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第三十七話

 あのまま泳ぎ、結構時間をかけて最西端まで来た。道中で色々狩ってたからレベルも上がった。泳いでいる間。つまり、西の海岸からその一番奥まで泳いだのだから、そこら周辺の海を大体見たことになる。そして、よく考えたらここまで何も無かったんだから何も無くね!? と思ってしまった。


「まあ、ここまで泳いだことは俺の糧となるはずだから……って、うん?」


 マップで見ると、そろそろマップの限界だ、と思っていた時、海中に何かが見えた。赤い光だ。そして、赤い光はこちらに迫り、俺の太ももを撃ち抜いた。


「!? っだぁっ!?」


 急いで海上に上がり、【不絶の混沌】による回復を待つ。完全に回復してから再度潜り、あの赤い光を探すと、光の持ち主はロボットだった。


「ボガガガガ……(ロボットか……)。ボボゴゴゴゴゴガガガボ……(ここにあるってことは、何か守ってるのか?)」


 この距離は不利どころの話ではない。攻撃手段が一切無いのだ。マジかよ。

【水泳Ⅹ】と【潜水Ⅹ】の力を十全に発揮しながら接近すると、赤いレーザーを連発してきた。眼から。メンテナンス中に入った『夕闇の湖』のロボットとは違い、【装備破壊】ではないみたいだ。なんだよ。性能上げられるかと思ったのに。


「痛ってえな……あれ? 普通に喋れる?」


 どうやらこの深さかつこの周辺の領域だと水の中でも喋れるようだ。心の声漏れ放題だ。


「まだ距離があるなァ……一発一発は痛いけど、そんなに問題ではないかな、っと」


 身を捻って回避をする。水中の武器欲しい~、と思いながら突き進み、ロボットに肉薄する。ナイフで切り裂いてやる! と思い『終ノ刃』を振ると、なんとHPの三割ほどが残ってしまったのだ。嘘だろ!? しかも自動回復してるし!


「なんでっ」


『排除する』


 振られた腕に殴られ、水の中なのにそこそこ吹き飛ぶ。HPも一割を切っており、こいつ強くね? と普通に戦慄した。


「仕方ないな……こいつを試してみるか。【邪淵の災呪】」


 手に入れたばかりのスキルを使い、ロボットを呪う。すると、青紫の光がロボットに纏わりつき、そのステータスを下げる。既にHPが満杯になっていたロボットに接近し、またもナイフを振り下ろす。今度はスイングする腕に合わせて突き刺した。慣性ダメージ、DEF低下もあるので、今回は一撃で死んだ。


「ステータス30%低下は強いな。これはいいスキルだ」


 これに加えて蘇生があるのだ。マジで強い。


「ああ、なんかあるじゃねえか」


 戦いが終わったので周辺を見てみると、岩に紛れるようにして神殿があった。あれあれ、パルテノン神殿みたいな。


 柱の部分を超えて中に入ってみると、特に何も内容だった。いや、宝箱があり、それ自体がトラップ、ということはあったが、敵も特になし。え、マジで何もないの? と思ったら、普通に地下があった。


「っし、攻略を始めるか!」


 首をコキコキと鳴らしながら階段を下った。その先には人型のロボットがおり、ユニ○ロのマネキンみたいだと思うくらいには戦闘に向いていない見た目だった。


「ふうん? まあ、流石に銃で死ぬだろ。いや、壊れるだろ」


 まさかと思い何の警戒もせずに撃ってみると、急に走り出し、飛び蹴りをかましてきた。何気にあんまり効いてねえな!


 ドゴォッ! とおおよそ人体からなってはならない音がしたのち、普通に吹き飛ばされる。威力の高いドロップキックだな。まさか腕クロスの防御が何の意味もなさないとは。HP残り4じゃねえか。


「とりま少し時間稼いで……いや、普通にナイフでインファイトか」


 『終ノ刃』を取り出し、今度は何処に置いていたのか斧を構えるロボットの懐に潜り、脚に蹴りをかました後そのまま逆手でナイフを突き刺した。今回は意外とあっさり死んでくれた。


「飛び道具持ってないキャラは近距離戦しかねえな。それが最高すぎるって」


 自動的に回収されるアイテムを流し見しながら進むと、今度はさっきのやつを赤く塗ったような奴が出てきた。うわ、戦闘をこなしてきたように見える。それっぽいよな。赤色って。


「だが、所詮は肉弾戦一辺倒だろ―――おおっ!?」


 今度は背後に隠してあった剣を振り下ろしてきた。銃弾が効きにくいくせに、近距離戦は用意してる辺りいやらしい。面倒だな。


『ピピーッ』


「うおっ! 強烈な振り下ろし……いや、薙ぎ払いに派生……そこからさらに大上段ッ!? アグレッシブだなァ!」


 こちらも負けずと顔面への蹴りをかまし、さすがに機械相手ではダメージが少ないことを悟りながらラリアットの要領で強引にロボットを押し倒すと、マウント状態になってナイフを滅多刺しにした。


「……こいつ何気に一発耐えたか? もしかして」


 入口にいたやつ然り、STR200を耐える奴が増えてきた。いや、どちらかというとナイフの攻撃に耐性を持っているのか? じゃなかったら雑魚敵に時間が掛かりすぎる。


「かといって【厄災伝播】を出すわけにはいかねえし……。まあ、いっか」


 次に出てきたのは球状のロボット。ゴロゴロと転がって来た。うん。弾丸が効く類いじゃねえのはよく分かる。


「っ! てめ……こっち来んなァ!」


『キュイーンッ!』


  普通に超高速回転はよくねえ。轢かれちまう。

しかもこいつなんと追尾してくる。人の心とかないんか!? あ、ロボットだったか。


 試しに跳び後ろ回し蹴りの要領でボールを蹴ってみるが、鉄の塊を蹴っているような気分だった。あ、鉄の塊だったか。


「【厄災伝播】。おらァっ!」


 STRを二倍してナイフを突き刺す。流石にそれには一撃で死んだ。よかった。これで無理だったら泣くとこだった。


 それから少し進んでみると、普通より少し大きいくらいの扉があった。これは……中ボスか?


「ま、意外と早くて助かる……ん?」


 扉を開けて入ってみると、そこには巨大なロボットが鎮座していた。ガン○ムみたい。見たことないけど。


『侵入者を発見。排除します』


「始まったな! 来いや!」


 初手は互いに高速射撃。互いにノーダメージとなった。いや、俺は走りながらガッツリ撃ったんだけど、相手が外してくれたから。

 っていうか、なんかロボットから『戦闘データを収集しています……』って聞こえる。ムカつく。


『ガトリング360を展開します』


「ッ! 展開すんなァ!」


 ドドドドドドドドッ!! というおおよそ一人のプレイヤーを狙うための武器ではない音がするが気にしたら負けだと必死に逃げる。防御用の結界を張るスキルが欲しいっ!


「こういう奴は死角に潜りこむに限るだろ!」


 ロボットの巨体の死角に入ろうと股付近に行く。すると、周辺を飛んでいる自動迎撃ロボットなるものに攻撃されてしまった。んだこいつ。こうなったらこれしかねえな。


 『終ノ刃』を逆手で持ち、弾丸の雨を掻い潜って背後に回り込んでからそのスキルを叫んだ。


「【極刑】!」


 だが当然ながら、第一階層にいる敵とは性能が違うこの神殿の敵が、あのスキルを持っていないはずがなかった。【即死無効】


「……だめかぁ~」


『エネルギーブレードを展開します』


 今度は炎を圧縮したような剣が出された。うわ。不死鳥を思い出した。あの即死を。

嫌な顔をしながら構えていると、ロボットはギュイイイイインッ!! という音を出しながら立った状態でこちらに迫って来た。轢かれそう。


「どうしたものか……」


 この時俺はスキル欄をチラリと見る。そして、思い出したのだ。


「ロボットって……所詮機械だよな? だったら、濡らしてやるか」


 溶かすのとどっちがいいか迷ったが、今回はまだ使ったことの無い災厄を使ってみることにした。

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