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首取り物語:北条・武田・上杉の草刈り場でザマァする  作者: 天のまにまに
★★北条氏康君の最後だゾ★★

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渡河(地図あり)

 定番の「あれ」が出ます。




 現在、今日締め切りのコンテストに向けて作品のブラッシュアップと、経済と宗教について調べています。

 ‥‥これ、有名な作者さんは理解して書いているのかな‥‥

 すごいなぁ。

 私にはこんがらがりすぎてわかりませんww

 結局、「信長スゲー!」になっちゃうけど、信長と同じ政策はとりたくない(^-^;

 だって、つまらないじゃあないですか。

 

 ラノベなんだから「痛快さ」が要求されると思うので「本当のように思えるウソww」を書くしかないのかなぁ。

 「講釈師。見てきたような嘘をつき」

 エンタメです!




 「殿!拙僧のまじないが効きもうしたぞっ!またしても日間一位になり申した」

 「ほんとだ~。前日の3倍近いね~。砂金でもばら撒いちゃう?それともおちゃけ?」

 「それは至誠天に通じる、と、言うていることが真逆」

 「いいのいいの。お礼にあげるんだから。…これでインセンティブがあると思った読者が‥‥」

 「やはりまいないではござらぬか!」


 よろしかったら、まだの方評価とブクマお願いしますm(__)m





 2004年4月12日:ミリタリーサイト「ランペルール」


【上陸前砲撃】


「20世紀に入るまで、上陸作戦は敵前上陸を避けて行われていた。


 それは水際防御を施した陣地を歩兵が攻略することの困難さからくるものであった。


 しかし……されるようになり、要塞を除き簡易な陣地への攻撃が甚大な被害を与えうるようになった。


 これに伴い水際作戦の失敗が相次いだ……」




 1554年11月下旬

 上野国厩橋城北3町(300m)

 上泉秀胤



 ここ厩橋城北方4町余りの河原が、大軍がかちで渡れる唯一の渡し場となっている。

 ここから北へ2里半(10km)に小さな徒渡かちわたしのできる場所があるが、それ以外はすべての西岸が3間(6m)以上の断崖絶壁だ。

 その小さな渡しもその目の前にある箱田城という城が行く手を阻み、渡河できるような少数の兵では落とせない。


 厩橋城は小高い大地の上にあり、その3方を新旧利根川の流れによって守られている堅城だ。

 利根川の西岸と東岸を結ぶ重要な渡し場を、その厩橋城が睨みを効かせている。

 現在、厩橋城主長野道安率いる兵500が300の鉄砲を構え、配置についている。

 厩橋城に近づけば蜂の巣になるであろう。

 この城をすり抜けても後背を気にしながら戦うことになる。

 非常に重要な城である。


 大胡の主力部隊は、その射撃が届かぬ2町から4町までの2町(200m)足らずの東岸に布陣していた。

 この前面はこの時期の水量ならばかちでの渡河ができる場所だからだ。

 勿論、渡河の際には足を取られぬように十分な注意が必要。

 そこを鉄砲で狙い撃たれれば大損害を被る。

 北条が使ってくるであろうと殿の仰せの仕寄り道具「竹を数十本括った盾」を使用するにも、流れが邪魔。

 更にはこの付近の使えそうな舟もほとんど引き払っている。

 ただ唯一、いわゆる地名の由来となった小さな仮設の橋、「厩橋」が平時の通行に使われている。

 今、わざと落とさずに、集中砲火を浴びせるために架かっている。


「いでっちゃ~ん。あっちの様子は~?」


 吾妻岩櫃周辺が大胡の支配下に落ち、上田など北信濃への道が開かれたこと、村上殿が越後に逃れたことから、出浦いでうら親子率いる村上素ッ破が大胡の支配下に置かれることになった。

 直接の支配は真田殿であるが、今、厩橋方面は殿の直接指揮の下にある。


「は。物見を20名以上入れておりますが、警戒厳しく。

 北条方総数14000程度、中心にいる本陣は小田原衆の精鋭3000。それに加え玉縄衆の生き残りが2500。その程度しか判りませぬ」


「この前の戦が情報戦に負けたことが敗因と分かって対策立ててきたね。

 流石関東の雄、北条氏康!

 玉縄衆か~。綱成ちゃんの敵討ちに燃えているんでしょ~ねぇ、きっと」


「それから……異様に陣幕が多く、何やら中で作業をしている音がしまする。

 資材も多数運び込まれておる様子」


 殿がそれを聞くと途端に真面目な表情になった。

 顎を捻り、考えている。

 段々といつもの様に髷を触り始めた。

 周りの者が焦れるほどの時間、沈思黙考の後。


「さっぱり分からん!!

 とりあえず、ここはたねちゃんに任せて厩橋城行ってくる。

 上から見えるかも。

 何かあったら信号で知らせてね~」


 今回は仮設の腕木式信号機を持ってきている。

 殿の大声なら3町くらいは届くかもしれぬが、そろそろ北風が強くなる季節。

 いつ強風になるやもしれぬ。

 ここと、見晴らしの良い厩橋城の物見台に一対の信号機を取り付けた。

 敵に知られては困るような秘密の通信をいつでもできるような仕組みだ。

 これを使うようなことがあれば、それは大胡にとり大変な危険が迫ってきている時か、はたまた大攻勢に出られる時だ。

 後者であることを天に祈った。




 厩橋城辰巳櫓(北西の矢倉)

 長野政影



 矢倉の上、3間(6m)四方の広さの北西端に、長野道安様(某の叔父でもある)と我が殿が肩を連ねて北条勢を見据えている。

 道安様は厩橋長野の血筋としては小柄な方であるが、それでも殿より7寸(21cm)程度は上背がある。

 なんと小さき体に大きなもののふの魂が入っているのだろう。

 以前、そのようなことをお伝えしたら

 「ものふがいいなぁ。ものふものふ~♪うふっ」

 などと訳の分からぬ言葉ではぐらかされた。


「何か見える~?おじじ様??」


「見えぬな。ここからでは陣幕内は覗けぬ」


 殿の背ではこの櫓全面に廻らした矢盾の上から利根川を見下ろすには少しばかり難がある。

 お立ち台を持ってくるべきであった。

 ここは利根川本流が曲がりくねり、両脇にごろた石(20cm以内の丸石)が転がる場所がある。

 その向こう岸の場所で陣幕が5か所張られている。

 普通の陣幕よりも2倍以上高くまで張られたそれは、中で何かをしていてもここの高台の高さでも見えない。


「う~ん。考えられることは……」


 ここにいる皆が聞き耳を立てる。

 それだけの存在感のある殿の発する言葉。


「右斜め上いく発想でしょ~、きっと♪」


 結局、何が言いたいのかわからないうちに北条が動いた。

 陣幕と厩橋の中間、茂みの中から兵が50以上立ち上がった。

 手には殿が警戒していた竹束を抱えている。


「来たね~。たねちゃんにはこれ来たら集中砲火っ、と言っておいたから、そのうち何とかなるっしょ」


 竹束の列が橋を続々と渡ろうと近づいて来た。

 その場所までは2町近くあり、ここからの銃撃は無駄撃ちになる。

 もう少し近くに橋を移動できればよかったが、ちょうどよい場所がなかった。

 この新旧利根川が二股に分かれる場所は、北へ1町ほどの所に中州が南北に伸びており、そこを利用して橋を架けている。

 川幅が他の場所よりも広い代わりに流れが緩い。

 その西側が本流で少し水深があるが、中州東の流れはとても渡りやすい。

 本流まで1町半近くあり銃撃の威力が弱くなるため、この東の流れを北条の兵が渡る時に一斉射撃する計画である。

 引き寄せてから撃つわけだ。


 西の本流に架かる橋を渡り切り、北の支流に架かる橋に竹束が渡り始めた。

 大胡の主力部隊1800の鉄砲隊の一斉射撃が、その50余りの竹束に襲い掛かる。

 600丁を3射に分けての射撃で見る見るうちに竹束が弾け飛んでいく。

 後ろで抱えていた北条兵は左右の河に飛び込み、難を逃れている。


「もう一回行くかな?たねちゃんも本気だから行っちゃうね~」


 いつもの様に余裕な様子。

 道安様はその様子を見ても浮かれずに北条方を見つめている。


「政賢殿。次の竹束が来ますぞ」


 いつの間にか、次の列が西側本流を渡ってきた。

 これも先の竹束の二の舞であろう。

 しかし……この列は縦隊から横隊に変化して、横一線にその竹束を積み上げ始めた!

 次々とその列が竹束の壁を作り上げていく。


 その隙間を縫うように矢盾が前進してきた。

 これは支流に架かる橋のたもとまで進み、そこで横に並べられている。

 その間にも断続的に大胡の銃撃は続くが、竹束の数に圧倒され始めた。

 矢盾は鉄で覆われているらしい。

 貫通できないでいる。

 そこまでの距離、大胡の銃隊が並ぶ自然に盛り上がった堤防まで20間!


 殿と某は竹束と矢盾の進撃に目を奪われていた。

 その時、道安様が鋭い声で警戒を呼び掛けた。


「何かが来る!あれはなんじゃ?!」


 中州をちょうど渡り切ったあたりに目を移すと、何か巨大なものがだんだんと近づいてくる。

 それも5つ。

 下には修羅そりをつけ、上には大きな杓子しゃくしがついている。

 その物は殆どが竹で出来ているらしい。

 素早く殿を天車かたぐるまして川を見通せるようにした。

 それを見た殿が叫んだ。


「ああああ。こうきたかぁああ!

 城攻めじゃないのにぃいい!!

 よく動かせるなぁ」


 よく見るとそれほど大きくないのかもしれぬ。

 しかし50名ほどで引いているのだから、その巨大さは目を疑う。

 前方に突き出ている重りらしき石は、相当な重さであろう。

 それを幾本かの竹筒にて支えながら徐々に東岸に近づいていく。


「おじじ様。

 直ぐに鉄砲で横撃して!

 当たらなくてもいいから行動を阻害しないと。

 たねちゃんは信号機で一時後退の指示を!

 2町は引かないと危険だぁ」


 直ぐに信号係に指示を出そうとしたが、その兵はまごついている。

 そして悲鳴に似た返事が聞こえてきた。


「殿!信号機、故障してございまする!!!」


「ひゃああああ~。声で届くか???」


 いや、もう北風が強くなってきた。

 銃撃音も大きい。

 いくら殿の大声でも聞こえないであろう。

 少しでも早く、本陣へと戻らねばならぬ。

 某は殿を背負子に乗せ、本陣へと急いだ。




 北条本陣

 北条氏康



 上手く行ったわ。

 からの史記の書に出ていた飛砲(投石機)。

 応仁の乱でも使われたという。

 本来は城攻めに使うものであるが、その大きさを少し小さめにして修羅で引くことにより、移動がしやすくなった。

 このごろた石、野戦で防盾を潰す弾にも使える、移動にも都合が良かった。

 滑りを良くするために油も使うたが、意外とすんなりと動いた。


 飛ばせる物と飛距離が満足できるものではないが、あの銃列に突進するよりは遥かにましじゃ。


 まずは列を崩す。

 そのためには大胡勢が纏まって布陣している場所でなければいかぬ。

 渡河とはちょうどよい場面があったわい。

 こちらが大利根を渡るときはこの狭い一帯に大胡は布陣するしかない。

 そこまでこの投石機を運べば、無事に渡河できる公算は高くなる。

 敵は逃げねば一方的に叩かれるだけ。

 

 投石機は石の代わりに、油壷と(高価な)火薬の入った焙烙。

 これらを3町(300m)近く遠くまで投げることができる。

 あの自然にできた堤防の上に敵がいなくなれば安全に渡河できよう。


 厩橋城から銃撃が始まった。

 そこからでは狙い撃つこと能わぬわ。

 側撃でも矢盾がある程度防いでくれる。

 そろそろ準備ができたようじゃ。

 綱成を始めとした諸将の恨みを込めた火薬、受けて見よ!




 ランペルール記事付記


【水際作戦の終焉】


「太平洋戦争末期。東部13州連合の離島防御を粉砕したのは、日本海軍の戦艦部隊18隻による艦砲射撃であった。

 水際陣地を念入りに構築していた13州連合の守備隊は1日にして壊滅的な打撃を被った。

 連合軍はその後の島嶼防衛を水際作戦から縦深陣地とゲリラ戦術に切り替え、日本軍上陸部隊を悩ませることになる」



挿絵(By みてみん)

ごろた石が今回のミソ。

 本当はコロ使いたかったのですが、この辺りでは使えず、ごろた石がコロの役割と接点の面積を少なくしての摩擦を少なくするとしました。

 修羅の底面は「大胡産の」鉄材を使用^^;

 大きさは大体全長5m位、全高もそのくらいとお考え下さい。

 重さは……わかんにゃい。



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― 新着の感想 ―
[一言] 情報を重視するこの地で、信号機故障はまずいでしょ。。。 担当者打首だなこれ。
[気になる点] >3間(6m) >8寸(21cm) 3間は約5.4m 8寸は約24cmでは? 時代や地方によって度量衡はかなり変動があるそうなんでそれででしょうか?
[一言] いいえ、私の見た感じ9割方あなたが調べた内容にとどいてないとおもうよ 戦国時代に通貨不足によるデフレを、金属通貨を発行して解消しました、そういうことをするとどうなるか? その先を書いてるの…
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