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タマコ、トパーズドラゴンに敗北する

 タマコはトパーズドラゴンが放つ光線を受け続けた。


「うわわわっ」


 タマコは一応は攻撃を避けようとしているようだが、素早さが落ちている為、全ての攻撃を受けてしまっている。

 そして、攻撃をする暇もない為、何もできず、あまりにも一方的な戦いだ。

 すると、それを見ていたマインはミトの方に振り向く。


「やばいんじゃない」


 そして、マインはそう言うが、それに対するミトは特に焦った表情はしていなかった。


「まあ、やばいんだろうね」


 ミトは一応はそう返事するが、たいして興味はなさそうだ。

 もしかすると、勝つ可能性は少ないと、諦めモードになっているのかも知れない。

 しかし、ミトはかなり強い。よって、マインとしては諦めるのにはまだ早いように感じている。


「何とかなるかな……。 というか、ミトちゃんでなんとかできない?」


 よって、マインはそう尋ねるが……。


「いや、私、毒受けちゃってるし……」


 ミトは、そう、やる気のない返事をした。

 ……確かにミトのステータスは毒状態だ。しかし、ASO内での毒は現実の毒とは違い苦しさを伴うわけではない。そして、ミトの毒は攻撃力や防御力といったものが下がるタイプではなく、HPが徐々に減っていくというタイプだ。まあ、回復魔法やアイテムを受け付けないタイプなので、相当質の悪い毒ではあるのだが、それでも戦えないというわけではないはずだ。


「でも、毒ぐらいなら戦えると思うけど……」


 よって、マインはそう言う。


「まあ、そうだけど、下手に攻撃すると、私が攻撃のターゲットになっちゃっうかも知れないし……」


 しかし、ミトはマインの言葉ではやる気を出さない。


「まあ、そうかも知れないけど……」


「今の状態で攻撃をくらうとあっという間にやられちゃうかも知れないし……」


 ……まあ、確かにミトの言うことも尤も、よってマインは「まあ、うん、そっか」とだけ返事した。

 ……マインとミトがそんな話をしているうちにも、タマコはトパーズドラゴンの攻撃を受け続けている。


「くぅぅ、やばいニャ、やばいニャ!」


 相変わらず、タマコはトパーズドラゴンの攻撃を避けることができない。素早さが下がっていることはかなり致命的なようだ。

 ……そして……。


「もう駄目ニャ……」


 タマコがそう言った次の瞬間……。トパーズドラゴンのその光線で、タマコのHPは尽きてしまう。


「あっ、タマコちゃんが……」


 そんなタマコを見たマインは思わずそう声を出す。

 タマコの身体は光の粒へと変化し、その色はどんどん薄くなっていく。


「無念ニャ……」


 そして、タマコがそう言い残した瞬間、その身体は完全に消え去った。


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