドブガエル2体「グェエエエ!!」


 ドブガエル2体は生きたまま燃え盛りすぐに灰となった。


 マカナ「あと2体!」


 私は口を開けているドブガエルに斬りにかかる。


 人型のドブガエル「ゲコゲコゲコゲコゲコゲコ」


 ドブガエルが鳴き出した時、急に激しい頭痛が起きてしまい、あらぬ方向へ突撃してしまって雷神装・獄刀火纏を解いてしまった。


 ドガァンッ!!


 マカナ「ぐ、油断した…はっ!」


 私は突然の頭痛に頭を抑えていた。


 人型のドブガエル「ゲコー!」


 そしてドブガエルが鳴きながら長い舌で私の身体を翼ごと拘束する。


 マカナ「クソッ、神術が使えない!」


 ドブガエルの鳴き声が耳から脳に伝って、神術を使えないように影響を与えている。この頭痛はそれによるものだ。もう一体のドブガエルが私に止めを指す為に走って近づいて来る。


 アサヒ「マカナ!!」


 アサヒが私に向かって走って来る。どうやらアサヒは邪鬼達を全員倒したようだ。

 私はアサヒに自分の元に来ないように叫ぶ。


 マカナ「来るなアサヒ!!ドブガエルの鳴き声で動けなくなるぞ!!」


 アサヒは驚いた顔で足を止めた。


 アサヒ「鳴き声で!?」


 人型のドブガエル「ゲコゲコゲコゲコゲコゲコ!!」


 マカナ「ぐあああああ!!」


 ドブガエルの鳴き声が大きくなると同時に頭痛も強くなっていく。こいつ、まさかアサヒに自分の鳴き声を聞かせる為に声量を上げたな!!

 大天狗の神術は強力過ぎる上、周りを巻き込む。まだ市民は避難を完了していないから本気はまだ出せない。かと言って大天狗でなければ1人で邪神を倒す事は出来ない。本来なら邪神は大巫女であれば最低でも2人、その他の神術士なら5人は必要だ。

 アサヒが両耳を両手で塞ぐ。しかしもう一体のドブガエルが舌でアサヒの足を拘束した。


 アサヒ「げっ!」


 アサヒは空高く上げられて地面に叩きつけられる。


 マカナ「アサヒ!!」


 ドブガエルが自分の舌を鞭のようにアサヒを何度も地面に叩きつける。

 アサヒは両耳を抑えているから両手が使えない。そのせいで一方的に地面に叩きつけらている。


 マカナ「やはり本気を出すしか…」


 私は雷光天征を使おうとした時、アサヒが両耳から手を離す。


 ブチブチブチ


 そして両手で両足を拘束していた舌を引きちぎった。


 人型のドブガエル「ゲコーー!!」


 舌を引きちぎられたドブガエルが悶え苦しんでいるが、アサヒはそいつを無視して私を拘束しているドブガエルへ接近した。


 人型のドブガエル「ゲコ!?ゲコゲコゲコ!!?」


 アサヒ「聞こえねぇよ」


 ザシュッ…ブシャアアアアアア!!


 アサヒが手刀でドブガエルを横真っ二つに切り裂く。


 マカナ「あ…」


 アサヒ「マカナ!!もう一体の方を!マカナ!?」


 アサヒは振り返って私を見て指示を出したが、私は呆然としてしまった。何故ならその光景は謎の男が姪を殺した光景と似ていたからだ。


 人型のドブガエル「ゲコーー!!」


 マカナ「え?」


 ドブガエルが口から溶液を私に掛けようとする。


 アサヒ「マカナー!!」


 アサヒは私を庇って代わりに溶液に掛かる。


 アサヒ「ぐあああ!」


 マカナ「アサヒ!?くっ私とした事が!!疾風破!!」


 私は右手を太刀から左手付近に浮いている羽団扇に持ち替えてドブガエルに向けて疾風破を放つ。


 ドブガエル「ゲコ!?」


 竜巻が蛇の様な動きでドブガエルを飲み込み、打撃と斬撃が混ざった暴風を喰らわせる。


 ドブガエル「ゲコーー!!」


 ドブガエルの身体は散り散りとなって肉片だけになった。


 マカナ「アサヒ大丈夫か!?」


 私は慌ててアサヒに近付くが、アサヒは何故か全裸になって顔を伏せて蹲っていた。


 アサヒ「なんか…服だけを溶かす液体っぽい」


 マカナ「そ、そうだったのか…」


 アサヒ「マカナ…悪いけど新しい服を取って来てくれ…」


 アサヒが顔を上げて私にお願いをした。


 マカナ「!!」


 アサヒが全裸で蹲りながら少し泣きそうな表情で私にお願いをしている。しかも上目遣い。この状況が何故か私の胸を熱くした。今思えばアサヒの身体はまるで少女のような身体だ。いや、もはや少女だ。こんな細い身体で左腕を失いながらも私を救いに来たというのか!?貶していたこの私を!!

 アサヒは泣きそうになっているが、このまま襲ったらどんな反応をするのだろうか?泣き出すのかな?パニックになりながら怯えているアサヒを見てみたい…

 はっ!?まさか私はアサヒに劣情を抱いているのか!?これではまるでトモエみたいではないか!!


 マカナ「うおわーー!!」


 ガンガンガンッ!!


 私は四つん這いになって頭を地面に叩きつける。いけない、大巫女である私が恩人であるアサヒに劣情を抱くなど!しかもアサヒはアキナが好きなんだぞ!?


 アサヒ「うおーい!?誰が頭を地面に叩きつけろって言った!!服を取って来い!!」


 マカナ「そ、そうだ!!服だ!!すぐに取って来る!!」


 私は近くの洋服屋へ入った。


 マカナ「お、落ち着け…」


 店内には店員や客はいない。邪神が出て来たので避難したのだろう。ヒマリから聞いたがアサヒはハンサムマッチョに憧れていると聞いた。ならカッコいい服がいい筈だ。サイズはアサヒの服を借りているから大体分かる。


 マカナ「だが、私にはカッコいい服は分からない。適当になるが許せアサヒ」


 私は独り言を呟いて男の子が喜びそうな洋服を取って行った。

 ちなみに万引きは良くないのでレジの近くにお金を置いといた。


 アサヒ「ありがとうな、マカナ」


 マカナ「わ、私に礼を言う筋合いは無いぞアサヒ。むしろ私が感謝しなければならない。あの時、ドブガエルから私を庇ってくれてあ、ありがとう…」


 私は翼を大きくして着替えているアサヒを隠すように包んだ。

 そう…アサヒは私の翼の中で着替えている。なんだこの状況は!?後ろを振り向けばアサヒの裸が見れてしまうでは無いか!?


 マカナ「あ、アサヒ!!」


 アサヒ「なんだ?」


 マカナ「何故あの時!ドブガエルの鳴き声が効かなかったんだ!?」


 私は劣情を紛らわせる為にアサヒに何故ドブガエルの鳴き声が効かなかったのか聞いた。


 アサヒ「ああ、あれは両耳の鼓膜を光輝弾で塞いだんだよ」


 マカナ「な!?そんな事が出来るのか!?しかし、それをすれば耳が爆発するのでは!?」


 私は余りの驚きで後ろを振り向いてしまった。アサヒのうなじと鎖骨、肋骨とおへそがぁ!!ヤバい!!刺激が強過ぎる!!


 ブッ!


 マカナ「は、鼻血が…」


 私はすぐに前を向いた。

 アサヒが上半身裸でズボンを履いているだけなのに、クソッ!!


 アサヒ「実は光輝弾を爆発させずに固めたままにしたり、気化させるのを出来るように修行してたんだよね」


 マカナ「そ、そうか!!」


 私は鼻血が出ないように鼻を手で抑えた。


 ???「へぇ?こんなところで偶然じゃん」


 マカナ「この声は?」


 私がアサヒの身体に動揺している時、目の前に突然5人の巫女服を着た少女達が歩いて来た。


 マカナ「お前は…岩見?」


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