【配置・1】初期配置は大事です
2015年11月30日:アスゲー新規発売ゲーム特設ページ
【特集:AIゲーム】
「12月14日老舗コーゲーより発売。ランペルール21C。20世紀史上最難度と言われるシナリオが帰ってくる! ナポレオンのAIを育成しつつ戦場を駆け抜けろ! 配下の軍人にも全て隠し個性が存在する。これらを駆使しつつ軍を鼓舞できる英雄となれ。プレイヤーがナポレオンになった没入感を出すための仕組み満載。今だVRMMO技術の開発がとん挫したままのゲーム界に新風を吹き込むことが出来るか注目を集めている……」
1559年4月中旬
那和城松の間
上泉秀胤
殿が頭巾を被っていらっしゃる。
松の間で開かれる大評定。大胡包囲網と名付けられた窮地を脱するための戦。その戦評定である。戦評定にも拘わらず内政担当のものまで出席している。
そして皆の顔が怒りに満ちている。いつも冷静で顔に感情を表さない東雲殿や石堂殿、父上は顔には出さぬものの、ここまで怒りの気が届くのがわかる。
殿の頭巾。皆、鎌倉で何が起きていたのかを改めて確認したのだ。白粉で隠しているが、それでも隠せない故に頭巾を被っているという事で既にどれほどの事が起きたか分かる。
殿は御簾を用意しろと仰った。しかし早々にそのような物をすぐに用意することは出来ない。仕方なく頭巾を被ることになった。顔を全部晒すとまだ白粉で隠せない痣。あまりにも印象が強すぎると配慮した結果であった。
「ではこれより対大胡包囲網を如何様に食い破るかを評定に掛けるよ」
殿の合図で近習が殿の後ろへ2畳もあろうかという作戦地図を配置した。
「じゃあ、たねちゃん、よろしく~」
某が説明することにした。もう内気などとは言っていられぬ。生きるか死ぬかだ。父上も気合を入れろと目線で言ってくる。
「……コ、ホンッ……あー、現在大胡は四方に敵を抱えております。経済的な敵に対しては後ほど。
まずは上杉。推計120万石と生産物の販売による収入があります。これにより端境期ならば30000程度の動員が可能。もうすぐ田植えと荒起しで一般的には20000が精いっぱいでしょう。しかも政虎が既に8000を坂東に連れてきております。今後後先考えずの動員をすれば別ですが12000程度が越山してくる可能性があります。もしも武田との連携がなされれば碓井を攻めることもありうるかと。
上杉についての情報をお持ちの方は付け足しをお願い申す」
諜報については真田幸綱殿が詳しい。後はお任せする。
「現在掴んでいる上杉の軍備。政虎の本隊は精鋭からなりますが鉄砲隊がおりませぬ。これをどう捉えるか。現在推計1200の鉄砲を保有しております。その内約半数は大胡製です。火薬の量は確とは分かりませぬが、2~3会戦は全力で戦えましょう。
鉄砲隊は春日山に集結しておりまする。動員も既になされており何時でも越山が可能。鳥居峠や草津・万座から越山してくる道も整備されておりまする。清水峠よりもこちらの方が越山しやすいかと。春日山から近い故」
真田幸綱殿は一息ついて続けた。
「危うく険悪になりかけた越前朝倉とは、既に公方を通して手打ちを済ませており、加賀南部には守備勢はおらず越中加賀の各地に治安維持のための兵を置いているのみ。全兵力がこちらへ向かって来るものかと。
軒猿はこちらで押さえております。草が大胡に紛れ込んでおりますが今、あぶり出しを公安部の権左衛門殿にお任せいたしておりまする」
公安部とは、巡査とは別に内務省直属として防諜専門の機関だ。陰鬱な仕事だが必要悪でもある。草のあぶり出し。内応の可能性のある者を内偵する仕事である。
真田幸綱殿が「これにて」との合図を某に送ってきた。
真田殿の背後にいる石堂殿の横に座る、灰色の男》も拳を床につけて深々と礼をとった。この者が内務の長か。石堂殿もそうだが目立たぬことが大事な任務故、皆灰色に見えるのは大事なのであろう。
某も灰色になりたい。参謀と言うものは目立たなくてもいいと思って気楽でいたのであるが……、コホン。
「上杉1200も鉄砲集めたんかい!?」
「灰色の男って、やっぱりフーシェみたいなやつ?」
「内務省は強権握るからこえ~ぞ」
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