ストロー
効率、だいじ!
角の潰れた紙パックに
ストローを挿しこんですすりあげる
ぼくの渇きと
それを満たしえる 詰められた液体
需要と供給を結ぶパイプライン
しかしながら
渇いてひび割れた唇も
豊かな水場を湛える紙パックも
世界にはあふれているのに
それを結びつけるストローの
数が足りないか みじかくて届かないせいで
癒されない渇きと
もてあまされた紙パックはそこかしこ
求めれば与えられることもあるし
求めなければ与えられることはないのに
求めても与えられないときに襲われる
飢えの苦しみを厭うあまりに
求めることをやめてしまったことを
さみしいと感じたから
世界にたくさんの長いストローを
はりめぐらせることができたらいいのにって
願うだけではなく 実際に汗を流すひとたちもいて
そのおかげか
きょうもたくさんのストローが
需要と供給を結んでいるんだけど
それでも追っつかないのが現状だ
実のところ
紙パックや そこに詰める液体じたいよりも
じゅうぶんな数と長さのストローを
そろえることのほうがずっと高くつく
そんなこともあるのだから
ロスですよね。