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第五十九話

「今日は楽しかったよー、ありがと!」


「…………た…………楽しかった……わ……」


「くははっ、演技が切れた反動でけえな。素の状態が悪化してるじゃん」


「……いつか一緒にプレイしよ。その時は敵としてじゃなく味方として」


「そうだね! ばいばーい!」


「ま、また……よろしくお願いします……」


 こうして俺達とコルネ、クリスペアと別れることとなった。中々に面白い奴らだった。これからも交流を持てることを願う。

 まさか一日中ゲームをすることになるとは思わなかった。全部大勝したがな! がっはっは!

……いや、一つだけ負けたゲームがあるな。それが、UNO(ウノ)だ。なぜかあのゲームだけでは一位を取れなかった。なぜか、というほどでもないな。運だ。というか、三連続プラス4を俺は許さない。


「さて、流石に二日間この中に籠ることはできないな……。ちょっとは動かねえと」


「……眠たい」


「……そうか。徹夜で遊んでたから眠いんだな。クリスに関しては途中で寝てたしな。うん。スマン」


「……いや、カナデは悪くない。作られたあの雰囲気が悪い」


 どうしよう……と悩む俺。ひとまずはアオイをここで寝かせて、俺だけで動くか? いや、そんなことはできない。流石に危険すぎる。俺も近くにいるべきか……? さすがに長時間虚無の時間はキツい……。

 いや、いいや。このゲームについて考えておこう。


 どうやら運営はこれから、イベントが一つ終わるごとに階層を一つずつ増やしていくようだ。そして、次のアップデート……つまり、このイベントが終わった後のアップデートでは第二階層が追加される。そして、当然大規模なアップデートでそれだけなはずがない。俺は、無視していた運営からの通知を見ながら呟いた。


「クランの追加……それと、サーバー間の移動が可能になる……これなんだ?」


 サーバー間の移動って何だよ。意味分かんねえよ。

 説明を見てみるとどうやら、日本サーバーからアメリカサーバーへ、や、ロシアサーバーから日本サーバーへ、などの、国外サーバーへの移動ができるようになるようだった。そんなことして何の意味があんの? と思ったが、遠くに住んでる人に会えるわ、と気付いたのでそれ以上考えない。というか、サーバー移動には一日かかるみたいだし。

 いや、もしかして、サーバーに一つしか存在しないユニーク装備が、違うサーバーなら持つやつがいる……? 俺が『混成魔獣の巣』をもう一度クリアしたら、魔王シリーズは取れるのだろうか。実験してみよ。


「クラン……誰かのところに入るというより、自分で作りたいな……。だって、誰かの下につくのはムカつくじゃん」


「……じゃあ、私が参加する」


「ああ、ありがとう……って、起きた!? びぃっくりしたぁ……」


 あまり眠っていないような気がするが、普通に目を覚ましたアオイを見て驚いた。というか、独り言を聞かれていたのは恥ずかしいな。


「……もし君がクランを作ると言ったら、少なくとも私とユカは入ると思う。あと、もう一人の幼馴染の子。コルネたちは分からないけど」


「え、そうか? そんなトップランカーたちが入ってくれんの? マジで?」


「……多分。確証は無いけど」


 少し嬉しい。が、実際のところどうなるかは分からないので何とも言えない。まあ、クランのリーダーになったとしても、知らないやつらの長になるつもりはないし。


「……軽く眠ったから十分回復した。もう普通に動ける」


「え、いいのか? もう少し眠っててもいいんだぞ?」


「……そもそもこの世界は脳内で繰り広げられている。疲労や満腹も感じるけど、やろうと思えば無効化出来る。難しいけど」


「なるほど。いくらでも食べることができるというわけだ。やろうと思えば」


「……そう」


 コキッ、コキッ、と軽く首をならすアオイ。おお、オーラが漂ってる。そして、地上に上がって正面に銃口を向けた。俺が、「え?」と言った途端に、「……【爆裂の一撃】」と言ったアオイが計七発を放った。

 着弾点を見てみると、バァンッ! や、ボォンッ! という音が聞こえる。爆発してる。

すると、向こうの方から「なぜだっ!?」や、「ぐあああっ!」という悲鳴が聞こえてきた。あ、断末魔か。


「……なんで分かったんだ?」


「……私、眼がよくて遠くまでよく見えるから」


「マサイ族やんけ」


「……そこまでじゃない」


 時折、互いの索敵範囲が分からなくなる時がある。俺は、多少離れていてもそこに残った痕跡や、足音、それから匂いなどの気配で場所を察する。アオイは、いい眼を用いて遠くの敵を視認。壁すら破壊する弾丸で撃ち抜く。こういった違いがある。

 俺はハンドガンなため、『神龍起動』でもしない限り単発火力が少ない。そのため、ちゃんと俺と敵の射線が通るようになってから撃たねばならないのだ。うっは、きっつ。


 今度はアオイは右斜め前を撃ち抜いた。通常のプレイヤーならばひとたまりもない。俺だって、一発たりとも喰らいたくないからな。しかし、そんなアオイが、ん? と疑問を覚える。


「……ん? あいつ……倒せてない……?」


「え、お前の弾丸に耐えたやついるんだ。珍しい。どこどこ?」


「……正面にいる。あれは……【小規模結界】じゃないけど、何かのバリアを張ってる。それも二人がかりで」


「防御に特化したペアなのかもな。じゃあ、こっちは一発で終わらせよう。お前が無駄に弾丸を使う必要もない」


「……? 武器のSTRなら私の方が上……あっ」


「そろそろ活躍させてやらねえと。『神龍起動』」


 インベントリから飛び出したシリンダーを中心に、バチバチッ! と、分解された『黒龍』と『白龍』のパーツがくっついていく。いつ見てもこの演出最高。神。


「そもそもユカから貰った弾も少ないんだ。この一発で終わらせる」


「……【小規模結界】」


「おっ、サンキュー。この状態は『無量メタル』出せないからさ」


 『白龍』の固有能力のため、『神龍』になってからは【神々の権能】は使えない。その『無量メタル』を出せる能力を差し引いても十分な火力を出せる形態なわけだが。

 狙いをつけ終えた俺は、躊躇いの欠片もなくトリガーを引く。それを見たバリア二人組は、より強固なバリアを作った。

 しかし、STR6000越えの一撃がそんなもので止まるはずもなく、周辺の大地を抉り飛ばしながらその二人を消し飛ばしていった。


「うごああああっ!!??」「なぁぁんだこれえええええっ!!!」


「……やっぱり可哀そう。カナデ、なんてものを……」


「これを作ったのはユカだ。だから、俺は悪くない……」


 プレイヤーに向けちゃいけないよな、この力は。そんなことを考えながら二つに分解すると、がんスピンと呼ばれる動作をする。たのちい。


 こうやって二人で歩き回っていると、遂にその時が来る。


『終ーー了--!!! お疲れ様でしたーーー!!!』


「「あっ……」」


 第二回イベントの終わりだ。

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