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第十六話

第十三話の次に話を一個入れました。ギャルゲーの親密度調整イベントみたいなものです。したことないから知らんけど。

 パァンッ! ドドドドドドッ!!


「攻撃回数の違いが顕著すぎねえっ!? 俺一発しか撃ってないんだぞぉ!?」


「あいにくだが、私はサブマシンガンの二丁持ちだからね。ハンドガン一つの君より攻撃回数が多いのは当然だ」


「それもそうですね!」


 放たれた弾丸の一つが左足の爪先に当たる。ギリギリ回避間に合わなかったか。というか、それだけでHPの大半を持っていかれた。サブマかつ高火力は厄介中の厄介だな。

 煙と建物の陰に隠れて回り込む。否、回り込もうとした。


「残念けど、視えているよ」


「!」


 こちらを向いた銃口からは無慈悲にも数多の弾丸が放たれる。それをAGIに物言わせて回避すると、逆にこちらが三発撃ち込んだ。


「【小規模障壁】【大義の一射】!」


 男はスキルにて三発全てを防ぐと、逆に何らかのスキルを発動させて一撃の威力を上げてくる。先ほどのような連射も嫌だが、高火力の一撃も嫌だ。というか、サブマの利点を潰してないか?


「【聖弾・追】【聖弾・剛】【聖弾・残】」


「なんっ……だそれええええっ!! 【災厄伝播】ァ!」


 早めに使っておくといい領域を広げると、放たれた三発の弾丸に注目する。なお、男のサブマシンガンの連射速度はそこそこ速いはずだが、スキルによって少し遅くなっているようだ。


「危ねぇっ!」


「ふっ……それがマトリッ〇スというやつか。面白い。こちらも戦いごたえがある、が……少々面倒になって来た」


「だから逃がして……」


 一発目の【聖弾・追】は終ノ刃にて切り裂き、【聖弾・剛】と【聖弾・残】は反って回避した。こいつ、スキルめっちゃ持ってるタイプのやつだわ。きっと。


「なかなかにしぶとい君に敬意を表し、あるスキルを使ってあげよう。ユニークスキルの中でもトップに君臨するスキル。初期は封印されていて使えないんだけどね。やっぱり男との戦いは面白くないから、これを使って終わらせることにするよ」


「どこ行った敬意。男との戦いは面白くねえからさっさと終わらせるって、お前やべえな」


 ふと、目の前の男から尋常ではない圧が放たれる。自然災害の予兆のような、母親のブチ切れ前のような。


「さあ、終わらせようか。【勇者顕現】」


ゴウッ!!


 先程見たような光が、いや、先程よりも大きな光が男から溢れ出す。いや、なんでだよ。それこそ集団に使えよ。

というか、さっきと同じ流れだったら、背後に来る―――


「いや、正面か!」


「その通り。だけど、足りないよ」


 構えた黒龍を正面に連射する。しかし、目の前にいた男は再度瞬間移動のような速度で回り込んで来た。速すぎる。


「うらぁっ!」


「おっと、ナイフはさすがに受けられないな」


 サブマを連射しようとしてきた男は素早く飛び退くと、発する光を強めた。


「この装備は『勇者シリーズ』と言ってね。このゲーム最高レアリティのユニーク装備なんだ。それに付属している【勇者顕現】というスキルは、全ステータス+50という異次元の強化をする。そして、放たれる弾丸は全て【聖弾】になるんだ。つまり」


 そこまで言うと、男は急接近してきた。あ、マズイ。


「君では勝てないよ。生憎だけどね」


「ッ!」


 バゴォンッ! という音と共に、蹴り飛ばされる。HPは残り2。おいおい。銃より強い蹴りって何だよ。怖いな。


「ぐあっ……。ここは逃げるしかないな……」


「逃がさないよ。【聖弾・追】」


「なんでだよっ!」


 放たれた五つの弾丸は全て追尾式。こちらが射程範囲外まで逃れるか、防ぐかしなければ、確実にくらうようだ。


そして、その対応に手間取っていると、男は一つのロケットランチャーを取り出した。あ、使用武器サブマシンガンでもロケラン使えるんだ。そういう方法あるのかな。調べとこ。


「終わりだよ。【聖弾・滅陽】」


「ん、あ、これあかんやつ」


 ようやくすべての弾丸を斬り終え、男の方を見ると、何かの白い弾が装弾されていた。溢れ出る破滅の力。触れたら死ぬね。


 ドオオオオオオオオンッ!! という音が響き渡ると共に、白い弾が発射される。着弾したら、すげえ爆発しそう。


「死にたくはねえな! 【業渦災炎】ッッ!!」


 あらゆる方法でSTRを上げ、火力を上げる。そして、滅陽とやらを相殺しようとした。

しかし、災いの炎と破滅の太陽では、さすがに太陽の方が強かったようだ。弾は炎の竜巻を喰い破り、俺の目の前に着弾する。


 ドゴオオオオオオンッッ!!


「……ん? 倒したか? ……いや、キル数は増えていないな。とすると、逃げたか。まあ、特に倒さなければならないというわけではない。次へ行こう」


 男の【勇者顕現】の時間が切れ、光が収まる。周囲に人がいないことを確認すると、また道を歩き始めた。



♢ ♢ ♢ ♢ ♢



「……っぶねぇ奴だな……あの一撃はさすがに死んだと思ったぞ……。というか死んだし」


 着弾した瞬間、ある一つのスキルを得た。それを一瞬で発動させて、逃れたのだ。


『暗殺者専用スキル:【空蝉】を獲得しました』


 つまり、一日に一度だけダメージを無効化するスキル。そして、無効化した後は現在地から10メートル以内にテレポートしてもよい、というもの。

 なるほど。恐らく、ダメージ無効系統のスキルは他のクラスでもあるのだろうな。入手条件が一度の攻撃で総HP量二個分のダメージを負うことだから、まあ、あんまりそんな経験ないだろうけどな。


 今の状況を簡単に説明しよう。【聖弾・滅陽】が着弾した時、一瞬でHPバーが吹き飛んだ。そして、圧倒的速度でHPが減ったため、【空蝉】を獲得。消滅前に発動させることでさっきのダメージが無かったことになったので、十メートルほど離れた場所に転移したのだ。


 多分バグ技。だって死んでからスキル使ってるのと同じだから。そして、一度入ったダメージを無効化は出来ないので、本当にバグが起きたのだと思う。


「あいつもあっち行ったみたいだし、俺も離れよ……」


 ああ、本当に焦った、と呟きながら、勇者の男とは反対方向に歩き出した。

強いね。

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