大吉、マッシュルームソードを見つける
大吉、エミ、56号の三人はお菓子の里山エリアにある山を登っていた。
三人は山の中腹まで来ていたが、出会ったモンスターは、一撃で倒せる弱いモンスターばかり、手に入れたアイテムもレア度の低いものばかりだった。
「そっちの宝箱には何入ってた?」
「マッシュルームソードだよ」
「またか……」
……大吉は若干諦めたような表情になっていた。
「まだまだ先はあります。登っていくともっといいアイテムがありますよ」
しかし、56号はテンションが高く、そう言って歩みを続けていく。
「まあ、確かに頂上にレアなアイテムがあるっていうのはゲームの定番なんだけど……」
エミもそう言いながら56号の後に続き、大吉もそれに続く。
……頂上にレアなアイテムがある……確かにそれは定番だ。
しかし、頂上に近づくにつれ、見かけるプレイヤーの数は増えてきている。例え頂上にレアなアイテムがあったのだとしても、既に他のプレイヤーに取られている可能性が高いだろう。
「うーん、麓で時間をくったのが悪かったかな……」
エミは歩きながらそうぼやいている。
「まあ、この山は競争率が高そうだから、他を探そうとしたわけだし、仕方ないな。
それに、初めから登ってたとしても、一番に頂上に辿り着けたとは思えないしな」
すると、大吉はエミの言葉にそう返す。大吉としては、元々レアアイテムを手に入れることなど期待していなかったし、始めに何処から探そうが、結果は大差ないと思っている。まあ、言ってみればただの暇つぶしみたいなものだ。
そして、それはエミも同じで、彼女も大して期待はしていないだろう。ただエミはたとえ暇つぶしでもそれなりには楽しもうとしているようだ。
エミは56号ほどテンションは高くないものの、周りを注意深く見ながら歩いている。
(まあ、楽しいっちゃ楽しいんだけど、イベントに参加するとどうしてもそれなりの刺激が欲しくなっちゃうんだよな……)
一方の大吉はそう思いはするものの、エミに倣い、周りを見ながらあるいていく。
……すると……。
「あっ、宝箱」
……もう何度目だろうか……。見慣れてしまったそれを見つけ、大吉はそれに駆け寄っていく。
……そして、それを開けると……。
「何が入ってます?」
「また、大したことないアイテム?」
大吉は56号とエミの言葉を聞きつつも宝箱の中のアイテムを取り出す。
「いや、一応はレアアイテムだな。……まあ、微妙だけど」
「えっと……それは?」
大吉は56号のその声に振り向き、答える。
「マッシュルームソード・チョコだね。
良い武器ではあるけれど、使わないかな」
すると、その言葉にはエミが答える。
「ああー、確かに……初心者にはありがたいかも知れないけど、私たちは使う機会ないかな……」
56号はそれを聞くと、「レアもまだ残ってるんですね」と更にテンションが上がったようで、再び、山を登り始める。
大吉とエミも勿論その後に付いて行く。
……そして数分後……。
「あれ? そういえば人見かけなくなった?」
……急にそれに気付いたようにエミがそう言った。
大吉はそれを聞いて辺りを見回す。
「ホントだ……」
……頂上に近づくにつれプレイヤーの数は増えるはず……大吉は何故、人を見なくなったのか不思議に感じる。
しかし、56号はそんなことは気にならないようで歩みを進めている。
大吉は、不審に思いながらも、周りの様子を気に掛けつつ、その後を付いて行く。




