出立(地図あり)
武田編、始めます。
またよろしくお付き合いくださいませ。
氏康くんをボコってから1年後です。
やっと上洛出来ます。
ちょっと不自然な状況説明なので、あとで改稿するかもしれません。
明日は切りがいいので連続投稿します。
【大事な追記】
北条編を書き終えて武田編の下調べをしている時に、大変な間違えに気づいてしまいました。
しかし、これを直すと相当な加筆修正をしなければならなくなり作品の面白さを削ぐことになってしまいます。
そこで、「大人の事情」が起きない限り、そのままとさせていただきます。
しかし、皆さまの常識を誤らせる恐れがありますので、ここに間違えと修正点を書き記します。
【アルコールは刀槍の傷には使えない】
医療においては常識の様です。
昔は消毒薬を塗っていたために誤った認識から設定をしてしまいました。
この作品を読むに当たり、お間違えの無きように伏してお願い申し上げます。
一応、応急的に「傷の周りと布などの殺菌処置」+「綺麗に水洗いもしくは石鹸で洗う」+「清潔な布で覆い、こまめに替える」という「門外不出!? 」の治療法として書き直しましたので、な、何とかなるかと……( ;∀;)
また、ワセリンの代わりに湿潤療法と血止めに「蜜蝋」を販売しようかと。
そのほか脱脂綿の開発が終わっており、杜仲茶の「トチュウゴム」から手袋やゴム管を製造しております。ガラス管ももう少しでできます。
そのうち凄まじい開発ラッシュになるかもww
連載止まるとたった1週間でもランキング落ちるんですねww
気にしていませんけど……
気にしてなんかいないんだからねっ!
勘違いしないでよねっ!
「智円のに~ちゃん。出番だってぇ~♪」
「最近は拙僧、唐国で生まれた占星術師の尻神様を信仰しており、此度は占星術で観ますればランキングは気にせぬ方がよいと出ておりまする。運命の流れに任せましょう」
「あ~それで最近、さらに質素な生活始めちゃったのね。でもそのおっきい南蛮風つば広帽子だけはやめて~~~!」
もし面白かったら、評価・ブクマよろしくお願いいたします(^^♪
2009年5月5日:JBCTV春の行楽シーズン中継
「皆さん。現在私は、彩魂県東松山の国立子供自然公園に来ています。
今日こどもの日は晴天に恵まれ、多くの家族連れの方がこの自然を満喫しております。
特にお子さんに人気なのはドッグランと犬のふれあい広場です。
ここには多くの、人を大好きなワンちゃんたちが待っています。
このふれあい広場は戦国時代、大胡政賢に城代として川越城を任された太田資正の指示で犬の放牧牧場として開発され……」
1554年9月下旬
上野国那波城
楓
「……っぱ! ‥‥っぱ! ばぁああ~」
政賢さまが松風をあやしています。
私の両の腕でそっと抱いている政賢さまのお子、松風。
「やっぱ、ここは僕と同じ幼名でしょ! 」と言われて、松風と名付けられた大事な大胡家の跡取り……何よりも私と愛おしい方との宝であり、絆でもあります。
殿が仰られたように、北条との1年前の戦、その2か月後には懐妊したと絹と福に言われました。
その後8月で無事生まれ、今この笑顔を見ることができました。
でも5才までは安心できませぬ。
福と絹が「子はちょっとしたことで亡くなる」と脅すようなことを言います。
でもその目は真剣で、私も心して育てねばと心を新たにしています。
嬉しさに浸ってばかりではいけませぬ。
「かえでちゃん、本当にいいの? 乳母をつけなくて。大変だって聞くよ。一日中、松風を世話してないとだよ」
何処で聞かれたのでしょうか。
姫として育てられた私に、子育てはそんなに簡単ではないとおっしゃられている?
「はい。覚悟しておりまする。殿が毎日毎晩、戦っておりますのに私だけ安穏としては居られませぬ。女子の戦は子育て。それに戦友? 参謀? もおります」
私は隣に控えている絹と福を見た。
「そっか。じゃ、一緒に頑張って生きていこうね。大胡の家を守んなきゃだね。なんか急に大人になった気がするよ、うん」
私も、生みの苦しみを経て、やっと大人になった気がします。
母というものは、なんと幸せな者なのでしょうか。
きっと、ずっとは続かない幸せばかりの時。
ですが、その時松風が傍にいてくれれば、政賢さまがお傍に……
「ごめんね。まだ松風が生まれて1か月も経たないのに、出かけなくちゃで。今を置いて上洛出来そうにないんだよ」
政賢さまは今や50万石の大大名になられました。
そうそうお傍にいられないのは覚悟せねば。
「ご家老ちゃんの水薬飲ませて、お仁王ちゃんとこの「娘軍団」みたいに元気いっぱいに育てようね。あと、京土産は何がいいかな?なんか欲しいものある? 福と絹も~」
「殿の御無事の御帰還が何よりもの土産にございまする」
私がそうお伝えすると、政賢さまはにこりと笑われ、
「そうだね」
と、私の肩をお抱きになりました。
「今年中に帰ってくるよ。それまでに松風、どのくらい大きくなってどのくらい可愛くなっているか楽しみだなぁ」
政賢さまは松風を軽くあやしてから立ち上がり
「じゃ、行ってくるね。大胡の民、みんなを守んなくちゃ」
ここ1年で少し大きくなった政賢さまは手をひらひらさせながら部屋を出ようとして、障子に穴をあけてしまい頭を掻きながら縁側を渡って行かれました。
1554年9月下旬
那波城松の間
長野業政
「第何回か忘れちゃった円卓会議~」
「殿、88回目にござりまする」
祐筆もこなす政影殿が生真面目に答える。
50万石を超える大大名となった大胡家は、ここ1年で大分その内政と仕組みを新たに作り直し、領土防衛の仕組みも整いつつある。
「上洛前に最終的な報告と連絡、そして相談、ほーれんそーやっていきましょ~」
ここ、新しい松の間には政賢様を始め、祐筆役の政影殿、外交担当の智円殿、参謀方の上泉秀胤殿、諜報方の真田幸綱殿、勘定方の瀬川正則殿、そして副将である儂が参集している。
幸綱殿、正則殿と儂が1年前よりこの会議に加わったが、これ以上話し合われることが多岐にわたると、さらに人数を増やさねばなるまい。
産業と教育、司法、そして金融経済(と名付けられた)に関する役目を作ることになっている。
そろそろこの秘密の円卓会議ではなく、評定衆を設け評定を定期的に開かねばとの方向で話が進んでいる。
これは責任ある部署の人材を育成するに数年は要するであろうな。
……儂の後釜も育成しなければならん。
儂ももう年じゃ。今年65。あと3年かの。
人間50年。我ながらよう生きたわい。
まだまだ気は誰にも負けぬが、もう体が動かぬ。
折角、良き主君を持った故、一働きしてから後進に席を譲らねばならぬな。
一抹の寂しさがあるが、これも人の常。
「やっと前久のおぼっちゃまが帰っていったので上洛出来るけど、ちゃんと留守の体制を整えていかないとね」
殿がいない間は、儂が総指揮を執ることになる。
きちんと状況を整理して頭に入れねばならぬ。
「……じゃあ、下野の人たちはまだ内紛しているわけね。佐竹さんちも巻き込んで」
「如何にも。故に北条の武蔵と下総には手が出ませなんだ。古河公方が調停に入るも纏らず、その間隙を突くように里見が浸透し、下総の大半と東武蔵を手に入れ申すことに。
今では古河公方を勢力範囲に入れたとも言えます。以前から外交で好感度を上げていた模様にて」
智円殿が答える。
古河公方、足利晴氏様は憲当様のような傍迷惑な御仁ではないが、権威だけで何も出来ぬ御仁。
まだ幕府の権威の使いようがある上方と違って、坂東では鎌倉公方と関東管領の威が急激に低下して居る。
大胡の殿に対する上杉憲当様の不当な扱いがきっかけに、古河公方が関東管領として扱っていた北条の凋落と共に、両職の権威がなし崩し的に失墜していった。
真の戦の世になったのじゃ。
「由良のおとやんと、佐野ちゃんはどったの?まだ忍城囲んでいる? 」
「は。殿より供与された銭と兵糧を、殿の提案された付け城の築城に使わず、兵糧攻めをして早半年。今は撤退を考えている様子」
秀胤殿の報告に儂も付け足しをする。
「あの城は湿地帯の中に建っておりますれば、周りは殆どが沼にて通路となる場所は3つのみ。
我攻めなどでは10万の兵でもよう落ちませぬ。
大筒も届きませぬ。
故に兵糧攻めとなったのでしょうが、城主の成田長泰は端から承知。
数年分の兵糧を蓄えておりましょう」
「だよね~。攻めるとすれば……水攻め! でも、やれる銭ある人いないでしょ」
「殿がおりまする」
皆がにやりと笑う。
水攻めなどどれだけ銭が必要であろうか。
考えただけでも気が遠くなるわい。
じゃが、一度は見て見たい気もする。
「結局、川越まで大胡領になっちゃったね。
由良のおとやんに譲ったのに。
まあそのうち開城するのは当たり前なんだけどしぶといねェ、成田君。弟殺されてガチになっちゃった?
佐野っちも出てこれないし。
お蔭で武田領と平地でつながっちゃいました」
武田は今年の春、越後の北条高広を調略し反乱を起こさせ、宿敵となっている景虎殿の足を封じている間に坂東に侵入。
北条の武蔵西部、三田氏の勝沼城と辛垣城を囲み、臣従させた。
狭山・入間付近の丘陵にて大胡は武田と領地を接することとなった。
川越城には太田殿が入り武田に睨みを利かせている。
武田はその勢いを駆り江戸城を突こうとしたが、そこで里見氏と衝突しそうになる。
しかし両者供、諍いは起こしたくないと江戸の南にある港町品川にて会談。
里見は多摩川以南に手を出さない代わりに江戸を取ることで手打ちとなった。
現在、あまりにも手を広げすぎた武田と里見は、領地の仕置で手いっぱいであろう。
「しかたないよね。武蔵の村からどんどん、大胡に統治されたいという直訴が来るんだもん。無下には断れないし」
「しかし、内政官がもうおりませぬ。現在火急の勢いにて育てておりまするが、今はこれ以上手を広げる事、難しいかと」
正則殿が諫める。
「まったくね。他の大名は何考えているんだか。
領地取ってもそこを経営できなければ反乱祭りになるのに、なぜそんなに強欲なんかなぁ。
百姓の身にもなってちょうだい」
「領主と主だった士分を領地経営が出来なくなるまで減らしたのは、どなたでしたかな? 」
瀬川殿がニタリと笑う。
領地経営の厳しさを誰よりも分かっている者の顔だ。
「大名が直接統治することなど、ほとんどありませぬからな。
在地の国衆が代々の信頼の上で差配、年貢の徴収と徴兵をするのが当たり前。
殿はそれを壊してしまわれた。
今後、益々坂東南部は荒れまするな」
「そして、そこを奪い取り直接統治をなさるおつもりとお見受けいたすが、その際には多くの民が艱難辛苦を経験いたすでしょう……」
殿は儂の言葉で少し顔を顰めたが、言葉にすることでご自分の心を新たにするように力を込めた声色で次のようなことを仰られた。
「戦は嫌いだ。人死にも嫌いだ……だけど、新しい世を作り出すのには古き仕来りの破壊が付きもの。
今、戦の世を収め近代国家を作らねば、長い間子々孫々が苦難を強いられる。
殻を壊せば、硬い殻であればあるほど割れた殻で手を怪我するかもしれない。
だが、僕の手などどうでもいい。
出来得る限り、人死には出さないつもりだが、妨害する者は叩き潰す! 」
殿らしくない激しい言葉だ。
だがこれが本当の殿の御心なのであろう。
こうでなければ、尽くし甲斐、奉公のし甲斐がないというもの。
上杉の臣下であった時が地獄であったか。
儂は果報者じゃ。
最後の最後でよい決断をしたものよ。
あとはよい死に場所を見つけるだけじゃな。
「で~、品川はどうなったのん?あそこは商業と交通の要衝。諸勢力が何としても抑えたいと思ってるんじゃない? 」
それには智円殿が答える
「今までの経緯を追って説明し、現在の状況を整理いたしまする。
今川は湯ヶ島の砂金目当てで伊豆を取った後、勢いに任せて小田原城に迫り、そこで太原雪斎殿が動き申した。
箱根湯本の早雲寺において北条氏政殿、長綱殿と会談。
北条は今川の同盟という名の臣従をいたしました。
そしてつい先週、氏康の次男、藤菊丸(後の北条氏照)を駿府へ人質として送り申した。
これにて今川は相模・三河と東西に防御線を張った事になり申す」
「うえ~~。なんだか厄介な防御線だね。いつも内紛反乱起こしていそう。僕は勘弁」
「そして品川ですが、相模西部を今川が押さえ、八王子・稲城・相模原までを武田が。
品川の北は里見。
品川はこの3者による独占を防ぐために江戸城にて会談が行われ、品川の自治を認めることになり申した。
新たに組織された会合衆の頭、酒屋で海上輸送を営む鈴木道胤を中心とした自警団組織、その主力が……」
「殿の支援を受けた法華宗徒と根来衆、そして風魔の残党。
これに磐梯屋を通じて鉄砲や弩弓を融通されましたが、本当に纏まると観ておいでなのか? 」
風魔は箱根を捨てた。
もうそこまでしないと一族を存続することが出来なくなっていた。
今は殿の支援で山岳傭兵隊として再編されている。
「だって、鈴木ちゃんとの繋ぎは熊野の流れを汲んでいる家系なので熊野権現繋がりで、歩き巫女の桜女の姉さんにつけてもらえたけど、本人がもう熱心を通り越した法華宗徒だから仕方ないよ。
他の宗門を入れるとしたら京都五山の禅宗あたりだけど人が集まらない~」
そのような内幕があったのか。
この辺りはこれから上洛した折に話を付けてくるのであろうが、先に法華宗と手を組むこと、決めてよいものなのか?
儂には分からぬ。
「これで品川は一応、独立自治を勝ち取ることが出来、その裏に大胡がいる事は周知の事実となり申した。
大胡にとってここが大事な足掛かりとなると共に、新たなる火種になること必定。
皆が心せねばなりませぬ」
「できるだけ早く帰ってくるけど向こうで何があるか分かんないし、武田君と里見ちゃんが仲良くなっちゃってこっちへ押し寄せてくるかもしれない……そうなったら誰にも止められないんじゃよ。
怒りに我を忘れて目が赤くなっているし、晴信ちゃん。
光玉や蟲笛じゃもう鎮められない~。
もうここまでくるとね。
僕一人じゃ全く分かりません。
これから失敗ばっかすると思うけど、皆で意見出し合って進めていこうよ」
北条を追い払い独立した大名になって殿は変わった。
もう大胡の規模が大きくなりすぎたこともあるが、専制的に物事を決めることが少なくなってきたらしい。
殿が不安にならぬように、皆が支えねばなるまい。
支え甲斐のある主君を持てて、改めて幸せを噛み締めた。
そうして、儂に大胡の守備を任せ上洛の途に就いたのであった。
品川が東日本の堺となる予定です。
これで「ポルトガルチート」使えそう!
でも関宿と江戸湾の制海権が(-_-メ)
「たけだは うみにはいりたそうに こちらをみている」
↓
「たけだは うみを てにいれた!」
たたた、たったった、た~~~ん♪!
「たけだは れべるが あがった!」
時間があったので、ラノベについて調べました(今頃かよ、オイ!)
あのコンテストいっぱい応募したけど、無謀でしたね(;´・ω・)
レーベルの特徴考えなかった。
今思えばGA文庫・電撃文庫・エンターブレインくらいしかこの作品は商品化しないでしょうね~(*ノωノ)MFブックスも大人向けレーベル?
とにかくあまりにも特化しすぎている。
パロディを生かせるのもあのコンテスト位か?
(でもGAには長編過ぎる……)
もし詳しい方いらっしゃいましたら教えてくんなまし('ω')ノ
まあ、マジで商業化目指すわけでもないし、ただ単にコンテストでご迷惑をおかけしないようにとタグが邪魔で~www




