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第二十一話

投降出来てるつもりだった。あと、この三話で第零章終わり。

「あ、これか? ラスボスの部屋」


「……多分そう。道中の敵も居なくなってるし」


「私、今度はちょっと立っとく。ビーム喰らいたくないし」


 あの中ボスを倒した後、俺たちはさらに奥に進んでいた。制限時間が今回のメンテナンスの二十四時間しかないので、この一回で済ませたいからだ。それと、俺とユカの時間があまりないというのもある。俺達は学生なので、当然明日から学校がある。なので、あまり夜更かしは出来ないのだ。


 そして、道中は当たり前のように十体単位でロボットが出て来る。なので、装備破壊ビームも何回も受けるのだが、それのおかげで今の俺の装備は結構異常になっている。

ついでだ。俺のステータスを見せてあげよう。



カナデ

Lv32 ステータスポイント残り:0

HP 40/40

MP 15/15


【STR 10〈+40〉】

【DEF 0〈+40〉】

【AGI 51〈+40〉】

【TEC 5】


装備

  頭 【空欄】

  体 【闇沌ノ纏】【STR+20】【DEF+20】【AGI+20】

  右手 【闇沌ノ纏】

  左手 【闇沌ノ纏】

  靴 【森羅ノ糾刻】【STR+20】【DEF+20】【AGI+20】

  装飾品 【空欄】

  メイン武器 【黒龍 STR 30】スキル【空欄】【空欄】

  サブ武器 【終ノ刃 STR 200】


クラス専用スキル

【消音】・【静着】・【任務遂行】・【空蝉】


スキル

【毒無効】・【盲聾無効】・【麻痺無効】・【凍結無効】・【凍傷無効】・【火傷無効】・【睡眠無効】・【鈍化無効】・【石化無効】・【狂乱無効】・【憤怒無効】・【呪法無効】・【悪夢無効】・【ピンポイントアタック】・【天災への反抗】・【災厄伝播】・【業渦災炎】・【憤怒】



 な? やばいだろ? 初期の俺の装備、全部+5だったんだぞ? ここ、俺にとって最高かもしれん。

それとリリィに聞いたんだが、俺のスキルに【束縛無効】と【魅了無効】さえあれば全てのスキルがまとまって【状態異常】になるらしい。これは運営から提示されている情報らしいが、ここまで達成できたやつはいないそうだ。そりゃそうか。ユカのポーションのおかげでここまでできたんだし。


「さて、開けるぞ」


 巨大な扉に触れると、予想外にゴゴゴゴゴゴ……と横に開いた。まさかのそういうタイプだったか。ちょっと恥ずかしい。


「最後もきっとロボットなんだろう……ゑ?」


「……確かに、ロボットではあった。けど、こんなのとは思わなかった」


 目の前に在ったのは、否、浮かんでいたのは、大きな立方体。謎のキューブだ。ところどころライトグリーンの光が浮かんでいる。うわ、それっぽい。


「……動く」


「って言っても、あれがどう動くかが予想できな―――」


 キュピンッ!! と光の線が紅くなったと思ったら、全方位レーザーが放たれる。横に三百六十度ではなく、縦横斜めのマジの全方位。


「……ここで、大丈夫か! って振り返ったら変態扱いされそうだから俺はてめえを壊すことに専念する!」


「……よく分かってる」「一度で学べるんだね」


 ひとまず装備の修復をしているあいつらの方にヘイトを向けさせず、急接近&大量弾幕にて注意をこちらに向けさせる。

するとこちらを見た……見た? キューブはキイイイイインッ!! といった甲高い音を響かせて何体かのロボットを呼び出す。視界の端ではリリィとユカが「うわああああっ!」や「……うっ」と苦しんでいる。どうしたんだ!?


「おい、どうした? 何を苦しんでんだ!?」


「さっきの音……私たちに『狂乱』が付与されてる……!」


「……私たちは耐性を持ってないから……解除まで時間がかかる」


「じゃあ身だけ守っておけよ!」


 先に奥から出てきたロボットを始末しようと、黒龍の銃口を奴らに向ける。しかし、いつの間にか背後にいたロボットがキュインンッ! という音を出し始めた。これは、目からビームじゃない。


「ミニっガンッ!!」


『排除スル』


 一瞬でしゃがむ。すると頭上を弾幕の暴力が通り抜けた。ドキドキと心臓が鳴る。そのお手手を仕舞いな。銃器を持つんじゃねえ。


「っぶねえなァ! オラァッ!」


『ゴッ……排除スル』


 屈んだ時に跳ね上がる要領で蹴りを叩き込む。今のSTRは50なので、ダメージは通る。何なら黒龍一発よりも。


 しかし、残念なことにそのロボットが何か輪っかを出して俺を拘束してきた。なにこれ!?


「てめっ、何だこれぇ! 状態異常……『束縛』?」


「……それは破壊できる……早ければ早いほど耐性が上がるから……」


「分かったァ!」


 ということで破壊できると言われたので、足をバタバタして、腕を広げて輪を破壊する。あ、こんなので壊れるんだ。


「あ、STR50もあるとあんなに簡単に壊れるんだね。私たちも『狂乱』治ったし、動こっか」


「……ん、ちょっとあのキューブ許さん」


「いや、頼むからロボットの方を相手してよ。俺、さすがに五体のロボットは相手に出来ないんだけど」


「……ごめん」


 拘束を破壊した俺は振り返ってロボットに拳を叩き込む。そして、少し距離を取ったところで黒龍を何発も打ち込んだ。


『ギギ……排除スル』


「硬えな……あ、【災厄伝播】【天災への反抗】! 使うの忘れてた!」


「……よくやった。【範囲攻撃】【パワーアタック】【破壊の一射】【対物理特攻】」


「あっ、これは逃げた方が―――」


「【会心必至】」


 背後から聞こえるゴオオオオオッ! という音が聞こえると共に、その場から飛び退いた。これは俺が余計な手を出すよりも単体でありえない破壊力を有す。


『ギガッ……』『ゴピッ……』『……』


「さすが範囲攻撃。キューブとロボット二体を纏めて始末するとは」


 まあ、キューブの方はHPバーが四分の一消し飛ぶだけですんだが。というか、また俺は『束縛』されたが。クソが。


「オラァッ! っと、束縛解除ォ! 『ガキンッ!!』いや、はぁっ!? てめっ、オラァッ!!」


 束縛して、解除して、束縛して、破壊してを繰り返す俺。一体何をしているのだろうか。

その間リリィは全てのロボットを破壊し、キューブと相対していた。

 俺がようやく【束縛耐性(中)】を入手した時、キューブは光の線を朱色に光らせると、ガシャンガシャン! という音と共にそのキューブの外を広げた。中からさらに小さいキューブが出て来る。マトリョーシカかな?


「……形態変化。四分の一毎に変化するんだと思う」


「なるほど。形態変化は戦ったことないからなぁ……あ、いや、不死鳥がいたけど、あれは……」


 ちょっと形態変化じゃないと思うんだ。だって一回死んでるし。


「さて、第二ラウンドかな?」


「状態異常だけはなるんじゃねーぞ」


「……攻撃に巻き込まれないでよ」


 軽口をたたき合いながら、俺たちは第二ラウンドを始めた。

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