第四十六話
普通に時間がねえ……。登校中に八時が来るから、投稿が大変なんですよね。マジで。今回は下校中だけど。
第二回イベント・北の遺跡
「あー、ここ? いや、いかにもじゃねえか。ここにお宝があるってさァ」
「……ゲームのプレイヤーは基本的にダンジョンだと思うはず。だから、『宝があるかも』とは思わないと思う。そうやって探したら何か見つかるかも」
「なるほど。じゃあ、念入りに探すか? あ、いや、お前が嫌ならいいんだが……」
「……特にすることないし、いいよ。どうせこれを見つけた後は殲滅戦が始まるんだし。このイベントが大きく動くまでは、特にしなくてもいいと思うし」
「ありがと。んー、探すかぁ」
地図上の印を目指して歩いていると、そこにはぱっと見小さめの遺跡、マヤ遺跡のような物があった。地上に出てる分は小さいんだが……。
「これ、地下に続いてそうだな。まあ、敵も出てこなさそうだし、ちゃっちゃと進―――」
ガコン
「……! 危ない!」
「おぐぇ」
突然アオイが前蹴りを放ち、俺を吹き飛ばす。当然だが何も警戒していなかったのでゴロゴロと前へ転がってしまった。
「……いってえなァ。何すんだよ」
「……これ、見て」
指を指された壁を見てみると、穴が開いている。これがどうしたんだ? と思っていると、その罠の少し手前にある地面を踏んだ。すると、ガコン! という音と共に矢が放たれ、左の地面に刺さった。そして矢は消えた。
「……感謝しなさい」
「ありがとうございました!」
銃を耐えれる世界で矢にダメージあんの? と思ったが、逆にゲームなのだからダメージはいくらでも変えられるか、という結論を出した。
「ここは……トラップハウスか? いや、ハウスではないか」
「……ゲームなんだから、その癖を考えればどこにトラップがあるかは分かる。そういうのは任せて」
「任せた。俺こういうの分からんからさ」
「……フッ」
その後も階段を下り……というか、下っている最中五段目に毒霧を思いっきり喰らってしまった。アオイはさらっと回避していたのだが、俺はがっつり吸ってしまったよ。まあ、【毒無効】持ってるし、普通に大丈夫だったが。
次は地下一階で、床にある謎の模様を踏み抜きまくった。ほら、分かるかな? イ○ンの床の模様で、同じ色しか踏まないー、みたいな遊び。アレの癖で変な模様があれば普通に踏んでしまうのだ。それを見たアオイからは「……Mなの?」と言われてしまった。そんなつもりはないんだが。
というか、【不絶の混沌】ってガチで素晴らしいよな。俺これのおかげで生きてるし。
「……とりあえず、カナデが馬鹿なのが分かった」
「ひっでえこと言うなよ。溢れ出る好奇心と興味のままに行動したらこうなっただけだって。それに一応迷惑かけてないし。うん。いやごめんって」
「……まあ、そういう節があるのは知ってるし。学校で」
「………………ん?」
「……フ」
ンッン~? なぁんかこの流れ前もあった様な……うぐぐ、思い出せない。
学校、見たことがある……この単語、どこかで……ああっ!!
「そうだ、コルネだァ! コルネに同じこと言われたんだった! くっそ、忘れてた!」
「……そんなにバレやすいの? いや、大して外観が変わってないからそりゃそうか。というか、カナデって本名でしょ?」
「まあ、そうだが……」
「……神崎 奏?」
「スゥー……ああ、そうだ」
やっべえ完全にバレてる。なんでだよ。このゲームってそんなに分かりやすいのか? いや、俺が分かりやすい存在なのか?
「そういうアオイは? 名前を変えたんだろ? ということは、アオイが本名か?」
「……顔に見覚えがあれば、そうじゃない?」
「ちょっとまじまじと見ていい?」
「……いいけど、前方から敵のようなものが」
ハッとし、前を向く。すると、苔の生えた猪がこちらへもう突進をかましていた。ここは細い一本道なんだがな……。というか、ここならアオイの独壇場では?
「……下がってて。ここなら私の力を活かせる」
「全部任せた。背後は俺が見ておく」
「……了解」
アオイの持つ『冥影鷹虚』はSTRが70あり、保持スキルとして【冥府葬送】がある。即死の弾丸を二秒間撃ち放題など、どう考えても頭がおかしい。混戦ならばよりそのおかしさがより映えるだろうが、今回は細い直線の道。まあ、ほとんど必中である。
「……【冥府葬送】」
ドッ! という単発の音が鳴り響いたと思ったら、目の前の猪が一瞬で消えた。即死だ。改めてみると俺の『終ノ刃』ってこんなことしてたんだな……。ちょっと惨いわ。
「……クールタイム一時間だけど、あとは君が何とかして」
「それ自体はいいけど、顔の話。誰かなーって考えてたんだけど、もしかしてアイツか? いやでも、外してた時ハズイし……」
「……言え」
「うーん。うちのクラスの、白峰 葵……か? いや、まさか……」
「………………」
気まずい沈黙が流れる。特に、背後の猪をカナデが無言で処理したあたりから。
(こ、これはあっているのか……? いや、そうだったら正解というはず……もしかして知り合いだった? いやでも、そんな情報は一度も……)と焦っていると、軽くうつむいていたアオイは顔を上げ、俺に告げた。
「……正解。私は白峰。白峰 葵で合ってる。覚えられてると思わなかった」
「いや、だって一回も話したことねえから、逆に印象に残ってんだもん。このクラスで話したことの無いメンバー二人のうち一人」
「……まあ、確かに。無意識に閉鎖的なコミュニティを築いてるし」
「ん? じゃあ、学校でも話しかけてもいいのか?」
「……いい、けど……いじめられても知らないよ。私なんかと関わってていいことはない」
「は? なんでだよ。俺が関わりたい奴と関わって何が悪いんだ。というか、俺を虐められる奴がいたら逆に見てみたいね」
「……あ、そっか。ぼうぎゃ―――ン゛ン゛ッ! そうだね。確かにいじめはなさそう」
「おーん? お前何か言おうとしてなかったか?」
「ぼうぎゃ」と聞こえた。俺が知る単語の中でこれに続く言葉は「く」しかない。つまり、「暴虐」だ。学校でそんなこと言われてんのか……?
「(スゥー)……いや、いいや。今怒ってもなんもならねえ。それより、着いたぞ」
「……壁? いや、扉? これは……押しても開かなそうな」
「なんか書いてあるぞー。えっと? 『剛力ニテコジ開ケヨ。サスレバ認メン』だってさ。……さて、開かなそうじゃなくて、強引に開かなきゃいけないのか」
「……即死はSTR判定じゃない?」
「あれはそういう類いじゃねえからな。全て無視で一撃で消滅させる攻撃だから……まあ、今回はガチで純粋な力だろうな。いや、無理だろ」
「……私のSTRが75。君は?」
「52。あー、【憤怒】やら【災厄伝播】やらで124になるぞ」
「……【災厄伝播】は私のSTRも倍加できるよね?」
「できる。そうしたらお前のSTRは150になるな」
「……やってみる」
「了解。【災厄伝播】」
広がり続ける魔法陣。そしてその上にいる俺とアオイのSTRは倍にまで跳ね上がった。そして、アオイは扉に触れると、ググッ、と力を込めて扉を押し始める。しかし、うんともすんとも言わない。そこに俺も参戦した。
「うっぬぅ……これってガチで開くのか……? 壁を押してる気しかしないんだが……。ていうか俺、STR52じゃなくて、49だわ。ステータス5%マイナスだし」
「……そうだった。うん。ナイフを使おう。それなら、STR400になるでしょ」
「まあ、確かに。やってみるか」
俺は『終ノ刃』を、アオイは『死神ノ手』を取り出した。片手でナイフを押し込みながら、片手で扉を押すという意味の分からない状況になった。これで扉開くのか?
「……! 少し、動いた」
「は? マジで?」
「……100μほど……?」
「そうか。髪の毛一本程か。まあ、この扉がSTR次第で開くというのが分かってよかった」
力の伝わりやすさが関係ないのなら、こちらにも手がある。
圧倒的暴力でぶっ飛ばす。
「下がっていてくれ。この扉を吹っ飛ばす」
「……え? いやでも、それが最高火力なんじゃ……?」
「つい最近、俺は二丁拳銃になった」
「……? うん。確かにいつの間にか白いのが増えてた」
「そしてこれらは合体してとんでもないのになる」
「…………ユカか……。そうでしょ?」
「ご名答。『神龍起動』」
バキンッ! バヂィッ!! と、二つのハンドガンが分解され、一つに合体する。インベントリから強制的にシリンダーも飛び出して来る。
目の前に完成した一つのハンドガンを握りしめ、大まかな照準をつける。おっしゃいくぞー。
「オラァッ!!」
「うわっ」
ドッパァァンッ!! と恒例の炸裂音が響き、合計STR12000の暴力が扉に突き刺さる。すると、一瞬の抵抗も許さずに、扉がボゴアアッ! と吹っ飛び消えた。
「……ほんと君たちって何なの?」
「アイツに言ってくれよ」




