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マイン、シアンと友達になる

「えっ?どうなったの?」


 激しい光、叫び声、それは一瞬の出来事でマインは現状が把握できていなかった。


「あちきが粗方やっつけたニャン。残るはそこの女の子だけニャン」


 そんなマインの質問に、タマコはマインの隣にいる小さな少女に視線を向け、そう答える。

 その少女も現状を把握できていないのか、ボーっとした表情をしている。


「あっ、そうなんだ。うん、何というか、流石だね」


「まあ、これ位は余裕だニャン。それで、そっちの娘はどうするニャン?」


 マインの言葉にタマコはそう質問を返す。

 すると、少女は身体をビクッと振るわせる。身体が小さいこともありその姿はまるで小動物のようだ。その小ささはタマコより更に小さい完全な子供である。


「うん、えっと」


 マインがそう口を開くと、少女はびくついた瞳でマインを窺うように見てくる。


(流石に、うん、この娘と戦うのはないよね。さっきまで話してた相手だし……この娘が戦いたいって言うんならそうするけど、そうは見えないし……)


 マインはそんな少女を見てそう思う。


「私としては、うん、もう戦いたくはないけど……」


 少女はそれを聞き、ホッとした表情に変わる。


「でもそれだと、後、20分近くここで待たないといけないニャンよ」


 すると、少女はまた不安そうにする。

 マインはそんな少女に質問する。


「えっと、それで、あなたはどうかな?」


 すると、少女はまたもやビクッとし、「私ですか?」と言う。

 マインがそれに頷くと少女はおずおずと口を開く。


「あの、1人だけになった方がメダル沢山貰えるから、そうした方が良いんじゃないかと」


 それはマインにとって意外な言葉だった。なのでマインはそれにどう答えるべきか考える。

 しかし、マインが答えを見つけるよりも早く、タマコが口を開く。


「あんたは、あちきに勝てると思ってるのかニャン」


 少女は首を何度も横に振る。


「そんなことはないです。……勝てるとは思ってないけど、だけど、時間をとらせちゃうのも悪いし、報酬が少なくなっちゃうのも悪いし……」


 なるほど、少女はマイン達に気を遣ってそう言ったようだ。何とも可愛い娘である。


「そんなこと気にしなくていいよ。時間までお喋りしてればいいんだし、うん、私はお喋り大好きだしね。喋り足りないと思ってたんだ。それとも、あなたは何か急いでたりするのかな?」


「あっ、いえ、急いではいないです」


「だったら時間までお喋りしてましょ」


「えっと、でも……」


 それでもまだ、少女の中に何か引っかかるものがあるようだ。彼女は首を縦に振らない。


「うーん、じゃあ、もしこの中であなたが1番強かったなら、私たちをやっつけてメダルを独り占めしようと考える?」


「えっ?それは……やり辛いですね」


「だったら、私たちも一緒だよ。だから時間までお話ししよ。うん、私、あなたといろいろお話したいし、ね」


 少女は少し考える。そして、やっとのことで踏ん切りがついたようだ。


「はい、わかりました。……それでは、お願いします」


 少女はとうとうそう口にする。そんな彼女の表情は恥ずかしそうな、照れているような、それでいて嬉しそうな、そんな感じだった。




◇◇◇◇◇




 マインとタマコは少女と幾つかの話をした。少女のこと、マインのこと、タマコがテイムモンスターであるという事などだ。


 少女は小人の魔法使いで『シアン』という名前だそうだ。マインは彼女のことを人間と思っていたので一瞬驚いたのだが、「それで小さいんだ」と直ぐに納得していた。ちなみに彼女の現実リアルは12歳の女の子だそうだ。

 また、シアンはタマコがテイムモンスターであることに非常に驚いていた。


 ……そのような話で盛り上がったマインとシアンは、お互いフレンド登録をするまでの仲になっていた。




◇◇◇◇◇




 20分の時間が経ち、奥の扉が開く。

 マイン達はその扉の奥へと進み、その部屋にある宝箱を開けた。

 そこには、先程の部屋の張り紙に書かれてあった通り、300メダルが入っていた。

 マインはそれをきっちり2等分し、片方は自分が、もう片方はシアンに渡す。

 シアンはこんなにもらえないと遠慮していたのだが、そこはマインは譲らず、きっちり2等分することになったのだ。

 マインは手に入れた150メダルをアイテムボックスに収納する。するとその瞬間、マイン達の目前に高さ1メートルほどの赤透明の仮想タッチパネルが現れた。



―――――――――――――――――――――――

仲良しボーナス


以下より1人につき1点

アイテムをお選びいただけます


①火の盾

 (主な効果:火属性ダメージ軽減)

②火の鎧

 (主な効果:火属性ダメージ軽減)

③火の法衣

 (主な効果:火属性ダメージ軽減)

④火のローブ

 (主な効果:火属性ダメージ軽減)

⑤火のポンチョ

 (主な効果:火属性ダメージ軽減)

⑥火のワンピース

 (主な効果:火属性ダメージ軽減)

⑦火の胸当て

 (主な効果:火属性ダメージ軽減)

⑧火の剣

 (主な効果:物理攻撃火属性付与)

⑨火の刀

 (主な効果:物理攻撃火属性付与)

⑩火の長刀

 (主な効果:物理攻撃火属性付与)

⑪火の槍

 (主な効果:物理攻撃火属性付与)

⑫火の弓

 (主な効果:物理攻撃火属性付与)

⑬火の斧

 (主な効果:物理攻撃火属性付与)

⑭火のハンマー

 (主な効果:物理攻撃火属性付与)

⑮ファイアバードの召喚石

 (主な効果:召喚中、火属性ダメージ半減)

⑯ファイアボールの杖

 (主な効果:MP消費なしでファイアボールの

                   使用可)

⑰火のマイク

 (主な効果:???)

⑱火の棒

 (主な効果:???)

⑲火の水着(男用)

 (主な効果:???)

⑳聖なるマッチ

 (主な効果:???)

―――――――――――――――――――――――



「ボーナスだって、ラッキーだね」

「はい、ラッキーです」


 マインとシアンはそのタッチパネルを見てそう喜ぶ。


「うーん、どれがいいかな」

「うーん」


 マインとシアンは悩む。しかし、悩んだのは僅かな間だけで直ぐに欲しいものは決まった。


「これにする」

「これが良いです」


 そうして、ボーナスアイテムを手に入れたマイン達はそれをアイテムボックスにしまい、そして、「じゃあ、行こっか」と屋敷を後にするのだった。


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