第79話 蠱うどん毒
地元のうどん有名店を数日にわけて何軒もはしごしましてね。それで結論を出しました。
ぜんっぜんおいしくない。
いえ、個人の感想ですよ? おれごんの好みの味ではなかったというだけ、だって毎日大盛況。
でもね、これが人気の有名店かと。ランクインするほどの味なのかと。
有名店ならどんな顧客の舌も有無を言わさずうならせてもらいたい。味自慢ならなおさら。
無料の小説サイトじゃあないんですよ、わざわざ足をはこび、お金を払って食しているんです。剛腕でむりやり屈服させられるほどの味を備えていてもらいたい。
うどんって、あんなもんじゃないですよ。おれごんの知るうどんの魅力はあんなもんじゃ。
うどん大国香川県です。
何がすごいって、いずれのお店も名店。手放しにおいしい。小さくても、チェーン店でも。他のお店と味の差別化ができている。さらに安い。
だって数十年ものあいだ練りに練られた蠱毒なんです。蠱うどん毒。
おいしくないお店は生き残れないんです。すぐにつぶれちゃう。あのうどん激戦区で営業できているということは、すなわちそれだけでうまさが保証されているのと同義。
あれら味を思い出して、それで地元でもおいしいお店を開拓しようとして。頓挫。
これはもう現地に行くっきゃないですね。ちかぢか参上いたします、香川。




