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ルビードラゴン、グルグル回る

 スタドラとダイヤモンドドラゴンは確実にルビードラゴンを追い詰めていった。

 ルビードラゴンがスタドラを攻撃しようとすると、横からダイヤモンドドラゴンが攻撃し、また、ダイヤモンドドラゴンが攻撃されそうになると、スタドラがルビードラゴンを攻撃するということが繰り返されていた。


「これは、うん、いけるね」


 マインはそんな戦いを見て、自分たちの勝利をほぼ確信していた。


「時間の問題ですね」


「そうだね」


「勝てるね」


 シアン、ミイ、ミトも勝てると考えているようで、次々にそんなことを口にしていった。

 実際、ルビードラゴンの動きはどんどん鈍くなってきており、傷の量もスタドラやダイヤモンドドラゴンよりも多くなっているのだから、勝ちを確信するのも当然だろう。


「うーん、勝つのにどれくらいの時間かかるかな……」


 ミトなどは、勝つまでの時間を気にするほどだ。

 マインはそんなミトの疑問には適当な言葉で返す。


「……もうちょっと、かかるんじゃないかな……」


 ……まあ、マインにはどれくらいかかるかなどわかるはずもないので、適当な返事も仕方ない……。

 すると、その時、急にルビードラゴンが攻撃の手を止め、スタドラやダイヤモンドドラゴンがいない方向へと体の向きを変えた。


「んっ?」


 マインはその様子を少し不思議に思いながら見ていた。


「んんっ?」


 ルビードラゴンはそのまま、羽ばたいてスタドラたちから遠ざかっていく。


「あっ……逃げた……」


 それは、明らかにスタドラたちから逃げている、そんな姿だった。

 すると、スタドラとダイヤモンドドラゴンは直ぐにその後を追う。


「えっ?」


「ボスなのに逃げるの?」


 シアンとミイはそんなドラゴンたちを見て、あっけにとられた表情をする。


「ん?」


 ……しかし、マインはルビードラゴンの様子を見て更に不思議に思う。


「……あれって、逃げてるの……?」


 確かにスタドラたちから逃げていると言えばそうなのだが、ルビードラゴンの姿はマインたちから一向に遠ざからない。

 ……そう、ルビードラゴンはぐるぐると回って、同じ場所に何度も戻ってくるのだ。


「さあ……」


「ホント、何してるのあれ?」


「なんでしょう……」


 ミト、ミイ、シアンも不思議そうにその様子を見ている。

 ……そして、空を見上げ続けること数秒、ミトが思いついたように言う。


「うーん、逃げたいけど、ボスだからこのエリアから離れられないってことなのかな……」


 すると、それに納得したようにシアンが言う。


「ああ、それでくるくる回ってるんですね……」


 ……マインはそれを聞いて、「なるほど」と呟く。

 そして、ドラゴンたちを目で追いながらも軽く頷くのだった。


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