第103話 のび太の年齢を追い越して
物語のキャラクターって年齢を重ねないじゃないですか。いえ、もちろん重ねる作品もごまんとあり、それに対して無限ループをくり返す作品もまた多く存在することはみなさんもご存知。
ですから、のび太のことを年上のだらしないお兄ちゃんくらいに感じていたら、いつのまにか同級生になってて。
同級生なんてたったの1年間のことですから、あっという間に追い越して。
月野うさぎの年齢を追い越して。
クリン・カシムの年齢を追い越して。
いつしかのび太は、だらしない子どもという視点へ。
月日の流れは決して止まりません。
やがて。
キシリア・ザビの年齢を追い越して。え、若すぎない?
平賀・キートン・太一を追い越して。
ここで小説の登場人物が出てこないのがおれごんらしい。そして、ロボ作品ばかりになりそうだったので多少の配慮を。……多少の配慮を、しようとして途中でめんどくさくなって中途半端に。
んま、お伝えしたいことはそこではないので。
ともあれ。どうですか、アラフィフともなれば、みんな自分よりも年下ばかり。自己を投影する主人公は、もう。
アニメもマンガも小説も、映画だって、物語のほとんどはいつだって若者のためのもの。
ですから、おれごんが書く側に転じることができたのは幸運でした。いつまでも楽しませてもらう、だけじゃない。だって若者の背中を物語で押せるから。おれごんはもう、若者に期待する側。バトンは今、ちょうどわたすところ。
不甲斐ない世代ですみませんでしたね。そこそこ人口のボリュームがある世代なのにパッとせず。荒波に揉まれていたらいつのまにか老いていた。
まあでも、のび太には規範になったでしょうか。あきらめない、くじけない姿をなんとか見せられた。
いずれもZ世代にはピンとこない、泥くさいものではあろうと思います。気楽さとは無縁。だからおれごん作品は人気が出ない。
でもね、こうして書いて残してさえいれば。いつか疲れた誰かが訪れたときに、その人を楽にしてあげられるのかもしれない。
それにほんの数人しか必要としないのなら、その方がまだ、世の中が健全なのかもしれません。だってわたしが発表してきた子たちはどれも、誰かのための応援歌だったから。




