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第三十一話

裏でカナデ達のステータスを整理しているんですけど、カナデのステータスポイントが10足りないことが判明し、調整に手間取っていました。投稿できなかったことについて、謝罪いたします。


そして、前回消えたデータの中に、ユカとカナデがステータスを見せ合う場面があったのですが、そこが丸ごと消し飛んだので、先の会話が上手く合わないかもしれないです。

後の話のあとがきに、ユカのスキル欄を入れときます。

運営・最果ての地


ビーッ! ビーッ! ビーッ! ビーッ!


「なっ、なんだ!? どうしたんだ!?」


「『果ての闇』でエラーが出ている! おいC班! 総出で担当しろ! 俺たちは南の火山の封印の残滓を消さねばならん!」


「「「「「ハイ!!」」」」」


 今日もまた運営は忙しく働いていた。しかし、『果ての闇』を担当していたC班はエラーの原因を突き止め、固まっていた。真夏に雪を見たような顔で。


「は、班長……や、や、やばいです……」


「どうしたー? まぁた災厄シリーズかー?」


「い、いえ……それよりもマズいです……」


 その会話を聞いたC班全員がそいつの席を見る。『災厄シリーズ』を集めるよりヤバい状態とは? と。その場に表示されていた解析結果に、全員が驚愕した。


『『ハジマリ』不在。エネルギー供給不可。システムの一部を遮断します』


「「「「「「「……!!!!!?????」」」」」」」


 全員が持ち場に帰り、マップに落ちていないかを探る。最初は『果ての闇』内に落ちていないか。そもそもブラックホールが存在しているか。

すると、ブラックホールが消えていることが判明。再設定よりも先に持ち主を探すことにする。


 そもそも『ハジマリ』の役割は、FFO世界のシステムの維持だ。なんでそんなものを置いてんだよ! と思うかもしれないが、システムの各所に直結する『果ての闇』。その内部に存在するブラックホールに護ってもらう方が色々と都合がよかったのだ。


 今のFFO世界は、脊髄を抜かれた人間が綱渡りをしているようなもの。意味が分からないほどのバランスで持ちこたえている。


「班長! フィールド上にはありません! 完全に消失したかもしれませんっ!」


「なんだと……!? いや、プレイヤーかもしれねえ。探せ!」


「「「「「はいっ!」」」」」


 C班班長は、「ここだけで済ませられる話じゃねえ」と判断し、FFOに関わる運営全てに通達した。


『FFO運営へ通達。現在ログインしているFFOプレイヤーのアイテム欄を全て確認し、『ハジマリ』を探せ。プレイヤーに取られた可能性がある』


 これを受けてまずは会議が始まる。現状の確認と今後の動向について。『最果ての地』の時間加速が施される会議室に各班の班長達が入った。


「『ハジマリ』がプレイヤーに取られたかもしれないだと……? 本当なのか?」


「ああ。間違いねえ。いや、自然消滅した可能性もあるが……多分取られたはずだ」


「あれは自然消滅する類いじゃないからな。『ツナギ』はあるのか?」


「それは今A班が確認しているはずだ。どうだった?」


 そこでチラリとA班班長をみるC班班長。特に焦る様子もなく答えた。


「『ツナギ』なら問題ない。あちらはそもそもプレイヤーが行ける場所にないしな」


「そう思っていた『ハジマリ』は取られたがな」


「「「「「……」」」」」


 微妙な雰囲気が流れる会議室。ピリついている。そこで、雰囲気を変えようと発した一言が、一人の社員の運命を変える。


「ところで、『ハジマリ』ってブラックホール内にあったんだろう? じゃあ、どうやって取ったんだ? なあ、安西君」


 C班の班長は聞かれたので首を傾げる。だって、本当に知らないから。


「そもそもブラックホールの攻略条件は耐久だったはずだ。破壊ができるなんてこっちが聞いてねえ。そういえば、クエストについて担当しているK班と、プエイヤーに関わるM班の合作がブラックホールだろう。どういう造りにしたんだ。【破壊不可】じゃねえのか?」


「「…………」」


 二人の班長が俯く。会議室に、「おっとこれは……?」という雰囲気が流れ始めた。これはこいつらがやらかしたんじゃね? と。


「……実際のブラックホールに近づけようと……実際にするやつもいないかなと思い……」

「そもそもあれは、理論が分かったうえでその行動をしなければ、崩壊は作動しない仕組みでしたし……」


「……ハァ。やっちまったもんは仕方ねえ。が、お前らの処遇は後で言い渡す。それよりも、まずは『ハジマリ』の奪還だ。いいかお前ら! プレイヤーを見つけ次第、俺たちが直接交渉に行くぞ!」


「「「「「……!?」」」」」


「そもそも俺たちは直接プレイヤーに干渉できねえしな……」


 そうなのだ。実は運営といえど、このゲーム内では一人のプレイヤーという扱いである。なぜならば、このゲームにチーターなどが生まれた際の対応が最も早いのがシステムだからである。

 システムに組み込まれた機能により、運営と言えどプレイヤーに直接の干渉は出来ない。それはチートとカウントされて『最果ての地』への入場も拒否される。一部の権能を用いて、直接話し合うしかないのだ。


「班長ッッ! 見つけましたァッ!」


「おおっ! よくやった! 誰だ!」


「……カナデとコルネです」


「「「「「…………」」」」」


 場を沈黙が支配する。いや、正確には「またアイツか……」という呆れなどの雰囲気だ。あいつもはや荒らしじゃね? と溜息をつく者もあらわれる。


「……で、誰が行く? 実際にあいつと話さねばならんのだぞ?」


「なぁんか論破されそうなんだよなァ……。あいつレスバ強そう」


「「「分かるわぁ~」」」


 ここで、ほぼ全員の頭に同じ発想が浮かぶ。


……問題児(カナデ)にウチのガチ問題児(超厄介なバカ)をぶつければいいんじゃね!? と。


 優しく言って無能。無能な味方は有能な敵よりも厄介、という言葉を体現したような存在だ。『夕闇の湖』のバグを生み出してしまったのもこいつだ。【バグは徹底的に潰す】がモットーの会社でバグを残したレアケース。こいつがカナデに対してやらかして辞めてくれればな、と。


 その意図を自身への期待として汲み取ったのかは分からないが、そのガチ問題児(新開 拓)が手を上げた。全員から勇者(笑)を見る目で見られる新開。


「俺が行きます! 任せてください! 簡単に『ハジマリ』を取り返してきます!!」


「「「おお! 行け!」」


「「お前が勇者だ!」」


「「ちゃんと交渉して来いよ!」」


「ういっす! 任せといてください!」


 こうして、運営側の問題児である新開 拓と、プレイヤー側の問題児であるカナデが正面からぶつかることになるのであった。



♢ ♢ ♢ ♢ ♢



「あ? なんか今誰かの声が聞こえなかったか……?」


「え? いや? 私には聞こえなかったけど……」


「そうか。気のせいかもしれないが……一応すぐ撃てるように構えてくれ」


「了解!」


 扉の先の一本道を真っ直ぐ進むカナデ一行。時折出て来るモンスターたちに手を焼きながらも、そこそこのハイペースでモンスターたちを狩っていた。

 すると突然目の前に白い光が現れる。空間に穴が開いているようだ。え、マジでホワイトホールなのか? と思っていると、中から人が出てきた。


「お前がカナデで合ってるな? で、お前がコルネだよな?」


 パァァァンッ! ドパァンッ!


「おぐあっ……」


「「……ん?」」


 目の前に現れたので撃ち殺してしまう二人。今何か言おうとしてたのかも、と思う二人だったが、何か言いたいんだったらすぐ出るだろ、と、大して気にせず進むのだった。



『……あいつら野蛮すぎるだろ……マジやべえ』


『おい、新開。次は話を聞いてもらえるかもしれねえだろ。行けよ』


『そうだぞー、お前しか頼れないんだー(棒)』


『わっかりました! 行ってきます!』

ちなみに、脳と直接繋ぐゲームなのでバグがあれば結構致命的です。場合によっては死に至ります。

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