クリム、行く場所を決める
その日、ギルド明訪成功のギルドホーム、スカーレットゲイブルズにはマイン、ミト、クリム、エミ、サン、ミイ、そして野々乃の7人がいた。
クリム、エミ、サンは、今日は何をするかを話し合っている。
一方、マイン、ミト、ミイ、野々乃は雑談をしており、今日何するかの話し合いは、完全にクリム達に任せていた。
「どこか行きたいとこあります?」
クリムはエミとサンに対し、そう問いかける。
「そういえば、大吉が東の遺跡に行きたいって言ってたな」
サンはクリムの問いに対し、思い出したようにそう答える。
「確か、分身スキルがゲットできるからって言ってた。まあ、そこに行くとしたら、大吉君がいる時かな」
エミも大吉の話を聞いていたようだ。しかし、今回はその場所には行くべきではないという。
すると、それを聞いたサンは何か考える素振りを見せる。他の場所を探しているのだろう。
「うーん、じゃあ、南の森はどうかな。なんか、掲示板で、正体不明の美少女がいるって書いてあったんだよね」
「正体不明の美少女? なんですか、それ?」
クリムにとって、サンの言う美少女は初耳だ。
「いやなんか、ひたすらに読書する美少女だってさ。話しかけても基本無視で、しつこく話しかけると、偶に毒舌を吐くんだって」
「何それ? プレイヤーですか?」
クリムは意味がわからない。今聞いたサンの言葉だけでは確実に情報が足りない。
「いや、キャラ情報は非公開みたいで何もわからないらしいんだ。でも、24時間ずっとそこにいるらしいから、なんかのイベントキャラかもだってさ」
「へー、隠しイベントのキャラなんですかね? だとしたら、そのイベントはまだクリアされていないってことなんですかね。まあ、1回きりのイベントではない可能性もありますが……」
「うーん、どうなんだろ。でも、複数人に目撃されてはいるみたいだけど、まだそんなにも知られてない話みたいだから、たぶんクリアはされてないと思うけど……まあ、ホントにイベントキャラかどうかもわからないんだけどね」
「へー、じゃあ、そこ行ってみます?」
今聞いた情報だけではよくわからないが、現地に行けば何かわかるかもしれない。よって、クリムはそこに行くのも有りかも知れないと考える。
「でも、そこって、今のところは美少女がいるってだけなんだよね?」
しかし、そこでエミがそう尋ねる。そこへ行く他のメリットを知りたいのだろう。
「まあ、そこにイベントがあるかどうかもわかってないから、今のところはそうだな」
「うーん、美少女を見に行くためだけに、皆を連れて行くってのはちょっとねー」
エミはそこに行くのも反対のようだ。まあ、全員がその美少女に興味を持つかも不明なので、その考えも当然なのかも知れない。
「まあ、確かにそうですね。じゃあ、他の場所にしますか」
よって、クリムは他の場所を考えることにする。
「……他の場所か……有名な所といえば……そうだな、サファイアドラゴンの滝とかアクアマリンドラゴンの丘、アメシストドラゴンの森あたりは有名だけどな」
すると、サンは候補として第1階層で有名な場所、3か所を上げる。
「いや、でも流石にそこは……サファイヤドラゴンとかは、第7階層級のプレイヤーが挑むモンスターでしょ。僕たちが行ったところで勝てないよ」
だが、エミはそう指摘する。
その場所は第1階層にあるものの第1階層級のプレイヤーには到底クリアできないエリアだ。
ASOには幾つもそんなエリアがあるのだ。恐らくは、上級プレイヤーが第7階層だけに集まるというのを避ける為なのだろう。
「確かに勝てないですね。でも偶にはいいかも知れませんよ、勝てない相手にみんなで挑むというのも」
しかし、クリムは例えクリアできなくとも挑戦して良いという考えだ。
「ああ、第7階層級のボスが第1階層にいてくれてるんだ。1回くらい見ておくのもいいかもな」
すると、サンもそれに同意する。
「じゃあ、そうする? でも、だとしたらどれにする。サファイアドラゴンかアクアマリンドラゴン、それともアメシストドラゴン?」
2人が良いならそれでも良いと思ったのだろう。エミはそう口にする。
「うーん、じゃんけんで決めるか。俺が勝ったらサファイアドラゴン、クリムが勝ったらアクアマリンドラゴン、エミが勝ったらアメシストドラゴン。これでどうだろう」
「じゃあそうしますか」
「わかりました。じゃあ、じゃんけんで」
すると、サンの提案にエミとクリムは乗り、3人はじゃんけんをする。
そして、その結果、サンが勝利し、クリム達は、サファイアドラゴンの滝へ向かうことに決まったのだった。
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【エミ】
称号 :ブロンズシンガー
種族 :エルフ[人間種]♀
職業 :歌手[Lv.2]
踊り子[Lv.1]
Lv :19
HP :213/213
MP :195/195
力 :17(+10)
魔力 :43
素早さ :129
防御力 :31(+33)
魔法耐性:32(+31)
運 :74
魔法 :ヒール[Lv.1][治:MP3消費]
スキル :フェアリーボイス[Lv.3]
エンジェルボイス[Lv.1]
ミスティックボイス[Lv.2]
ファンタスティックボイス[Lv.1]
ファイアダンス[Lv.1][火]
アイスダンス[Lv.1][水]
弱点 :なし
装備 :白銀のナイフ
白銀のマイク
輝きのカーディガン
輝きのミニワンピース
漆黒のロングパンツ
漆黒のベルト
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【サン】
称号 :青銅闘士
種族 :人間[人間種]♂
職業 :重戦士[Lv.2]
剣闘士[Lv.1]
Lv :21
HP :510/510
MP :73/73
力 :119(+102)
魔力 :20
素早さ :77
防御力 :93(+63)
魔法耐性:60(+54)
運 :20
魔法 :なし
スキル :破壊撃[Lv.3]
重壊撃[Lv.2]
重壊波[Lv.2]
無音撃[Lv.1]
スラッシュ[Lv.2]
連撃剣[Lv.1]
激烈剣[Lv.1]
弱点 :なし
装備 :漆黒の大剣
白銀の鎧
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