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第三十九話

三千PV突破しました! ありがとうございます!

「え………………」


 ……『世界の風』に静寂が生まれる。カチ、カチ、という時計の音のみが店内に響いた。


「ちょ、ちょっと待って。つまり、カナデがゲットしたその石って……」


「そう。課題だった無限のエネルギーが得られる石。永久機関のエネルギーだけ取り出すとかいう意味の分からん石」


「それは……ちょっと素材の質が高すぎる……。想定してた以上なんだけど」


 少し頬を引き攣らせながら、俺から『機械神の心臓デウス・エクス・マキナ』を受け取るユカ。その手は少し震えていた。あ、ついでに、とばかりに『オリハルコン』も渡す。


「っつーかさ、自動迎撃のスキルゲットしたんだけど。これだけでもうよくね?」


「え、でも二丁拳銃良くない? かっこいいじゃん」


「もはや俺の存在がロマン枠かよ」


「その装備を着てる時点でそうでしょ」


「……」


 やべえ、何も言い返せない。こんな魔王シリーズ着てる方がロマンを求めてません、ってのは無理があったか。

 というか、やばくないか? これだけ長い期間かけてようやく素材集めが終わったんだぜ? まあ、その分期待値とテンションは上がってるんだがな……。


「で、デザインの話なんだけど」


「デザインって……弄れるのは素材だけじゃないのか? それをTTI コンバットマスターの見た目にするだけ……とか」


「このゲームは最・前・線なんだよ? 【錬成Ⅹ】にでもなれば見た目から性能まで何でも弄れる。まあ、性能は部品の品質と素材のレアリティ次第なんだけど。デザインはもはや自由だから、火縄銃みたいな見た目のサブマシンガンも創れる」


「なるほどなぁ。だから【錬成Ⅹ】まで上げて、素材をあんだけ集めさせたと。でも、【錬成Ⅹ】とはいえ、毎回品質Ⅹは出ないだろ? なんならⅥ、Ⅶが普通らしいし。最大でも」


「それは、みんなが作成スキップをしているから。一つ一つ丁寧に丁寧に作っていったら品質だって上がる。それに……」


 ユカは、ステータス、というより装備欄をこちらに見せてきた。その手の欄にはスキル、【神業】があった。靴には【生贄】が付いている。


【神業】

作成スキルで作成したアイテムの品質をⅠ上昇する。


【生贄】

作製スキルで作成したアイテムに生贄としてアイテムを捧げることで、品質と性能を上昇させる。


「この【神業】で、品質上限のⅩを上げられる。この世界での上限突破はそもそもないから、まず間違いなく最強の物が創れると思う。それと、これとこれ」


 ユカは『機械神の心臓デウス・エクス・マキナ』と『ジアルメント蒼晶』を取り出す。


「これの加工はどっちもレシピにないから、試行錯誤が必要だと思う。それで、そのためにちょっとだけ異世界に行くから、その間にこの大量のお金で、ある素材を買ってきてほしい」


「あれ? 素材全部集まったんじゃねえの? というか異世界?」


「そうだけど、『機械神の心臓デウス・エクス・マキナ』のおかげで弾の装填機能と射出機能の大幅な変更とアップデートと空白ができるようになったから、ちょっと面白い素材を使ってみようかなって。最高レアリティの」


「面白い素材?」


「……『創メタル』と『壊メタル』」


「は?」



♢ ♢ ♢ ♢ ♢



「いやー、まさか、機械神を攻略したらすべてがスイスイ進むとは。というか、ユカも神系統の試練クリアしてたんだな」


 俺がクリアした『機械神』は、この世界の四神の一柱だった。残りの三柱のうち、二柱が創造神、破壊神だ。どうやら生産職のユカがクリアしたせいでミッションの形が変わり、クリア報酬を買う形になったらしいのだが、その役自体は俺に任せられるらしい。

そのために、わざわざ森の奥地まで来たのだ。それも、道順指定をくらって、ようやく見つけられる神殿に。


「っと、ここか……。機械神の時と似たような感じだな。中の商人に話せば買えるらしいが……」


 中に入ってみると、中にゴブリンがいた。おっと、と思い、つい黒龍に手をかけそうになるが、ユカの言葉を思い出して踏みとどまる。

『商人に敵対したら何も売ってくれないよ』


「……そりゃそうだな。強盗相手に売るものはなにもねえよな」


 手を放し、ゆっくりと近づく。するとゴブリンがこちらに気付いた。無駄にサングラスが似合っている奴だな。


『少年。何か身分証はあるか?』


「え、ああ。人の代わりとして来たんだが、これでいいか?」


『ステータスか。いいだろう。何を買う?』


 どうやらユカのステータスのスクショで良かったようだ。これで俺がユカの代理としてこの商人から買い物をすることができる。少し悪いことをしている気分だ。


「お、あったあった……『創メタル』と『壊メタル』。両方十個ずつ頂戴」


『いいだろう……合計ニ十個で、一億ゴールドだ』


「いっち億ぅ……はい。これで購ッ入ッ!」


 ユカから預かっていた一億ゴールドを全て支払い、神の素材を買う。これどんな効果があるんだろう。というか、そんなレア素材を俺の装備に使っていいんだろうか。


『じゃあな、少年』


「あっ、はい。あざした」


 そのまま立ち去るゴブリンさん。ちょっとかっけえ。


 アイテムの欄を見ても特に説明は載っていない。これは生産職しか分からないのか……? まあ、俺なんかがこれをゲットしても、ユカに渡すしかできないしな。

 俺は、手元の漆黒の金属と白銀の金属を見比べ、首を捻るのだった。



翌日・FFO掲示板


223,名前:最前線の名無し

そういえばさ、昨日森のほうに行った奴いたか?


224,名前:エンダーイヤー

行ってない。昨日はフレンドと決闘してた。


225,名前:最前線の名無し

少しだけ行ったぞ。何かあったのか?


226,名前:機関銃乱射男

俺も行った。PKプレイヤーに遭遇しちまったよ。あっさり殺されたけどな!


227,名前:最前線の名無し

いやさ、なんか金色の鉱石(?)と銀色の鉱石(?)を両手に持ちながら森の奥から出て来る例のプレイヤーを見たんだよ。


228,名前:最前線の魔法使い

例のプレイヤー?


229,名前:最前線の狙撃者

例のプレイヤー?


230,名前:アイムゲイニン

例のプレイヤー?


231,名前:最前線の名無し

ランキング五位、カナデだよ。あいつが出て来たんだ。持ってたのが今までに見たことの無い素材だったから、普通に疑問に思ってな。


232,名前:機関銃乱射男

でも金色の素材とかさ、金とかそこら辺の素材であるだろ? 別に、珍しいことなくないか?


233,名前:最前線の魔法使い

まあ、素材の種類って多いし、何とも言えないよな。それで?


234,名前:最前線の名無し

そのあと追跡してみたら、今休業してる『世界の風』に入ってったんだよ。何かやべえ装備創ってんじゃねえのかなって思って。


235,名前:最前線の狙撃者

だとしたらやべぇの作ってそう。まあ、それも次のイベントで分かるだろ。


236,名前:アイムゲイニン

俺達はひたすらに強くならねえと、置いて行かれるだけだしな。あいつを見守るためにも、頑張ろうぜ!


237,名前:最前線の名無し

おー!


238,名前:最前線の魔法使い

おー!


239,名前:エンダーイヤー

おー!

異世界というのは、この工房自体についているスキルです。精○と時の部屋みたいな場所。

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