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マイン、ヘルの部屋に辿り着く

 マインとミイはイベントエリアを歩き、ボスのいる場所へと進んでいた。

 この『ヘル』のイベントエリアは地下遺跡であり、ここに現れるモンスターは、スケルトンやゴーストなど、不死系や死霊系のモンスターが殆どだ。


「うう、薄暗いし、お化けみたいなモンスターばっかり出てくるし、このエリアを選んだのは失敗だったんじゃ」


 ミイはどうやら、お化けとかそういった類が苦手らしい。

 マインも好きではないが、仮想バーチャル空間だと分かっているので怖いというほどではない。


「まあ、暗いといっても、普通の場所より少し暗いだけだし、ちゃんと灯りも所々にあるから、そんなにビクビクしなくても大丈夫だよ」


「まあ、そうだけど……でも出てくるモンスターは怖いのばかりだし……」


 まあ、ミイの気持ちもわかるが……。しかし、いくらリアルのように見えるとはいえ所詮はゲームだ。


「見た目は怖くてもそんなに強くないから大丈夫だよ」


「いやいや、凄く強いよ。マインは取り憑いてるテイムモンスターの能力が使えるから敵を倒せるけど、テイムモンスターなしだと相当大変だと思うよ」


 確かにミイの言う通り、第1階層や第2階層級ではボスの元に辿り着くのも困難だろう。


「むう、確かにそうかも……うん、でも私はビーストテイマーだから、テイムモンスターあっての私なんだよね」


「まあ、それはそうだね」


「うん、だから怖いモンスターは私に任せて!」


 マインはそう言い、右手で握りこぶしを作る。

 すると、そんなマインに勇気をもらったのか、ミイは笑顔で口を開く。


「えっと、ありがとう」


 そして、そんなミイは見たマインは、(頑張ろう)と思うのだった。




◇◇◇◇◇




 10分後。マインとミトはボスの部屋へと辿り着いていた。

 そこは100~150メートル四方ほどもありそうな広い空間で、数えきれないほどのプレイヤーであふれていた。

 うるさいほどにプレイヤーたちの声が聞こえ、その中には敵にやられたであろう悲鳴もたくさん混じっていた。


「えっ、なにこれ……凄い人数」


「うん、何人ぐらいいるんだろう……数百人? いやもしかするともっと多いかも……」


 マインもミイもその数の多さに驚いていた。

 まあ、ここに来るまでにもたくさんのプレイヤーを見ており、そのプレイヤーたちの行きつく先がここなので、この人数も当然と言えば当然なのだが……。


(うわー、第1階層ボスの時よりずっと多い)


 そのプレイヤーたちは殆どが同じ方向を見ており、その先にはどす黒いオーラとでも言うべきか……そのような黒い半径3メートルほどの半球状の何かが見えた。

 プレイヤーのうち、2、3割ほどはそれに目掛けて攻撃を行っている。

 すると、マインはその黒い何かを指差し、言う。


「ええっと、ボスの『ヘル』は……うん、プレイヤーが多すぎて姿は見えないけど……あれだよね」


 その黒い何か以外にも、敵らしき巨大なモンスターが何匹も暴れまわっているが、それは恐らく『ヘル』のテイムモンスターだろう。

 マインが事前に調べた情報では、『ヘル』は複数の職業ジョブを取得しており、その中にビーストテイマーがあったのだ。

 よって、暴れまわっているモンスターは『ヘル』ではなくテイムモンスターと考えられる。そうなると、多くの視線を集める黒い何かが『ヘル』なのだろう。


「そうみたい。あの黒いのはヘルが纏っているオーラみたいな感じかな……」


 ミイはマインの指差す方向を見ながらそう言う。黒い何かが見えるだけで本体は見えない。

 まあ、プレイヤーが邪魔で姿が見えなくなるくらいだ。恐らくヘルは人間サイズのボスなのだろう。

 しかし、数えきれないほどの大人数で挑む敵が人間サイズの大きさというのはゲームとしてどうなんだという気がしないでもない。

「こういう場合のボスって巨大なのが普通だよね……あの黒いオーラが無かったら何処にいるのかもわからないよ」


 マインがそう言うとミイもそれに同意する。


「ホントそうだよね。的が小さいと魔法も当て辛いし……近接攻撃なんて近くにいる数人しかできないよね……」


 ここまでたどり着いたのはいいが、これでは、ヘルにダメージを与えるのも相当難しそうだ。

 テイムモンスターの強力な魔法を使えばダメージを与えることも可能だろうが、それだとどう考えても周りのプレイヤーも道連れにしてしまう。


「魔法を使ってる人は……うーん、命中率の高い魔法を使ってるみたいだね」


「うん、プレイヤーを道連れにしない為だろうね」


 マインもミイも周りのプレイヤーたちを観察する。


「どうしよう……私たちにそんな魔法技術ないし……」


「うーん、ホントどうすれば良いんだろう……」


 マインもミイも頭を悩ませる。

 するとその時、黒い光がこちらに向かってくるのが見えた。

 恐らくそれは黒い何かから放たれた光だ。


「「あっ」」


 マインは驚き、目を閉じる。

 すると次の瞬間、轟音が鳴り響く。

 そして、轟音が聞こえなくなり、目を開くと、


「…………」

「…………」


 マインとミイはギルドホームにいた。


「…………」

「…………」


 どうやら、マインもミイも死んでしまったらしい。


「……いや、あれは、強すぎるでしょ」


 そして、マインは思わずそう呟くのだった。


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