第190話までのあらすじ
館林南の渡し場と八斗島の渡し場のちょうど中間地点。赤岩の渡し場にある河岸を利用して越後揚北衆の一人、安田長秀の手勢2000が上陸。南下して別府城の東に布陣する東雲竜騎兵旅団第4大隊を包囲にかかる。
東からは上杉の本隊。
西からは上陸して来た2000。
計7000以上の包囲下に置かれた約1000名の竜騎兵たち。
大隊長、高崎権兵衛は竜騎兵らしくない鈍重さを持っていた。しかし粘り腰の指揮官でもある。顔は百姓面であるが……。周りのイケメン中隊長ばかりに囲まれて、最前線の最前列に仁王立ちする権兵衛。
方陣を敷き4方向からの攻撃の備える第4大隊。
試作品である騎兵砲を四隅に置き、幾重にも銃列を並べての応戦。しかし投石や火炎壺による攻撃の隙に突入してくる敵を追い払う事で精一杯。
そこへ戦局を一気に覆す作戦を安田がとった。緩やかな南風を利用した白煙による煙幕。これに隠れて一気に方陣を突き崩す。
乱戦となり今にも全滅寸前になった時。南から大胡の鉄砲隊の発射音。
援軍だ。
珍しく旗印が立っている。
薄い青の桔梗紋。明智光秀の救援隊であった。
その射撃で安田勢は壊乱。回り込んできた大熊勢も押し返して、包囲を解くことに成功する。
しかし。
その乱射の弾丸は高崎の右腕の骨と肉を深くえぐり取っていた。
「殿。拙僧は以前、修行していた足利学校にて偽書であると認定されていた書を見つけたことがござる」
「なぁに? 智円のにーちゃん。危険な禁書?」
「いえ。危険性はない……いえ、ありまするな。気の良い狐を間違えて火縄銃で撃ち殺すと祟りが起きるという伝説でありました。これを童に読み聞かせるとは危険極まりない!」
「う~ん。大分、シュタイ〇ズ・ゲートが活躍しているみたいだぬん」