表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
首取り物語:北条・武田・上杉の草刈り場でザマァする  作者: 天のまにまに
橋の上のホラティウス大胡ばーじょんだゾ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

212/262

【橋上・3】徹甲弾?



 2009年日本金属類研究所リニューアルサイト


「タングステンは今後、様々な用途に使われる可能性を秘めたレアメタルです。日本では主に山口県で取れますが融点が金属の中でも非常に高いため、20世紀初頭から始めてプロイセン軍が多用した対戦車砲弾の弾芯として使われました。


 日本ではそれに遅れましたが対戦車用の徹甲弾の開発は急速な進展を見せました。これは20年前に見つかった国父政賢公の業績である徹甲弾開発を細々と行っていた結果であり……」





 1559年4月下旬

 上野国下仁田西次郎橋北

 小西行永(商人の方が向いている名前だけど腕のいい狙撃手)




 夜が明けてから直ぐに銃撃戦が始まった。

 次郎橋を挟んでの銃撃戦だ。こちらはあらかじめ作っておいた要害の土塁が使える。左右の好位置から十字砲火を加えられる。武田の矢盾の後ろにいる兵も狙い撃ちできる。


 左右の尾根に武田の狙撃兵が腰を据えやがったな。こっちへ弾が飛んでくる。あそこにはこっちの狙撃手が根を生やすはずだったんだがなぁ。なにせ人手が足りん。

 あそこならこっちから丸見えだから狙えないこともないが、楓2号は精度が落ちるんだよなぁ。

 8匁の反動がすごすぎるので普通の狙撃は出来ねぇ。


「おい。誰か動ける手負いの奴。こっちへ来てくれや。肩を借りてぇ」


 後ろで弾込めをしている奴は皆手負いだ。動くのがやっとだがもう手が足りん。仕方あるまい。

 それに普通に立っての弾込めもできん。何でこうも条件が悪いんだよ。用意できた胸壁は高さ半間程膝をついての射撃くらいしかできん。


 それもあの尾根からの射撃には意味がないから倒すしかないな。

 後ろから這って寄って来た奴の肩に重い楓式2号を乗せてしっかりと持たせて固定する。よし、照準があった。


 がぅん!


 当たったな。腕が千切れたらしい。血飛沫が舞う。俺も何時かはああなるんだろうなぁ。でもそれは今じゃねぇ。

 手負いのものを下がらせ、再び十字砲火の真ん中で一人だけ橋の真正面から射撃する体勢に入る。


 ここで俺だけ敵の矢盾を奪うために《《矢盾の向こうの兵》》を倒す。楓2号は銃身が非常に堅牢だ。それに鉄と鉛の弾を込め、普通の1.5倍の火薬を込めて矢盾ごと敵兵を貫通させる。これを先程から何度やったか。

 この鉄弾。もう残りすくねぇ。鉄の弾の中に鉛が仕込むとか、いったいどうやって作ったんだか。普通の鉄よりも重いみたいだ。



 やっと敵兵が橋を渡るのを一時中断した。


 ここからだな。

 次郎橋は長さ約5間(10m)。


 ここを多分3枚の矢盾で3方向を防ぎながら押して来るに違いない。あんな重い奴よくやるな。だがそれくらいしかここを通る手立てはない。


 これからあの3枚の矢盾の内、1枚くらいは貰ってくる。勿論、只でくれるわけがないからお代は銃弾だよ。それも特別製だ。


 俺は目の前の矢盾が2間以内に来るまで引き寄せてから楓2号をぶっ放す。凄い反動と共に鉄の弾が武田の鉄張り矢盾を突き抜けて向こうにいる、多分2人を殺ったはずだ。

 正面と右の矢盾が傾いだ。左手は中隊長が同じく矢盾ごと敵を貫いた。


 お。

 うまい具合だな。

 3枚がお互いを支え合って立っていやがる。突入隊員にハンドサインを送り、その矢盾の回収を指示する。1枚で敵の弾を防ぎながら後退してくる。


 ははは。

 こうもうまくいくとは思わなかったぜ。しかもさらに向こうには仕寄りの邪魔になりそうなモノ。貫かれた矢盾ともう動かない躯が山となっている。


 さて次はどんな手で来るかな?





 1刻後

 秋山虎繁(どうも信友って書いた方がわかりやすい)



 大した被害はない。 

 が、突破できん。

 彼奴ら、本当に200人いない程度の備えなのか? 既に1日半、徹底抗戦している。そこかしこに罠が仕掛けられている故、下手に足軽を進ませるととんでもないことになる。


 御屋形様から督戦の檄が飛んで来たが、何か策があるというわけでもない。ごり押ししかないのか? 兵を休ませずに攻めているのも少しは効いているだろう。

 ここは少々、趣向を変えて言葉合戦でもしてみるか。

 儂が直接罵詈雑言をするために前に出る。



「そこの大胡の脱走兵! さっさと下仁田城を守備せんか? 早くせんと下仁田城が落とされるぞ! ああ、もうあそこは武田の旗が翻っておるのぅ。帰るところはないのか。かわいそうじゃなぁ! 大胡の左中弁とやらは助けに来んのか!?」


 この程度に引っかかるやつらではあるまいが、大胡の連中は政賢の悪口は顔色を変えて怒り出すというからそこを突いてみるか。


「政賢という小男。ここだけの秘密だけじゃがの、今でも一人で厠へ行けぬそうじゃ。決して誰にも言うてはならぬぞ! 秘密じゃぞ~~~!」


 武田のものがゲラゲラ笑う。

 大胡の奴らは反応せんな。


「政賢という童みたいな奴。25にも関わらず11,12の側室を囲ったとか。ヘンタイじゃのう!」


 まだだめか。

 ではこれはどうじゃ。


「政賢の正室とやらは、実は石女(うまずめ)なのではないかの? 世継ぎの後が産まれん。きっと世継ぎとやらの種が別の男……」


 ずが~~~~~~ん!!!!!!


 儂の兜の(しころ)に大穴が開いた。流石に驚いたがこの程度でびくびくしていては武田の部将は務まらぬ。

 馬廻りは「お下がりください」と叫んであるが、ここが先途ぞ。


「おお。これは誠であったか。失礼仕った。此度の戦も左中弁殿は間男が怖くて前線へ出てこれぬかな? 

 どうじゃこのままここで朽ち果てるか? そちらはもう何人も残っておるまい。今度の仕寄りでこの橋を渡るぞ。橋を落としてもこの程度の吊り橋、直ぐにかけ直せようて。降参せい。悪いようにはせぬ故」



 少し間が開いた。

 これは効いたのか?


 そして、橋の向こうから返事が返ってきた。


「有難し。時間が稼げた。

 矢盾も贈呈されたとあればここは全滅しても通さぬ。橋を落とせぃ! ここからは銃撃戦よ。やっと大胡の力を見せる時が来た。覚悟せい!


 俺ら大胡の兵。死ぬまで戦ってやる!

 永遠にだ。永遠に大胡を守る。

 そして平和を作り出す。

 それだけが望みだ。政賢様から一介の赤子まで。全ての望みが平和ぞ!


 だから俺一人になってもここは通さぬ。

 覚悟せい!


 大胡国民軍を舐めるな!!」



 ……逆効果であったらしい。

 

 橋がミシリと音を立てた後、向こう側から橋を吊っていた縄が切られた。向こうからの銃撃が止むまで、橋をかけ直すことは無理じゃ。


 途中まで鉄砲を使っていなかったことからすると、どこかから補給されてきたか。


 その道を探らせるしかあるまい。

 いずれにせよ、銃撃戦で今日は明け暮れるであろう。敵に幾枚か矢盾を持って行かれた。尾根からの射撃を遮るために使うらしい。


 向こうの鉄砲は10間以上離れていても鉄張りの矢盾を貫通する。二枚重ねで何とかするしかあるまい。


 全く、次から次へと新たな、厄介な兵器を出してくるものよ、大胡という奴らは。

 戦でこれだけ人死にを出しとりながら平和だと? 何を考えておるか分からぬ。それ故に滅ぼさねばならぬな。


 儂は抜け道、特に獣道を探させることにした。左手の尾根沿いに行けば川を超えられるところもあろう。今はそれに賭けるしかあるまい。






「タングステン弾芯」

は今の所、最強?

最近のこと知らなくて。

ああ、劣化ウラン弾というものがあった(T_T)

あれ、まだ使っているんですか? 戦場がずっと住めなくなる……


比重は鉛よりも大きいから使えるけど融点が高すぎる。

加工も大変。


「鉄の中に鉛」


本来ならば真鍮か何かにするんだろうけど、今回はこっちで。その内ライフリングが出来るようになれば丸弾でライフル銃出てきそう。もうほとんどの技術が19世紀前半だからなぁ。



「大胡は平和を守るために戦う」


まあ今は自衛戦争だからね。祖国防衛戦争は強い。

これが侵略戦争だと士気を保つのには略奪になるんですよね、普通は。ここを政賢はどうするのか?



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ