【猛犬】ふ、二人掛かりとは卑怯なり!!
やっぱり太田さん。
遊ばさずに出しちゃった。
キシ〇ア様へ壺の報告をされた14名の勇士よ!
ありがとうございます。
きっと今日は爽やかなビームサーベルの挨拶が待っていることでしょう!
サーベルの洗礼を受けたい方は、今からでも遅くはない。
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ぽちっとな。
2000年12月創刊:愛犬家の雑誌ケン・ブランド。
【特集:世界のトップブリーダー】
「……以上、世界的なブリーダーのお話でしたが、日本の歴史上、記録に残っている有名なブリーダーとして、あの江戸城を作った太田道灌公の曾孫、太田資正がいます。
松山城を所領していた時には100匹余りの犬を飼うほどでした。その犬は戦でも活躍し……」
1551年9月中旬酉の刻(午後5時)
上野国赤岩の渡し東方2町(200m)
官兵衛
「後藤の旦那。長柄隊列準備できやした」
舟から降りたときは3分割してあった3間半の長柄を組み立てて皆が持っている。
「おお。
者ども~前進!
目指すは地黄八幡・北条網成の首、ただ一つじゃ!
押し込め~~~い!! 」
応!!!!
いつもながら思うんだが、旦那と殿さんとどちらが声でかいんだろうな。
いつかは声比べ、聞いてみたいが。
後藤隊300。
小隊90が横一列となり、長柄で槍衾を布く。
それが3列。
後ろに弩弓や盾などを運ぶ予備隊30。
幸い、種子島が20丁ほど届いたが、5丁はずぶ濡れで使用するのは危険と置いて来た。
15丁が発射準備を整え終えている。
前列が激突した。
こちらの足軽は大胡胴と大胡笠を纏っている。
大胡胴の素材は殆どが藤蔦で、所々に鉄板が使われている。
(最近の物は藤蔦の上から紙や革で成形している)
特に前からの刺突と上から肩への斬撃に強くなるよう補強されている。
勿論長柄を使った、ぶっ叩き合戦の為の対策だぜ。
頭は、よそじゃあ普通の菅笠を使う。
たまに薄い鉄板を使うとこもあるが、重すぎるし中途半端な防御しかできんな。
長期戦には向かない。
首がもたん。
大胡笠は藤蔦で編んだものを真ん中から折り曲げ、横から見ると銀杏の葉のような形にしてある。
こうすると長柄が頭に当たるときの力が弱まる。
その流れた長柄は肩の補強された鉄の部分に当たる仕組みだ。
これで上からの斬撃で負傷する足軽がだいぶ減った。
今もその効果が目の前で繰り広げられている。
「叩けーい! 引ぇい! 叩けーい! 引ぇい! 」
「えいっ! 応! えいっ! 応! 」
旦那の号令で足軽がその長い長柄の重さを使い、敵方の足軽に穂先を叩きつけている。
こちらの穂先は届いているが、敵の穂先は届かないぜ。
3間半の長柄の真骨頂だな。
届くように無理に突っ込もうとしても、次の2列目の穂先が目の前に来るので、近づけねえだろ?
足元に転がる手負いは圧倒的に敵が多い。
「押せ~い!
押し込め~いっ!
今一歩じゃ、今一歩で地黄八幡の首に届く!!!! 」
向こうからも咆哮が聞こえるな。
「負けるな~押し返せ~!
我らには八幡大菩薩がついている!!
その力を見せつけよ!!!!
踏ん張るときは今ぞ!!!! 」
これは獣同士の咆哮じゃな。
さて、そろそろ獣の時間か?
用意をしよう。
「予備隊。
火縄と弩弓の用意できたか? 」
「できています! 」
「よし、後藤の旦那のすぐ後ろで構えい」
種子島15丁を7+8に分け横2列に並べる。
その前には弩弓15丁をやはり7+8丁で2列。
「旦那!用意できやした!! 」
「そうか!?ではいくぞい! 」
旦那が地に伏せる。
四つん這いだ。
右膝だけ地面につけている。
「旦那、発進!前方開けろ!!! 」
後藤の旦那の前、10名ほどが左右に分かれる。
その向こうにいる敵足軽へ向かい、旦那の背中越しに5間の距離での種子島2射と弩弓2射。
時間差を開けたのは、当たった敵が倒れてくれるのを待って、次の列に当たるようにだ。
発射音と共に、完全にぽっかりと旦那の前に道ができた。
さあ、旦那、任せたぜ。
俺は後ろを守るから、存分に暴れろや。
「うぉおおおおりゃぁああああ~~~!!!!!! 」
敵陣奥深くへ突っ込む旦那の後を追い、手槍に持ち替えた予備の30名を率いて左右の敵足軽を崩しつつ前進。
敵先鋒は精鋭だったらしいが、もう崩壊寸前だ。
捉えた!
敵の大将はもう旦那の目の前にいる!
同日同刻同場所
北条網成
重い!
一つ一つの打撃が岩の様じゃ。
儂も並みの武将相手なら瞬時に吹き飛ばせる力はあるが、こいつは……
細い木などその槍の一振りでへし折るくらいの力があるのか??
身体も儂よりも一回りは太く厚い。
いかぬ。
槍を持つ儂の手が痺れだした。
あの朱槍は中に鉄でも入っているのか?
見ていられなくなったのか、供回りの者が槍を付けるも即座に槍で斬り伏せられた。
槍の使い方もうまい。
割って入った供回りは己が身体に敵の武者が持つ槍を突き立たせ、手放させようとしたがそれを悟ったらしい。
「殿!後ろへ引きなされ!!
ここは某らが!!
大将は生き残らねば!!!!」
薄闇の中で崩れゆく先鋒の姿が見える。
目を逸らした隙に敵の朱槍が頭のあった所を薙ぎ払った。
ここは退くか。
退却の合図をしようとしたちょうどその時。
左足の膝裏に鋭い痛みが走る。
思わず足元に目を向けると、黒犬が牙をむいていた!?
!
こいつも敵の犬か!?
噂の太田の犬かもしれぬ。
石突きで追い払うも、その隙を相手が見逃すはずもない。
ゴォン!
という音とともに、儂の手から槍が吹き飛ばされた。
「殿、御免! 」
儂の体に体当たりをした側近が敵武者との間に入る。
その隙に後退。
玉縄衆に引けの合図を送る。
「逃げるか~?地黄八幡!!?? 首だけはおいてけぇ~い!! 」
側近の者は豪の者が揃っている。
その者たちを犠牲にして後退する。
が、左足がいう事を効かぬ。
足を引きずりながら20間(40m)ほど後ろにいるはずの中備えへ向けて歩く。
「足が痛むのか? 」
左から声を掛けられた。
戦場らしくない落ち着いた声。
「槍も失くしたか? では拙者も太刀のみで試合おう」
その人影は持っていた槍を横に置いた。
何をする?
その武者は6尺ある儂よりも上背は少なく体も瘦せ身だが、すごい威圧感だ。
スッと近づいてくる。
儂も愛用の大太刀を抜き放った。
「何奴!? 」
「大胡政賢家臣。上泉伊勢守信綱。北条網成どのの首、頂戴いたす」
儂は抜いた3尺余りの大太刀を右より横へと薙ぎ払う。
太刀は左へと「飛んだ」??
儂の右腕が柄を握ったまま!!
目の前が赤く染まるが、もう首筋に敵の太刀が迫ってくる気配がする。
右手でその刃を掴んで抗う。
しかし敵の右手が切っ先を首へと押し込んでいった。
「地黄八幡、北条網成が首!
上泉信綱が討ち取った!
我が方の勝戦じゃ!!!! 」
同日酉の刻(午後6時)
上泉秀胤
周りが墨を流したように徐々に闇へと変わっていく。
その薄暗い戦場の中、父の大声が聞こえた。
「地黄八幡の首! 討ち取った!! 」
何度も叫んでいる。
あの静かな闘気を纏った普段の父からは感じられない咆哮!
殿が来てから父は明るくなるとともに、明らかに戦を己の道として極めて行く姿を見ていたが、ここまでの気迫、初めて体感する。
「やったね、伊勢ちゃん。
たねちゃんのおとやんもやるねぇ~。
やはり剣聖だぁ~♪
お仁王と2人でつーとっぷ! 」
それもすべては2名をそこへたどり着かせる作戦を練った殿の頭があってこそだ。
「夜戦は、やらせん♪
たねちゃん、撤収よろしく~。
仮陣地できてるかなぁ」
佐竹殿が4刻かけて簡易ではあるが阻塞を作っていた。
主に地面に杭を3間程度の間を開けて打ち付け、その間を鉄の針金で結びつける。
高さは腰の高さと1尺余りの高さ。
長柄足軽はまず通れない。
これを赤岩の渡し場の周り東西を中心に張りつめた。
北は馬出しの様に、後藤殿と父の部隊が突出するために開いている。
その中に矢盾を廻らして矢合わせに対応している。
ここへ後藤隊・佐竹隊・上泉隊、600が入り守備する。
夜戦でもまずは混乱せずに堅固に守れるはずだ。
夜が明けるまでに、陣の外で起こることを予想してその後の対応を練ろう。
翌日巳の刻(午前10時)
上野国新田金山城下(現太田市)
矢沢綱頼
由良勢・佐野勢・太田勢そしてわが大胡勢。
この本隊のみがここに集結している。
他の部隊は各地に散らばり、北条方の残敵を掃討している。
川俣から上流には使える渡し舟はない。
北条の兵はもう逃げ場がない。
現在、城に入城せずに陣幕を張り、その中で4名の大将が2名の配下と共に座っている。
「婿殿!良き働き、感謝いたす!
楓もよい武人のもとに嫁げて喜んでいよう! 」
由良殿が手を叩いて喜んでいる。
佐野殿も目が優しい。
「勿体なきお言葉、かたじけなく。
それにしても皆様方、機を見るに敏。
撤退する北条勢の尻を見事に蹴っ飛ばしてくださった。
お蔭で生きておりまする。
太田殿、感謝いたす」
殿は太田殿に頭を下げる。
「何をおっしゃる。
敵殿は大胡勢の種子島の横槍で潰走したようなもの。
こちらこそ感謝いたす。
それにしてもあの種子島の数、落雷がいくつも落ちたときのような衝撃がありまするな。
あれは自分では喰らいたくはありませぬ」
太田殿は剽軽な身振り手振りで、種子島を撃つ真似などをして殿をおだてている。
「由良の義父上も種子島が好きであるとのこと。
太田殿もご興味がおありですかな?
使われまするか? 」
「それはもう!
あれは病みつきになりそうじゃ。
じゃが目の玉が飛び出るくらい高いそうな。
火薬もたくさんなければ訓練などできますまい。
ましてや、儂は今、宿無しじゃ。
宝の持ち腐れになるのう」
にこにこして太田殿を見ていた殿の目が光る。
「種子島の兵。欲しいですかな? 」
「……欲しいですな」
太田殿が犬歯を見せてにやりと笑う。
獰猛な犬のようじゃな。
先ほど見せてもろうた黒犬の飼い主だけある。
後藤殿の隊の者から聞いた話ではその犬が綱成の足に噛みついていたという。
「上げると言ったらどうします? 」
「欲しいですなぁ」
「大胡へ来ます?
お犬ちゃん連れて。
犬の放牧場も作っちゃうよ」
「!! 行き申すっ!!!! 」
獰猛な犬が可愛く吠えた。
それを聞いた殿が立ち上がり叫んだ。
「えすあーる武将、↓おっもちかえりぃ↑~~~~♪ 」
太田資正の軍用犬は連絡通信用だったようですが、そこはシュタイ〇ズゲートの選択発動。
襲撃もできます。
ただし敵の臭いを嗅がせないといけないので、相手の何か身に着けるものなどを入手しておかないとね。
網成への襲撃は、それを可能にした何かを入手していたことにしましょう!
SR武将がどうしても欲しかったんです。
大胡勢は4個中隊+鉄人隊で構成されます。
後藤・東雲・是政……あと一人必要なので今回は矢沢綱頼を連れて行きましたが、彼はやはり真田一族の軍団としていてほしい。
実はあともう一人、猛将が来ます。




