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第五十五話

最近ずっと更新できず、申し訳ありません! 今日、三話投稿します(きっと)

 衝撃の事実を二つ聞いた後、疑似的な作戦会議を済ませ、俺は軽くストレッチする。ゲームの中とはいえ、なんとなくアップしないと激しい運動するとき怖く感じないか? それに、少しは緊張している。結構重大な作戦だから。失敗したら蜂の巣だから。


「じゃ、アオイ。俺の位置はマップで確認できるはずだから、それで上手いこと集めてくれ(・・・・・)


「……出来たらする。いくつか外側を撃って、中心付近に集めればいいんでしょ」


「ああ。外側に逃げ出しそうだったら撃ち殺して構わない」


「……分かった」


 大雑把に言うと、今回の作戦はこうだ。

 まず、アオイと俺が簡易的なパニックを起こし、俺の方へ敵を集める。

次に、俺が【災獄旧海】の“波”で一方向に洗い流す。この時点で大半を削るつもりだ。

最後に、俺の位置がバレて敵が集まってからは、【業渦災炎】で全部燃やす。簡単に言うとこんな感じだな。


「まあ、完璧には上手くいかねえさ。ミスった時は頼むぞ」


「……うん」


「さ、行くか」


 というわけで俺は影から、こそっと森の方へ行く。よく見てみると、確かに結構な人数のプレイヤーがいる。談笑をしているところを見ると、奴らは同盟のようなものを組んでいるのかもしれない。まあ、いつ裏切りがあってもおかしくは無いが。


 だいぶ近づいたので、メッセージでアオイに合図を送る。すると、遠くの方からドドドドドドッ!! という銃撃音と、「ぐあああっ!」「なんだ!? どこだ!?」という悲鳴が聞こえるようになってきた。うんうん。周辺の気配が増えてきた。


「おいっ! 聞いたか!? 西口の方で何人かのプレイヤーがバッタバッタと死んでるみてーだ! みんなこっちに逃げてきてる!」


「なんなんだよ! 南の方からようやく逃げられたってのに! 誰だ!?」


「それが分かんねーから焦ってんだろ……!」


 そうだった。アオイは、反動の強いアサル(ShAk-12)トライフルを歩きながら片手で撃って、全弾ヒットさせるような奴だった! それが、安定しやすいCZ BREN 2を使って落ち着いて撃っているのだ。そりゃあ長距離でもヒットさせる。


「おっ、そろそろ【小規模障壁】とか【大規模障壁】とかが使われ始めてるな……。動くか」


 アオイの方に集中し、めっちゃ近くにいる俺に気が付かないやつらに高速で近づき、足元を『終ノ刃』で切り裂く。すると、斬られたプレイヤーの大半が死に、生きていたとしてもスキルにより生き延びているタイプだ。あまり補足されたくはないので、即座に離脱する。


「おいおい! なんなんだよ! なんでみんな消えていくんだよ……!」


「くっそぉ……! お前ら、集まれ! 固まって全方位警戒するぞ!」


「「「「「おうっ!!!」」」」」


 ここまでおおむね計画通り。だいぶプレイヤーも集まって来た。【任務遂行】とポーションにてMPを爆発的に増加させる。ポーションの残りに不安を覚えながら前を向き、立ち上がる。さて、ここからはスキルを発動するだけだ。


「【災獄旧海】“波”ッ!!」


「「「「「「「ッッッ!!!???」」」」」」」


 気が付いた時にはもう遅い。俺の背後からドドドドドドォッ! という音が聞こえ、それは莫大な量の水を伴いながら大半のプレイヤーを流した。無論、ダメージも伴っているぞ。

どこまで流れるのだろう、と眺めていたが、ハッとして津波を追いかける。そして、追いつくころにはプレイヤーの数は半分になっていた。


「おっ、この程度ならいけるな……」


「何がこの程度ならいけるな、だ! 俺達を嘗めるな!」


「全員囲め! 一斉掃射で倒すぞ!」


「連携を取らせる暇は与えないぞ? 【業渦災炎】ッッ!」


 十数人が撃って来る弾丸は『無量メタル』で全て防ぎ、逆に『黒龍』、『白龍』共に五発ずつ使って牽制した。その間にスキルを発動する。


 俺の周囲から立ち昇る炎の竜巻は、増えたMPのおかげで広範囲に影響を及ぼす。当然ながら、大半のプレイヤーは死に至ることになった。


 が、その時背後から、コツ、コツと、異様に軽快な足音が響いた。驚いた俺は急いで振り返る。


「いやー、熱い熱い。めっさ熱い。おどれ、ええスキル持っとるな」


「……今ので死ななかったのか。硬いな」


「俺もまあまあええスキル持っとるからな。防げなくはなかったで?」


「それもそうだな。スキルの力は偉大だ。依存しているからよく分かるよ」


 目の前に現れた茶髪の青年は、俺の【業渦災炎】を喰らってもなお生きていた。いや、まともに喰らってはいないのか?

一触即発の雰囲気ではない。むしろ、少し和やかだ。が、この男……強いな。持っている武器も、APC9 Pro(サブマシンガン)。結構最近の武器を使うんだな。


「こっちはアンタと戦いたいわけやあれへん。あの子(・・・)に止められてまうからな。けど、一度くらいは力を試してみたいもんや」


「分からんでもない」


「せやさかい、少しだけ戦わせてくれ。なぁに。互いに死ぬことはあれへんっ! 多分な!」


「俺が死んだら終わりな気がするけどなァッ!」


 互いに牽制し合いながらバッ、と距離を取った男と俺。いい速度。これはスピードファイターかもな……。


「ほな行くで! 【加速】!」


「はぁっ? こっから速くなるのかよっ!」


 森の中だったのだ。辺り一帯の木は燃え尽きているが、一度潜られてしまっては補足が難しい。深追いしてでも探らねば。

 見失わないように追っていると、男が突如として振り返り、その銃口を突きつけてきた。


「んなっ!?」


「喰らえっ!」


 放たれた弾丸。今回は『無量メタル』ではなく、純粋な速度で回避した。いや、二発ほど掠ったか。HPバーが四割ほど減るのを確認しながら、俺も俺で『黒龍』の銃口を突きつける。そして、連撃を脳内でイメージしながらその弾を撃ち出した。


「うおっ! あっぶないなぁ!」


「……回避できるんだ」


「あんたも同じことしとるやろ? 銃口を見て回避くらいはできるんやし」


「こんな至近距離は多分無理」


 恐らく、この男のAGIはスキルでの加速を含めて100を超えている。勘だが。そんな奴ができる芸当を俺ができるはずもない。


「っちゅうか、よぉ考えたらここで潰したらランキング五位を倒したことになるからみんなに認めてもらえね?」


「いや、スキルのおかげで倒せたようなもんだから、俺は別にそんなにすごくないぞ」


「いいや、そのスキルを見つけることも含めて才能や。せやから、そんな強者を倒させてもらう」


「面倒な」


「っちゅーわけで、名乗らせてもらう! 俺はタキオン! 前回大会十位になった男や! 以後、よろしく!」


「んー、タキオン……ああ、仮想粒子か。常に光速以上の速度で動く」


「せや! よぉ知っとんな。俺にピッタリやろ?」


 タキオン。超絶平たく言うと、めっちゃ速い粒子。もうちょっと正確に言うと、特殊相対性理論には矛盾しないくせに、相対性理論では因果律に反するとかいう意味の分からん仮想粒子。つまり、


「自信があるんだな。速さに」


「もちろんや。全サーバーで最速になるまで止まられへん。このまま突っ走ってやるんや!」


「おう。頑張ってくれ。応援してやる」


「そりゃありがたいわ!」


「……」


「……」


「……」


「……」


はぁ。


「……お前が戦わずにわざわざ会話しているのは、あそこで見ている少女のためか?」


「ぎくぅっ!」


「特に顔が似ているわけではない……もしかしてお前……ロリコンか?」


「なんでやねん! ここでそういう流れに持っていくなや!」


 どうやら違うようだった。木の傍でこちらをじっと見ている金髪の少女は俺の視線に気が付くと、ハッとしながら持っていたアサルトライフル……あれは初期用の……をこちらに向けて来る。殺意たっか。


「これこれ。別にこの兄ちゃんは俺を倒そうとしたわけやあらへんで? 俺が勝手に戦いを仕掛けただけや!」


「これはそういうイベントなので……仕方ないです。それに、タキオンさんも殺されそうになりましたよね?」


「まあ、確かに危なかったけど、互いにいてまう気は無いからなぁ。え、せやろ?」


「え? あ、うん。そ、ソウダネ」


「……おいぃ!?」


 ガッツリ殺す気でしてた。まあ、仮にそうだとしたら今頃どっちかは死んでいる。だが、ここは一時休戦として話を聞くことにした。このゲーム打ち合いのゲームのはずなのに、人と話してばっかりだな。


「まずは、その子について聞こうか。さもなくば、お前はロリコンだと断定することになる」


「なんでやねん。ちゃうって……この子は、あいつの妹やねん」


「あいつ? 誰だよ」


「……アイクや……」


「…………は?…………」








「……私、どうすればいいんだろう……?」

こういう大阪弁のキャラ苦手なんだよね。ミスがあったら指摘して。

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