第17話までのあらすじ
大胡は松風の指示により動き始めた。
ここへ来る前に既に3年間、稼いだ銭で様々な実験を行い、人財もある程度集めて来ていた。その中にはサンカと呼ばれる漂泊の民もいた。この人々は後々まで大胡の勢力拡張に重要な役割を果たしていく。
銭は大量に入手したが、問題はその銭を有効に使って技術を進歩させ、産業を興し、教育を施す。その拡大再生産のサイクルを巻き起こす必要がある。
そのために多くの人材を必要とするが、そう簡単に人材をスカウトできるはずがない。だからその人材を「育成する」ことの重点を置くことになる。遠大な計画であるが松風は頓着しない。何故なら彼の夢はその遠大な先にあるのだから……
銭を大量にばら撒きインフレを起こす。その銭目当てに人が集まり土木を始めとした産業が新興し好景気となる。そしてその産業と技術を元とした基盤の違った軍備=常備軍が活躍する時期が近づいて来たのだった。
家臣たちの長所を生かして4種の備えを構成する。
一つは後藤透徹の突撃力重視型の備え。
一つは大胡是政の中距離長柄中心型の備え。
一つは東雲尚政の奇策急襲型の備え。
今一つは佐竹義厚の重装甲型の備え。
上泉伊勢守は斬り込み隊兼親衛隊。
それぞれがその長所を生かした戦い方を訓練した常備軍を形成していった。