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第四十二話

今日、高校の入学式かつ始業式でした。これからの投稿は登校中にすると思います。スマホで。

 その後も十分ほど歩き続けていると、鷲だけではなく、梟、狼などの動物も出てくるようになった。その都度白いハンドガン数発で撃ち抜き、その精度にビビる。というか、明らかに黒龍よりも火力が高い。


「さて、このハンドガンの他の能力はなんだ?」


「うーん、【破壊不可】が付いてる。それ、ほとんどユニークだから」


「「ん……?」」


 どういうことだ? プレイヤーが創ったものはユニークには絶っっ対にならないはずだろ?


「私のスキル、【生贄】で、私のユニーク装備をいくつか捧げた。だから、このハンドガンには【破壊不可】が付いてる」


「ううぇぇ……マジで? お前このハンドガンに懸けすぎだろ……。というか、ちょっと見てみるわ」


「ああ、ステータスを? 確かに、そっちの方が早いじゃん!」


「さて、どんなもんか……」



『無名』装弾数∞ 品質:limit break

【STR 35】【MP +10】【HP +10】

【破壊不可】

スキルスロット【権能:合成】【(つらね)

システム外スキル【神々の権能】



「……ちょっと待てや」「なにこれ!?」


「………………ん?」


「品質にはもう触れないが……それよりも、システム外スキルっていう文言が見えるんだが!?」


「……運営に報告はしたから、新スキルとして反映されてる。だから、大丈―――」


「じゃねえだろ。運営に報告するレベルのスキルを作り出してるんだから、キリキリ吐けやオラ。」


「いや、ユカちゃんこれはちょっと……」


 どうやら、この【神々の権能】とやらがさっきの『無量メタル』出現のスキルのようだ。あと、装弾数∞。やべえな。というか、もう一つ意味の分からんスキルがあるんだが……。


「……この、【(つらね)】ってなんなんだ? 普通に見たことの無いスキルなんだが……」


「…………実験としていろんなスキルを弄っていたらなんかできてしまったから、突っ込んでみた」


「それについてツッコむぞ!?」


 とりあえずよく分からないものを突っ込んでみたと。これが悪戯か!?


「いや、スキルショップで買った、【火力強化】【パワーアタック】【逆鱗】【蓄電】【磁力結界】【貫通付与】……もう何種類かあったけど、忘れちゃった。それとかを【権能:合成】で混ぜたら、いくつかが混ざって、できた」


「「…………」」


 もう何も言えない。こいつのマッドっぽさは少し感じていたが、まさか色々スキルを弄っていたら新しいスキルを見つけたとか……こいつやべえわ。主に頭が。


 まあ、それはいいや、となり、まずは解説を読むことに。


(つらね)

『無名』が内包している強化スキルの重ね掛けを無限回許可する。


「あれ、これ入手方法載ってねえんだ。まあ、一部のスキルはそうだし、そんなもんか」


「カナデー。重ね掛けを無限回許可ってなにー?」


「んー、多分だけど、一回強化スキルをかけて、それに重ねて違う強化スキルをかける、っていう行為をどんだけしてもいいよって意味じゃないか? いや、そうじゃなくて、一回のバフを無限回許可するのか……?」


「何も分からなかった!」


「つまり、強化スキルの倍率が大きくなる?」


「さあ……。ちょっと試してみるしかねえな」


 コイツが内包してる強化スキルが何かは知らないが、まあ悪いようにはならないだろう。試し撃ちおば、と【(つらね)】を発動させながら銃口を引くと、ユカが青い顔をした。


「あ……マズい」


「え? なんで?」


「多分だけど、【蓄電】、【磁力結界】の二つであれが生まれるかも……」


ドパァンッ!


「「…………」」


「おっと。これは……電磁加速砲、いや、銃……か?」


 確かにこのハンドガンにはネオジム磁石が使われていたはずだ。ならば、そんなスキルを持てば電磁加速銃になるのは当然と言えば当然だ。


「と、ととととりあえず、【(つらね)】を使えば電磁加速銃(レールガン)になるんだね! いいじゃん! 最強じゃん!」


「あ、MPが削れてる。一発毎に五減るのか。ま、五発撃てるならいいか。ちなみに、どれくらいの火力が出るんだ?」


「さあ……それ、悪戯1だし。あんまり何も考えずに置いたから分からない」


「でもでも! 強いからね! いいじゃん! で、1ってことは、2もあるの……?」


「…………うん」


「とりあえずお前がやべえ奴だと分かった」


 どうやらただのハンドガンじゃないだけではなく、ユニーククラスであり、電磁加速する意味の分からないハンドガンであることが分かった。さて、次は二丁拳銃の練習だ。


「普通、照準は一方向にしか付けられないから二丁拳銃は出来ないはずなんだ。アニメとかのキャラはそれが出来てるだけで」


「大丈夫。理論上できるから、カナデ、やって」

「ちょっと練習したらできるでしょ! カナデなら! さあ、頑張ろう!」


「うえー……」


 幼馴染二人に発破をかけられ、やむを得ないと思い、右手に黒龍、左手に……まだこれ名前無かったな。つけてやろう。


「こっちが『黒龍』なら、こっちは『白龍』だな。よし、両手に龍を携えて行くぞー」


「「おー!」」


 右手に黒龍、左手に白龍を装備し、現れるモンスターを即座に射抜く体勢に移る。大まかな位置に狙いを向けて撃てば、基本的に当たるだろう。あ、本当に出てきた。狼だ。


パァァンッ!!


『ギャオンッ!?』


「……数が少ねえな。やっぱりもっと大群に囲まれてる状態で試してみたい」


「じゃあ試してみる? このアイテムで」


「「え?」」


 ユカはインベントリから香水のようなものを取り出した。すげえ。なんか嫌な予感がする。


「これは、『魔呼びの香水』。まあ、魔除けの反対ってこと。これを使えば大量のモンスターが寄って来るよ。ちょっと前にアイクに買われた」


「へえ~。そんなのあるんだ! レベリングに使えそうだね!」


「確かに、探す手間も省けそうだしな。よし、使ってみよう」


 俺たち三人はそれぞれに香水をつけ、モンスターが寄って来る匂いを振りまく。「どのくらいで効果が出るんだ?」と聞く前に、既に目の前……いや、四方向から巨大な猪が迫っていた。ワイルドボアとかいう奴だ。


「ああ、耐久力とHPが高くて面倒なやつだ。早く倒さないと圧死するよ? 私が」


「スゥ~……よし、リエ。障壁を張る準備をしてくれ。俺、頑張るから」


「分かった! 思う存分やってね!」


 ドドドドドドッ!! と前後左右から迫る巨大な猪。なんか威圧感やべえな。


 まずは右手を右の猪に、左手を左の猪に向け、連続して発砲する。ここが初歩だろう。次は、前に駆け出し、包囲網から逃れた。そして、前方にいた猪、さっき右にいた猪を両手で撃ちまくる。たのちい。災厄シリーズを使わずに、銃の腕のみで戦うので、初心に帰った気がする。


「オラァッ! 正面に撃つのが一番楽だなァ……! ……だからバラバラになるなよォッ!」


『『『『ブモオオオオッ!!』』』』


 ちらりと見ると、他の方向からモンスターが来ているのが見える。ちょっとさっさと終わらせるか。


「【災厄伝播】【天災への反抗】! 【(つらね)】! 【ピンポイントアタック】!」


 ドパァンッ! と電磁加速された弾丸が一体の猪の急所に当たる。HPの半分が消し飛んだ。何だこれ。右手の黒龍は【バーストアタック】にて超連射し、残りの三体に三発ずつ撃ち放つ。これって【バーストアタック】の付いて無い白龍でもできるんだろうか。


「大事なのはイメージだよなぁっ!」


 強く頭でイメージし、白龍の連射をイメージする。すると、黒龍と同じようなことができた。

両手からパァァァァンッ!! という音を響かせながら、全ての猪を消し飛ばす。黒龍は言わずもがな、白龍やべえな。【銃撃進化】を持ってないところだけが救いだな。まあ、【破壊不可】があるけど……。


「って、もう他のやつらが来てるじゃねえかッ!」


 焦りながら右腕を前方に向ける。やはり精密なエイムは右腕の方がいいな……。

途端にダメージを負ったので周囲をキョロキョロすると、背後の巨大芋虫と頭上の巨大トンボが原因だと分かった。よし殺す。


「とりあえずてめえは始末して、問題はお前だな……」


 左手をクルリと回して背後にいた芋虫に電磁加速銃(レールガン)を撃ち込み消し飛ばすと、頭上のトンボを見る。またモンスターが集まってきたため、即座に終わらせたい……が、周囲に寄って来るモンスターがじゃまで狙いが付けられない。うざってえな。


「っ、そうだ!」


 ダンッ! と飛び上がり、空中に銀色の足場を作る。そう、【神々の権能】で作り出された『無量メタル』だ。めっちゃ便利ィ。


「ここまで近付いたぞこの野郎! これを喰らえやァ!」


 その後も空を駆け上がり、トンボに肉薄した。この程度のやつならばわざわざ肉体で攻撃することも無い。二つのハンドガンを突きつけ、パァァァァンッ!! と連発すると、あっさりと光となって消えた。これで制空権は失っただろ?


「おっしゃこのまま撃ち下ろしてや―――」


 グラリ。その時、急に眩暈が起こった。なんで……。


「っ! 『無量メタル』のせいか!」


 足元の『無量メタル』を壊し、降りる。一回発生させる毎に脳にダメージが行くようだ。クソが。

 ひとまず背後から飛びかかってきたゴブリンを蹴り飛ばし、吹き飛んでる最中に白龍を五発撃って殺した。なお、その間にも左から熊が出て来たので、射程圏内に入る前に黒龍六発で撃ち殺した。


「……そろそろ終わろう。リエ。戦ってきていいよ」


「あ、分かった! 取り敢えず、カナデを手伝ってくるねー!」


 ヒューン! と飛びながらこちらに近寄って来たリエは、魔法を発動させながら話しかけてきた。


「あ、もうそろそろ実験はいいかなー、って! もうスキル解禁していいよ!」


「マジで? じゃあ、全て飲み込むわ」


「え?」


「これお前に見せられねえのかな」


 広範囲殲滅型スキル。自身の領域内に引きずり込み、莫大なダメージを与えるあの異世界。旧き世界の滅びは、この世の生物にも牙を向いた。


「【任務遂行】、MP増加ポーション、そして……【災獄旧海】“海”」


 そんな俺の一言と共に周辺のモンスターが消え、異世界に転送される。


「赤黒い空。渦巻く雲。周囲に漂うビルの破片……そして、大量のモンスター。やっぱ壮観だな」


 空から大量のモンスター(百体ほどか?)を見下していると気分がいい。いかにも自分が強者なんだと思える。


「厄災は、海より(きた)る」


 詠唱をすると、地面が紅くひび割れ、そこから莫大な量の水が溢れ出して来る。壮観だ。

ドボボボボボッ!! と水が溢れ出し、世界中を飲み込んでいく。そして、周囲のビルの破片も落下していった。


「……一プレイヤーの使う力じゃないと思うんだが」


 やはり、この力だけは異次元だと思うカナデであった。

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