マイン、第3階層を行く
第3階層、コンティ・シティ・エリア55の中央公園キンジロー像前。
この場所でマインとミトはこれから何をするか話し合っていた。
◇◇◇◇◇
マインとミトは今日初めて、第3階層に足を踏み入れた。
よって、彼女たちは、まず案内所へと向かい、第3階層について案内人に聞くことにした。
第3階層の案内人は奈々菜という名前の女性NPCで、彼女は緑に黄緑のメッシュが入ったセミロングの髪、緑と深緑のオッドアイ、黄緑のトップスにロングパンツと全体的に緑系統の色で揃えられている少女だった。
そして、彼女は第1階層の野々乃、第2階層の寧々音の三つ子の姉ということで、野々乃達とそっくりな姿形をしていた。
そんな彼女の話を聞いたところ、第3階層の一番の特色は、第3階層の中央都市であるコンティ・シティのエリア1~54の自治をプレイヤー自身が行えるということだ。
まあ、簡単に言えば領主になったり、領主の家臣や領民になったりできるそうだ。
そして、今現在、54あるエリアの内、21エリアについてプレイヤーが領主となっているらしい。
その他のエリアはエリア55のNPC領主が兼務しており、そのエリアには、領主代理を派遣している。
……まあ、ここまで聞いて、マインは一瞬、領主というものに若干の興味は持ったものの、今現在、領主となっているプレイヤーは皆、第7階層級の中でもトップクラスの者だけと聞き、その興味も亡くしていた。
どうやら、領主になるには色々なことで功績を上げ、貴族位というものを手に入れなければならないらしいのだ。
その他に興味を持った話と言えば、この第3階層にはサファイアドラゴンと同レベルのボスドラゴンが3体いるという事だろうか……。
まあ、奈々菜も何でもかんでも教えてくれたわけではないので、面白い話はそれ位しかなかった。
◇◇◇◇◇
「コンティ・シティのエリア、適当に見て回る? 気に入ったところがあればそこに拠点作るのもいいし」
ミトはマインにそう言った。
第1階層にはギルドホーム、第2階層にも拠点となる城があるので、第3階層にあっても良いと考えたのだろう。
まあ、マインとミトの2人だけで決められることではないので、軽い下見程度にしかならないだろうが……。
それに僅かな時間では見れるエリアも限られてしまうだろうし……。
しかし、拠点を作るということは何れかのエリアの領民になるということなのだろうか……?
まあ、領主になれるわけはないので、そういう事なのだろう。
そう思ったマインは一応ミトに尋ねる。
「領民になるってこと?」
「うん、まあ、気に入ったところがあればだけどね」
それを聞いたマインは僅かに考えた後、口を開く。
「うーん、だったらNPC領主か、プレイヤー領主のどっちの土地が良いんだろう?」
それに対し、ミトも少し考える素振りを見せる。
「どうだろう、プレイヤー領主だとトッププレイヤーとのつながりはできるけど、その分、面倒くさそうな気がするね」
「まあ、そうかも知れないね」
「まあ、どちらにしろ見てからじゃないと決められないけどね」
「そうだね」
そうして、マインとミトはコンティ・シティのエリアを適当に見て回ることに決めたのだった。




