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第97話 転職サイトはおれごんを待っていない
また同僚がおれごんの勤める会社を退職します……。
いつもおれごんは残る側。出ていく勇気もなければ、もう年齢的にむずかしい世代でもありまして。それでただただ老兵が去りゆくのを見送り、若者が旅立つのを眺めています。
置いて行かれる感覚。自分だけが生き残っているのではなく、自分だけが生きていないかのよう。
毎日屋根と壁のある家で眠り、三度三度ごはんを食べられていて何様だとは思います。
危機感はない。しかし切迫感はある。
働ける。しかし動けない。
重苦しい家庭の逃げ場としての職場の、居心地がどんどん悪化してゆきます。
またよくしたらいい、耕したらいい。それを為すにはあまりにも、心のゲージが減りすぎている。
いま集中すべきは家庭。それだけは見誤るな。




