スタドラ、ルビードラゴンに体当たりする
マイン達はルビードラゴンのいる真っ赤な溶岩の湖にやってきた。
ルビードラゴンはその湖に浮かぶ島の上で寝っ転がっていたが、マイン達に気付いたのか、首をゆっくりと持ち上げた。
「あっ、起きた……」
シアンはそんなルビードラゴンを見て、一歩後ずさっている。
「私たちのこと気付いたのかな?」
一方のミトは一歩前に出て、そう口にする。
「いや、私たちというよりは……」
しかし、ミイはミトの言葉にそう返し、そして、上空を見る。
上空にはマインのテイムモンスターであるドラゴン『スタドラ』が旋回している。
ルビードラゴンの顔は上空に向いている為、明らかにスタドラを見ているのだろう。
「あっ……うん、スタドラだね……」
マインは上を向いてそう言う。
もしかすると、いや、ほぼ確実にルビードラゴンはスタドラを警戒しているのだろう。
「それじゃあ、取りあえず、スタドラに戦って貰う?」
ミトはそんなドラゴンたちの様子を見たからなのか、マインに対し、そう言った。
「うん、そうだね……」
すると、マインはミトの言葉にそう答える。そして、それにはミイとシアンも頷いている。
「スタドラ、お願い!」
マインは仲間たちのそんな様子を見て、上空にいるスタドラにそう声をかける。
すると、スタドラは、それに反応し、ルビードラゴンに向け、急降下を始めた。
レッドドラゴンはそんなスタドラを見て、口を大きく開ける。……とその瞬間、その口から直球1メートルほどの火球が放たれた。
その火球はスタドラに向かっていく。
「あぶなっ……」
マインはそれを見て、思わず声を上げるが、スタドラはひらりと火球を躱し、そのまま、ルビードラゴンへと突っ込んでいった。
……ドカッと音が鳴り、スタドラの身体がルビードラゴンへとぶつかる。
ルビードラゴンはその衝撃で数メートル程後方へ飛ばされた。……が、倒れることもなく、そのままスタドラとルビードラゴンの格闘になる。
「おおお……」
そんなドラゴンたちを見たミイは、若干興奮したような声を漏らす。
スタドラとルビードラゴンはお互いに前足の爪で、相手の身体を傷つけあっている。
……スタドラもルビードラゴンも体が大きい為、その迫力は凄まじい。
「まるで、怪獣映画だね」
「ホントそうですね」
ミトとシアンはその戦いを、楽し気な表情で眺めている。
それに対し、マインは楽しいというよりは、緊張した様子でスタドラを見ている。
スタドラとルビードラゴンの攻撃にはかみつきや頭突き、殴るなどのバリエーションも加わり、どんどん激しくなっていく。
そして、激しくなると同時に、お互いの傷も増えていく。
「うわっ……」
ミイはスタドラが攻撃されるたびに目を瞑っている。
それほどにその戦いは激しいものだ。しかし、ドラゴンたちにはまだまだ、倒れる様子はなかった。




