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首取り物語:北条・武田・上杉の草刈り場でザマァする  作者: 天のまにまに
★★北条氏康君の最後だゾ★★

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砲火

 ちょっと大輔ってみました。


 このシーン書きたくてこの作品を書き始めたといっても過言ではありません!



 「と~の~~~」

 「なに?お仁王ちゃん。何か泣けることあった?」

 「儂の酒が~、ではない、遂に連載1か月半で歴史部門四半期1位となったとか!」

 「おおお。これもお仁王ちゃんが綱成やっつけたからじゃないの?ありがとね」

 「何を申されます。あの功は伊勢守殿のもの。儂は朱槍をぶん回していただけ、クゥ」

 「あ、わかったわかった。これはみんなのおかげだよん。この世にはドクシャという神がいるらしいから、この方々にお礼を言おうね」

 「「ありがとうござりまする~~~」」



 2005年5月21日:政賢の野望:シナリオ第二次那波城攻防戦


【大胡プレイヤー操作マニュアル】


「大規模火力戦闘となるため、大量の補給物資が必要。


 これを如何にバランスよく配備するかに勝敗がかかっている。


 難易度ナイトメアの場合は、北条方将兵はゾンビ化して群がってくるため……リロードの時間と照準の正確性のバランスも適切にしないと簡単に落城する。


 しかしイージーモードにおいては……」




 1553年11月下旬

 上野国厩橋城北東5町(500m)

 上泉秀胤



 殿からの指示が無い。

 前方1町もない中州で巨大な何かが固定され始めた。

 何か途方もないことが起きる予感がする。

 既にここからでは竹束の山と矢盾により遮られ、鉄砲による銃撃が出来ない。

 殿の予見した通り竹束の防盾ぼうじゅんは銃撃では貫通不可能だ。

 100発以上当てて竹を弾けさせ、破壊するしかない。


 あそこに並べられている矢盾は大胡でも使用されているが、所々を鉄で覆ったものだろう。

 重く鈍重で普通には持ち運べないが、支え棒などを使用して少しずつ前進させれば移動できる。

 その矢盾は既に中洲のこちら側の水際まで移動して来ていた。


 厩橋城からの銃撃が始まった。

 2町の距離があるので、斜め上からの射撃でも威力があるとは思えない。

 それでも牽制のための射撃をするということは、相当な危険が迫っているということだ。

 後退の準備をさせるべきか?

 

 しかし信号は依然出されていない。

 重大な局面で某が決断せねばならなくなった。

 若輩者には荷が重い。

 胸がドキドキして、頭が働かない。

 目の前が真っ白になりそうだ。

 もう一度城の櫓を見る。

 殿の姿は見当たらない。


 殿ならばどうするだろう?

 そうか……殿はいつもこのような極限の状況で決断をなされていたのか。

 川越でも松山でも那波・館林でも。

 某はその決断を実施部隊に伝達をしていただけだ。

 それなのに皆、一端いっぱしの参謀になった、良い面構えの武将になったと褒めてくれた。

 今、某の顔はどのような色をしているだろうか?

 これを見ている皆はどう思うだろうか。

 いけない。

 殿になった気持ちで考えるのだ。


「ここは一時的な防衛線で~す。

 てきと~に敵に損害を与えればそれでおけ~♪

 すぐに後退して次の作戦に移るのが吉。

 損害を抑えて最終決戦をしましょ~よ~」


 要約すれば殿はこのようなことを仰っておられた。

 つまりこのような状況では後退の準備はしておくべきだ。


「使い番。各隊に連絡。後退準備。命令があり次第、すぐに第2線陣地まで後退できるように準備せよ」


 自分の決断がどのような結果をもたらすかは分からない。

 無駄に後退したことで、折角の地形的有利を捨ててしまうのかもしれない。

 だがもし、逆にあの巨大な兵器(!)がお味方に大損害を与えるような攻撃をして来たら?

 その時は殿の目論見を大幅に逸脱する。

 ……これでいいはずだ。

 直感を信じよう。

 迷った際には直感を信じて拙速でも行動しないといけないと、何かの戦術書に書いてあった。


「各隊。後退準備が出来ました! 」


 また城の櫓を見る。

 !!??

 殿の姿の代わりに信号係が旗を振っているのが見えた。

 信号用の旗を持っていかなかったのか、何かの白い布で急遽作ったらしい。

 両方とも白いが左右がわかる距離だ。

 読むことはできる。


「きんきゅう。

 すぐにてったいせよ。

 だいにせんまでこうたい」


 やはり!

 次の信号からすると、殿はこちらへ向かっているらしい。


った……」


 指令を伝達しようとした某の口が固まった。

 5つの巨大な竹の腕がこちらへ何かを放り投げてきた!

 お味方第2部隊(是政隊)が配置されている自然堤防のあたりに5つとも落ちる。


 どど~~~~ん!!!!!!!!

 ボワッ!!


 爆発と共に火の手が上がる。

 当たり所が悪かったのか、数名の兵が吹き飛ばされ、または火だるまになる。

 2つは外れたが油が入っていたのか、周りに飛び散り火炎を撒き散らす。

 これを2回3回と食らえば大胡勢でもたちまち壊乱する!

 ここはもう防御線としては機能しない。

 すぐさま撤退だ。


「撤退!第2線まで後退。すぐに陣形を整えよ。負傷者は可能な限り連れていけ! 」


 使い番が走る。

 まごまごしている暇はない。

 矢盾などは放棄だ。

 身軽に行動せねば。

 全部隊が予定よりも早く、そして撤退時に収容・破壊するはずの物資をそのままで後退していく。




 同日同刻

 那波城北方陣地

 内藤康行



 配下の津久井衆が騒めいている。

 先ほど長綱様からまさかの「乱取り」の許可が下りたからだ。

 この那波城を落とした後に大胡の領地に対して乱取りをしてよいとのこと。

 事前の評定では大胡を支配下に治め、そこを支配することによりその豊かな産業から上がる収入を、武蔵などの疲弊しきった領国の内政に充てる予定だと聞いたのだが、方針が変わった?


 その評定の中心にいたはずの長綱様よりの、まさかの乱取り許可だ。

 何が起きた?

 それほど早くこの城を落とさねばならなくなったのか?

 昔からの北条武者である相模の者ですらこれだ。

 東に配置されている下総や武蔵の兵は、今頃狂喜しているであろう。

 既に勇んで前進を始めた備えもある。

 もう前進の法螺貝が吹かれる頃合いだ。

 確認している間はない。

 一当てするだけだ。

 ……しかし、一当てするだけで終わるだろうか?


 法螺貝と共に前進を始める。

 仕寄り道具を担ぎ、徐々に前進する。

 太刀だけ装備した足軽が2人がかりで竹束を移動させている。

 その後ろに数名の足軽。

 弓を装備した者。

 手槍を持った者が付き従う。


 城の堀から2町離れたところからは、何もない平坦で微かな緩い上り坂。

 これでは竹束がない限り、鉄砲で撃ってくださいと言っているようなものだ。

 堀から1町の距離に、松山や那波で大胡が使用した「逆茂木」という阻塞物が設置されている。

 しかし、今回は対策をしてきた。

 辿り着いた足軽が訓練した手順にて、鉈で素早く破壊を始めた。

 

 破壊を始めると守備兵が城の土塁に開けられた窓から鉄砲を撃ち始めた。

 1~2名の足軽に当たったようだが、圧倒的な火力はない。

 せいぜい20丁という所か。

 物見の報告では弓もほとんど装備されていないと聞いたが、やはり少しは隠されていたか。

 しかし、たった20丁では殆どこちらの行動を防げないだろう。

 念には念を入れて竹束に隠れて前進する。


 その手薄さに気付いたか、東の備えが歓声と共に突進していくのが見えた。


  まずい。


 もし、もしもだ。敵が隠れているようなこと、万が一にでもあったら……

 だが、もう東側の国衆は抑えることが出来ないだろう。

 このまま全軍総掛かりするしかない。

 それが一番安全だ。

 儂はそう決断し、我が備えに指示を出そうとした。


 その瞬間。

 「城」が爆発した!!!!




 同日同刻

 那波城東側壁内

 真田信綱



 17にして遂に初陣だ。

 館林の戦ではここ那波で留守居であった。


 少し不満がある。

 大胡の殿はわずか齢12で初陣を果たした。

 そして大将として北条の大軍の後方を横断し、松山では数倍の敵を打ち払った。

 それを親父に言うと「殿とお前じゃ器が違う。同じ武将にはならんでもよい。お前の長所を育てよ」と言われた。

 そりゃあ、俺は頭の切れには自信がないさ。

 たまに親父や東雲様に戦の策や調略のコツなどを聞くが、あまり身についていないようだ。

 しかし上泉様の剣と槍の稽古は面白い。

 上泉様からもよく褒められる。

 後藤様にはぶっ飛ばされるだけだが。

 是政様には鉄砲の扱い方を教わるが、これもまた面白い。

 これからは剣や槍だけでは戦は出来ない時代になってきているのを実感できる。


 そして今。

 目の前に弓刀鎗のみで仕寄ってくる敵がいる。

 竹束で鉄砲を防いでいるが、今からこれを撃退する。

 この那波城は殿の発案を親父が心血を注いで考えた縄張りを実現した城だ。


 10年以上前から華蔵寺の施設で工夫がされ続けている測量技術を生かし、縄張りが正確に実現されている。

 設計図は天から見下ろしたような地図が描かれており、その形は陰陽道に使われる六芒星のような形だ。

 この形にすると銃撃の死角が全くなくなる。

 もしも万を超す大軍が我攻めをしてきても3000程度の鉄砲隊があれば、大損害を与えて撤退させることができるであろう。

 現在この城には2000の常備兵と500の後備兵がいる。

 鉄砲は6000以上。

 途切れなく銃撃ができる。


 そして……

 この城の最大の攻撃力。

 城の頂点3か所を中心に48基の巨大な鉄の塊が配備されている。

 8欣(32kg)の丸玉を2町飛ばせる大筒だ。

 寸胴な筒状の鉄の塊が二枚の分厚い樫の板の上で前後に動けるように固定されている。

 殿が「かろねいどほう」と呼んで、上に乗ってはしゃいでいた大筒だ。

 いままで使用していた(大胡しか使っていないが)普通の大筒とは違い、距離はそう飛ばない代わりに大きな玉を飛ばせる。

 この前面の斜面も手伝い転がって行き、すごい勢いで敵兵を薙ぎ倒す。

 そして堀と土塁の出入り口、虎口の前に来た敵兵を射角に捕らえる場所にそれらが設置されているのだ。


 それの火蓋ひぶたが切られ、眼の色を変えて突撃してくる敵に発砲した!

 無数の鉄砲用3匁丸玉が飛ぶ。

 第1射、12門。

 100名近くの北条方の兵が「あの世に突撃」していった。

 他の生き残りは茫然としている。

 そこへ各方面500丁の鉄砲射撃が連続して行われる。

 既にほとんどの敵兵が有効射程1町の内まで前進していた。

 虐殺が始まった。





 北部正面

 矢野孫右衛門



 東側で砲撃が始まると同時に、大筒への発砲を指示する。

 大音響とともに3匁の丸玉が雲蚊のように一斉に飛んでいく。

 しかし、北条の兵は竹束に身を隠しており大きな損害は与えられない。


「次! 例の奴じゃ! 装填急げ!! 」


 鉄砲が連続射撃をしている間に装填を急がせる。

 敵は竹束を15間(30m)程度まで近づけていた。

 急いで後退しようとしている。


「装填完了しましたっ! 」


「よしっ! 竹束を狙って各個射撃!! 」


 慎重に狙いを定めた大筒が火を噴く。

 今度は3匁玉ではない。

 あれはもう仕舞じゃ。

 今度は薄い鉄の筒で束ねられた100匁の丸玉24個がばらけて一斉に飛ぶ。

 これが一つの竹束を襲った。

 所々で血が舞った。

 悲鳴も出さずに吹き飛ぶ兵たち。

 竹束を放り出して逃げ出す兵に向けて狙い撃ち、できる限りの連射が追い打ちをかける。


 堀から2町までの坂

冥土坂めいどざか」で人の山を築いた俺たちは鬼か夜叉か、将又はたまた南方を守る鬼神・増長天の使いなのか??



 覇王信長伝。

 続編読めなくなっちゃったから、この作品書いちゃいましたww

 あれは衝撃的だった!

 海を手に入れると多分「カターナ」作っちゃうと思います。



カロネード砲

ペタリ

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%AD%E3%83%8D%E3%83%BC%E3%83%89%E7%A0%B2


ブドウ弾グレープショット

ペタリ

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%B6%E3%81%A9%E3%81%86%E5%BC%BE


最初の丸玉は分厚い木綿の袋に目いっぱい詰め込まれたものを装填します。

入れずらいのです。

だから二度目はない!


チェーンショットも考えたけど縦に吹っ飛んでいくと意味がないので没!


カタパルトの射撃は1回です。

「最初から陣に着弾するとか考えられない!」

と、おっしゃらないで~

そ・こ・は・ラノベです(笑



 本作では利根川=坂東太郎は信濃川と共に日本で数少ない「河」として認識しています。

 そのため桃ノ木川の際には「川」と表現

 利根川の名称はそのまま「川」ですが、渡河や河岸などのように河のつく部分が出てくるように意識しています。

 この作品ではこの利根川の存在はとても大きく、「河」としての役割(交通の利便性と障害としての役割)を認識していただこうと考えております。

 一応、ご紹介しておきます(#^^#)


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― 新着の感想 ―
[良い点] ジェノサイドタイムスタート♪ [気になる点] 五稜郭の設計者はコレをやりたかったんだろうなー 資金難と幕府が早く終わったせいで出来なかったのが哀しい [一言] 今回の処刑用BGMなんかい…
[一言] 覇王信長伝。私も大好きです。 作者死去により永遠に続編が出なくなってしまいましたね。 覇王信長伝第三巻のラストの三河守のように突撃する武将が出るのでしょうか?(笑)
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