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マイン、ゴブリンと遭遇する

 マインはミト、大吉、クリム、シン、ミイと共に林を歩いていた。胸にはリンゴリス子を抱いている。

 今回の目的は、ミイのレベル上げと、装備を変更したメンバーの試し斬りや動きやすさの確認である。




「モンスター出てこないな」


 シンはぼそりとそう呟く。林に入ってまだ数分しかたっていないのだが、遭遇する時には林に入った瞬間に遭遇するので、思わずそう口にしたのだろう。


「そうだねー。ここは出てくる時は大量に出てくるんだけど、出てこない時はホント出てこないんだよね」


 クリムはそんなシンの呟きに丁寧にそう答える。それに対しシンは、頷くことで返事をする。

 そしてマインも「へー、うん、そうなんですね」と相槌を打つ。

 しかし、マインの視線はミトの方を向いており、クリムの言葉をきちんと聞いていたわけでは無い。心の中では、


(ミトちゃんとミイちゃんずっと一緒だけど、ミイちゃんはミトちゃん以外の人とも喋った方が良いんじゃないかな)


 なんてことを考えている。

 しかし、マインもミイが人見知りであることは理解しており、それを口に出そうとは思わない。

 とはいえ、その会話内容は気になる。よって、2人の会話に聞き耳を立ててしまう。


「へー、そうなんだね」


「そうなんだよ」


(……何だかなれなれしいな)


 友達同士なのだから、馴れ馴れしいということは無いのだが、何故かマインはそう思ってしまう。

 正直なところ、マインも2人の会話に加わりたい。だが、なかなかそれもできないのだ。


(何だかなー)


 マインは思わずため息をつく。

 マインはもやもやしながらも会話に加わる機会をうかがう。


「あのね、ミトの趣味は何なの?」


 するとその時、ミイはそう口にする。

 マインはその言葉を聞き、(呼び捨てとは馴れ馴れしい)(まだ趣味も知らないんだ)などという思いが渦巻くが、それ以上に(今だ!)という気持ちが前面に押し出され、2人の会話に割り込んでいく。


「ミトちゃんは本を読むのが好きなんだよ。ね、ミトちゃん」


 マインはそう言い、ミトの方を見つめる。。

 すると、それを聞いたミトはマインの方に振り向き、「うん、そうだね」と言う。

 しかし、直ぐにミイの方へ向き直り、「ミイは好きな本とかあるの?」と尋ねる。

 マインにとって、ミトのその反応は面白いものではない。

 一方のミイは、ミトの質問について考えているようだ。


「猫型ロボットの漫画が好きだな」


 そして、好きな本を思いついたのか、そう答える。


(いや、うん、漫画じゃん!!)


 マインはミイの返答に、心の中でそう突っ込みを入れる。


「ああ確か、未来世界の少年が、今の自分の貧しい境遇が気に入らず、その境遇をご先祖様のせいにして…………ええと、それで、そのご先祖様に猫型ロボットをタイムマシンで送り付けるってやつだよね。

 あっ、そして、そのご先祖様の結婚相手を猫型ロボットを使って変えさせて…………それで、自分の境遇を自動的に変えようというぶっ飛んだ話だったよね」


 ミトもその漫画のことは知っていたようだ。


(いや、何その捻くれた捉え方!!)


 しかし、ミトのその説明は明らかにおかしい。その漫画は、『猫型ロボットが勉強と運動が苦手な少年に、未来の道具で手助けをする』というもっとまともな話だったはずだ。


「うん、そうそう、そういう話。そのぶっ飛んだところが面白いの」


 ところが、ミイはそう肯定する。どう考えても否定するはずのところで……。


(何でそこで肯定するのよ!!)


 よって、またもやマインは心の中で突っ込みを入れる。


(あれを肯定するなんてイエスマンなの? それとも感覚がおかしいの? 何なのよもう!)


 別に苛つくことでもないのだが、何故かマインはそう思ってしまう。

 すると、その時、突然シンが声を上げる。


「うわっ、いっぱい出てきた」


 マインはその声を聞き、シンの視線の先に目を向ける。

 ……そこにいたのは、大量のゴブリンとリザードマンだった。恐らく20体以上はいるのではないだろうか。


「どうして急にあんなにたくさん」


 ミトは驚いた様子でそう口にする。ミイはミトの後ろに隠れ、その裾を掴んでいる。


「たぶん、木の陰とかに隠れてたんじゃないかな」


 大吉はミトの言葉にそう答える。


「皆、気を付けて。リザードマンはかなり強いから」


 クリムは皆にそう注意を促す。

 マインはクリムのその言葉を聞き、「ごくり」とつばを飲み込む。


(うわ、ホントに強そう)


 ゴブリンもリザードマンも手には剣や斧を持っており、その体つきからして、とても強そうに見える。


(でも、皆もいるし大丈夫なはず)


 マインはリンゴリス子を地面に下ろし、そして、身構える。

 そして、マイン達とゴブリンにリザードマン、お互いにじりじりと近づいていき、


『ビシュッ』


 と、シンの放った矢を皮切りにバトルはスタートするのだった。



――――――――――――――――――――

【シン】

称号  :ブロンズハンター

種族  :エルフ[人間種]♂

職業  :狩人ハンター[Lv.2]

     狙撃手スナイパー[Lv.1]

Lv   :21

HP   :448/448

MP   :103/103


力   :63(+13)

魔力  :24

素早さ :152(+82)

防御力 :61(+51)

魔法耐性:59(+41)

運   :51


魔法  :エアアロー[Lv.3][風:MP10消費]

     ウィンドアロー[Lv.2][風:MP11消費]

スキル :ウィンドシャワー[Lv.3][風]

     連射[Lv.1]

     連弾[Lv.1]

弱点  :なし


装備  :疾風の弓

     銀の胸当て

     グリーンパンツ

     ブラックマント

     ブラウンベルト

――――――――――――――――――――



――――――――――――――――――――

【ミイ】

称号  :ASOビギナー

種族  :人間[人間種]♀

職業  :槍士[Lv.1]

Lv   :3

HP   :62/62

MP   :22/22


力   :38(+83)

魔力  :10

素早さ :27

防御力 :12(+31)

魔法耐性:10(+14)

運   :18


魔法  :なし

スキル :連撃槍[Lv.1]

弱点  :なし


装備  :白銀の槍

     黄桃の胸当て

     白桃のミニワンピース

     黄桃のロングパンツ

     白銀のベルト

――――――――――――――――――――


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