熊とドングリ、保護活動家
歩くたび
割れるドングリ
浮かぶ顔
檻の子熊と
母熊
*
食欲の
秋が来たと
目移りし
荒れた山へと
思い馳せ
*
ジャン・バルジャンは19年※1
爪ある熊は命で贖う
諸悪の根源は「怖いね」と
安全地帯で今日も他人事
*
死に怯える人間
生きたいと必死の熊
「共に生きよう」※2
「道はないのか」※3
誰が答えを探すのか
*
何かしたい
すぐに探せるこの時代
玉石混交 賛否両論
一歩の行き場が見つからない
*
愛され、守られてきた名画
どうせ無事だろ、とペンキかけ
正義を振りかざす犯罪者
私の大切な絵ではないけれど
誰かの大切な絵だというだけで
憤る理由は十分だ
思想犯でも、無実の罪でもない
ただの違法行為で誇らしげ
※1『レ・ミゼラブル』で姉の子供達のためにパンを盗んだ人
※2,3『もののけ姫』のアシタカのセリフ
本当は人里と熊の生息域の間に緩衝地帯となる里山があれば、
安全に棲み分けができるとかいう意見もあるようですね。
昔はそうできていたんだとか。
玉石混交・玉石混淆→常用漢字表記になっています。