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第十六と二分の一話 観戦者たち

謝罪の二話投稿

FFO・観戦ルーム


「あっ、お前も死んだのか! じゃあ、大人しくあいつらの戦い見てよーぜ」


「ああぁ~。結構倒したと思ったんだが、アイクにやられちまったよ」


「おお、あいつとやり合ったのか。で、どうだった? って、聞くまでもねえか」


「おいおい。勇者様にゃあ勝てねえだろ。ここに来た人数が増えたのも、それが原因だ」


「なるほどな。一気に殲滅されたのか~。可哀そうに……」


「思ってもねえこと言うな。……あぁ、そういえば、そのアイクとやり合ってる奴を見つけてよ。どうなったかは知らねえが……まあ、死んだんじゃねえのか?」


「へぇ。どんな奴だ?」


「まあ、ちょっとしか見えなかったが……。黒いロングコートだったな。後は、ハンドガンだった。珍しいよな」


「「「「「……ん?」」」」」


 ギャラリーが、おや? と首を傾げる。どっかで聞いたな、と。それも最近。


「ほ、他に特徴は?」


「んー? いや、遠目だったし、ホントにそんだけ。あとは……黒髪のイケメンだったぜ。アイクとは別ベクトルの」


「「「……アイツじゃね?」」」


「というか、ギデオが接触したんだろ? 聞けばいいじゃねえか」


「いや、あれからスレが立たないから、あいつも来てないだけだろ。というか、他にも二人いなかったか? そいつらは?」


「行ったけど、いなかったって。待つなりなんなりすればよかったのにな」


「まあ、一人のプレイヤーのために時間は使えないだろ」


「それもそうだな。じゃあ、見るとしようぜ。そのプレイヤーを」


「そうだな」


 そして男たちが視線を前に戻すと、自分たちを倒した男が映っていた。


『ここでっ! ポイント上位五人を映していこうと思います! まずは、第一位! アイクさん!』


 白銀の装備を纏った男が戦場を駆けていた。敵が徒党を組んでいようと関係ない、と言わんばかりの速度で突撃し、ただの数秒で終わらせる。その光景と同時に、こちらへ転送された人数が増えた気がする。


『いやー、さすがですね! ゲーム内最高レベルの名は伊達じゃない! さて、第二位! レオナルドさん!』


 レオナルドと呼ばれた男性はアサルトライフルを構えており、その装備は奇抜な、戦場に似つかわしくないデザインだった。いや、アイクの装備も大概だが。

そして、男は何らかのスキルを発動させると、空への道を作り出し、敵を一方的に撃ち下ろす。


『相変わらずの装備と芸術性ですね! では、第三位! リンチミンチさん!』


 独特な名前なやつがいる、と思いながら見てみると、赤いショートの髪をした少年が立っていた。そして、そこは家の中なのだが、突如としてパンパカパーン! ピュルルルルルッ! ヒュー! といった音が鳴り響く。しかし、彼のもとに攻撃は来ない。その代わり、「ぐあっ!」や「くそがっ!」といった声が聞こえる。


『このゲームで数少ない『罠使い(トラッパー)』は流石ですね! では、第四位! リリィさん!』


 リリィと呼ばれたプレイヤーは、ようやくの女性。紫色の髪を持つアバターは戦場で目立つが、撃たれる前に撃つ、と言わんばかりの反応速度で敵を撃ち抜く。そのアサルトライフル、【虎王ノ牙】……『ShAk-12』は高火力であり、様々な敵を二発で葬り去る。


『相変わらずの攻撃力ですね! では最後! 第五位のカナデさん!』


 最後に、中央広場の画面に映されたのは、黒いロングコートを装備している少年。整った顔立ちだが、チッ、といった表情をしているため、少々怖い。

その少年は珍しくハンドガンを装備しているが、基本四発ほどで敵を葬り去る。


「「「こいつかああああっっ!!!」」」


「「「お前かああああっ!!!!!」」」


 途端に十人ほどのプレイヤーが声をあげる。なぜなら、ここ最近話題になっている少年が出てきたからだ。黒いロングコートにハンドガン。これだけで十分だ。


「うわっ、炎の竜巻が出来てんだけど。あれってプレイヤーが起こすもんなの?」


「それを言うなら、アイクもだろ。あいつ、一人で光の柱作ってんだぜ?」


「レオナルドを見ろ。柱どころか虹の橋作ってるぞ。絵の具みたいなもんで」


「ほとんど動かずに殲滅してるミンチもいるけどな」


「逆に歩く度に死体が増えるどっかのリリィさんは……?」


 結局、皆異常なのだ。もちろん、六位以降も怪物ばかりである。ゲーム内のトッププレイヤーというのは、個人で戦局を左右させるだけの力を持つ。


『開始して数日だというのに、凄まじいプレイですね! ……ん……? ! おっと! ただいま制限時間が半分過ぎました! なので、今からマップ上に先ほど読み上げた五人のプレイヤーの位置が表示されます! 逆転を目指して戦いましょー!』


「すげえなぁ……どうやって戦うんだろ。百人単位で襲い掛かられて、逆に殲滅とか頭おかしいだろ」


「それがずっと続けてきたトッププレイヤーだから。いや、一人オカシイのいるけど……」


「まあ、結果次第だろうなぁ。しっかり見守ってよーぜ」


 生産職、敗者は皆中央の画面を見ている。まだ、結果は分からない戦場を眺めながら、「マジでこいつ何なの……?」といった目をカナデに向けていた。

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