第59話までのあらすじ
随一の猛将である綱成と嫡男氏親を相次いで亡くし、更には多くの国衆を一気に無くした北条領は荒廃していった。
その背後には米相場や新たに広まっていった内職の元締めを操る政賢の影。
それをなすすべもなく見ているしかない氏康。
武蔵の国一帯で大規模な一揆が一斉に起こり、強引な武力鎮圧しか対策を見いだせない状況で怒り心頭の氏康の健康に異変が。
心臓と血管に問題が起きたようだった。
たまたま居合わせた永田徳本の処置により命は長らえたが、健康に不安が残る中北条は益々追い詰められていく。
その影響は東海地方にも飛び火。
大胡の策略で今川が北条へ侵略の意志を明確にし出し、武田は三国同盟を渋り出す。
一旦退けられた関東管領は長尾景虎の支援の下、再び上野に舞い戻って来た。
ここへ来て大胡のしたたかさを認識した氏康とその側近たち。一旦大胡と不可侵条約を結び一気に西上野を平らげる事にした。
そしてまた大胡は新たな策略を仕掛け始めるのだった。
「にーちゃんさ。この前、小田原に行っていたでしょ?」
「拙僧はいかなるところにも外交とあらば出かける所存」
「でもさ。暗殺は外交とは言わないんじゃあないの?」
「心外な! 拙僧は少しばかり敵に薬草を送った迄。この薬草で元気になってねと」
「で、その薬はなんてゆ~の?」
「名前は智円すぺしゃるどりんくばーじょん2でござる」
「……もう何も言うまい。でもさ、そのバージョン1はどうしたのん?」
「後藤殿が、二日酔いのために薬を所望していたので、ちょうどよいと。飲んですぐに胸やけがすっと引いたそうに……」
「わあああああ。うちの最大戦力を何という事に使うの???」
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