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マイン、初めてパーティーを組む

(うーん、どうするかなー)


 初めてASOにログインした日の次の日、マインはこの日もイーヴィマ・シティに来ていた。

 モンスター預かり所から、リンゴリス子を引き取ったその後、どうしようかと考えながら街中を歩いている最中である。


(モンスター退治、昨日と違う場所でしようかな。うーん、でも、それだと勝てないかも知れないし……)


 マインはそんなことを考えながらぶらぶらと歩く。そして、リンゴリス子はそんなマインの隣をちょこちょこと歩いていた。


(うーん、うっん、ん……あれは、あの人は、昨日の親切な人)


 前方に、昨日モンスターの狩場を教えてくれた男性がこちらの方に向かい歩いているのが見える。


(話しかけてみようかな)


 マインがそんなことを考えていると、向こうもこちらに気付いたようで、男性の視線がマインにロックされる。


(これは、うん、話しかけるしかないな)


 マインはそう考え、男性との距離があと3メートルと近づいた時、思い切って声をかける。


「こんにちは」


 マインはそう言い、お辞儀をする。すると、男性も足を止め、お辞儀を返してくる。


「あっ、こんにちは」


「あの、昨日はありがとうございました」


「ああ、いえ、どういたしまして。えぇと、マインさんでしたよね」


「あっ、はいそうです。あのー……あっと、そういえば、あの、お名前は?」


 マインは、自分がまだ男性の名前を聞いていなかったことに気付き、そう質問する。


「ああ、俺は大吉と言います」


 男性は微笑みながらそう名乗る。すると、マインもそれにつられるように微笑み返す。

 そして、マインは彼が身に纏っている黒い鎧、それから、腰に差してある剣に視線を向ける。


「あの、大吉さんの職業ジョブは何ですか?」


「ああ、はい、俺の主職業メインジョブは剣士です」


「メインですか?……ということは、サブも持ってるんですか?」


「はい、1つだけですが、副職業サブジョブでは槍士を取得しています。まあ、両方、初期職業の上、職業レベルも低いですから、初心者に毛が生えた程度でしかないんですけどね」


「あっ、そうなんですね」


 マインは大吉が初心者に近いということを聞き、若干の親近感を覚える。


「はい、ところで、昨日は草原に行ってこられたようですね。モンスターも仲間にされたようですし。どうでした?初めてのモンスター退治は?」


 大吉はマインの隣のリンゴリス子に目を向け、そう質問する。


「えっと、あの、それが……」


 マインは大吉の質問を受け、昨日の草原での出来事を話していくのだった。




◇◇◇◇◇




「なるほど、それで、モンスターを1体も倒さなかったというわけですか」


 大吉は顎に手を当て、そう口を開く。


「はい、せっかく教えてもらったのにすいません」


「いや、そんなの気にしなくていいですよ。……ですが、そうなると、どうしますかね」


「何かいい方法ありますかね?」


 マインは窺うような視線を向け、大吉にそう質問する。

 それに対し、大吉は額に指を当て、僅かに迷ったような表情をする。

 そして、何かを思いついたような表情に変わると、マインに視線を向け口を開く。


「うーん、じゃあ、俺とパーティー組んでちょっと強めのモンスター倒しに行きますか?まあ、マインさんが良ければの話ですけど」


「えっ、良いんですか?」


「はい、俺の方は特に決まったこともなくぶらぶらしていただけなので……目的ができると丁度いいですし」


 大吉の誘いはマインにとってありがたい話だ。断る理由も特にはない。


「それじゃあ、是非ともお願いしたいです」


「わかりました。じゃあパーティー申請しますね」


「あっ、はい」


――マインは大吉とパーティーを組み、昨日より少し強いモンスターがいる林へと歩みを進めるのだった。


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