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9.闇魔法のメリットとデメリット +デート?

評価、ブックマーク登録ありがとうございます

筆者の頑張る糧になってます


また、先日投稿した7話の最後に入れなきゃいけなかった一文を書いてませんでした。

なので編集したため、もしも定期的に読んでくれている方がいましたら目を通していただけると嬉しいです

レイと一緒に海といった日から3日が経過した。

それまでの俺はというと、休みに休んだ分の課題を教師陣に押し付けられ学校が閉まるまで拘束され続けるという何ともかわいそうな日々を送っていた。

まだ先生たちには高校がほぼ内定したことをしゃべっていないため、俺は商業科を受けることになっている。

すなわち、謎の熱意を持った先生たちが頑張って受からせようとしてくるわけだ。

3日間ずっと付きっ切りで勉強を教えてくれたレイには感謝しかない。


そんなこんなで結局あれ以降何も試すことができずにレイとの約束の日を迎えた。



*****



その日の空は一言で表すと『快晴』だった。

4日くらい前の天気予報では曇りだったのに何だこの変わりようは。なんだ、レイは神様に愛されているのか?わかりやすく言えば最高の日じゃないか。


ふっと何気なく横を見ると、表情はいつもと変わらないが心なしかうれしそうなレイがこちらを見ていた。


「いつもよりどことなく嬉しそうだな、レイ」

「べ、別にそんなことはありません。そんなことより今日は高校生活に必要な物品を購入しに来たんです。兄さんもちゃんと選んでください」


レイが俺とのデート?場所に選んだのは近所では一番で買いショッピングモールだった。

ここなら大抵のものはそろうし、レイが自分の服とかを買いに俺を荷物持ちに連れていくというのはあまり想像できなかったのでまあ予想通りってところだった。


俺はほぼあの国立高校に内定したという形にはなっているが、まだレイは決まっていない。なんなら白紙だ。だが当の本人は


「高校からは全寮制になるんです。兄さんもちゃんと必要なものは自分で用意してください」


などと入る前提で話が進んでいる。まぁレイが落ちるとは思えないけど。


そんなこんなで午前中はお互いの服や生活物品を買ったりしたら時間が過ぎ、気づいたらもう12時過ぎになっていたのでショッピングモール内にあるフードコートで軽い昼食をとることにした。


俺はバーガーショップでハンバーガーを、レイは違う店でそばを頼みおのおの食べ始めた。

こっちの世界にきてもう何回思ったか数えきれないほどだが、やはりレイは何をしても絵になる。

そばをすすってる今だってゲームのムービーみたいに映っている。


またこれに関しては予想していたことだが、このショッピングモールに来てまだ3時間程度しかたってないはずなのにまぁレイは声をかけられること。横に俺がいるのに。多分周りの人は俺が財布か何かに見えているんだろう。俺とレイじゃ釣り合わないことはわかってるけどさ。わかってるけど・・・


「どうしたのですか? 兄さん。元気がないように見えますが」

「いや、やっぱ俺とレイじゃ釣り合わないにもほどがあるなって思って」


思わず本音がぽろっと出てしまった。言ってからしまったと口をつぐむがもう遅い。

言った後にレイはそういう風に勝手に上に見られることを嫌うというゲームの記憶がよみがえったが。

確かゲーム中でもこんな感じの選択肢があってミスった気がする・・・


「・・・兄さんもそうやって私を上にあげて私を一人ぼっちにするのですか?」

「いや、そういうわけじゃ!」

「そういうことでしょう。いかにも思わず本音がって感じでしたし」


やばい。完全に後手に回っちまってる。


「し、仕方ないだろ! レイと比べたら俺なんて!!」

「なぜ違う人間であるはずの私と兄さんを比べるのですか?それに周りの評価なんて関係ないでしょう。・・・いつもそう。そうやってみんなして勝手におだてて離れていくのですね。私はただ近くにいてくれるだけで十分なのに。それに私が信頼している人を卑下するのはたとえ本人であっても正直不快です」


そう言い放って食器のトレイを持って立ち上がるレイ。


「ごちそうさまでした。とりあえず食器をかたずけてきます」


そういって席から離れていくレイ。

その後ろ姿はどことなく哀愁が漂っていた。


「はは。俺はいつも選択を間違えるんだな...」


俺も食器を戻してくるかと立ち上がり、戻し終わった時だった。


最近よく聞いた、もう聞きたくはなかったあのサイレンが鳴り響いた。


『緊急放送です。ただ今、当ショッピングモールの屋上にて魔物が出現しました。ご来館の皆様は絶対に近寄らず、すぐにできるだけ下の階に逃げてください。また、館内のほうがより安全と思われるため、決して館内からは出ないでください。繰り返しますー』


どうやら今日は最高の日ではなく最悪の日だったみたいだ。


*****


とりあえず俺らがしたことはルーンさんへの連絡だった。

多分レーダーとかに移ってるだろうし、誰かが通報したとは思うが何もせずにはいられなかった。

ルーンさん曰くあと10分もしたら到着できるそうだ。


「今回は俺らは何もしないほうがよさそうだな」

「ええ、そうですね。ただ一つ気がかりなのが・・・ここの屋上は何かの店があったりしないのでしょうか?」


レイが言わんとしていることはわかる。おそらく助けを求めている人がいるのなら行くしかないと思っているのだろう。ただ俺らはあくまで一般人。変にしゃしゃりでて場を乱すのは得策ではない。


「もう通報もしたし、俺らは関わらないほうがいいよ。な!」

「ですが、この間にも助けを求めている人がいたらどうします?それにもしかしたらルーンさんたちが違う魔物と遭遇したらこちらに来るのは遅れるんですよ!」

「それはそうだけど・・・」

「なんか今日の兄さんはかっこよくありません。いいです私だけで行きます。どうせ兄さんが魔法を使えば周りに被害が出ますしね」

「お、おいレイ! ちょっと待て!」


俺の制止を振り切って屋上を目指すレイ。

普通の一般人なら絶対に止められるだろうが、なにせレイはこの前学校で一人で魔物に立ち向かったと有名になってるし期待の新星として新聞にも載ってたし、何より外見が記憶に残りやすいのでおそらく通されるだろう。


だが、普段冷静なレイがここまで躍起になるレイは珍しい。俺と直前まで口げんかしていたから頭に血が上っていたのかもしれない。普段なら絶対こんなことしない。


レイを止めなければ! と俺も屋上を目指そうとするが、その足はすぐ止まる。


「・・・レイの言うとおりだ。俺の魔法じゃおそらく誰も救えない・・・」


自分は意識をなくし周りを無造作に薙ぎ払う雷、一切の行動が制限される氷、発動条件がめんどくさくてさらにそれまでは無力の土、絶対に使いたくはない意味不明な風、全くの加減ができずすべてを灰にする恐れがある火。どれもこれも『守る』ための力ではない。破壊するための力だ。ましてや他の魔法なんて使えない。


重い足取りで一応は屋上を目指すも、警備員らしき人に止められる。


「きみ! 放送を聞いていなかったのか!! 今すぐ下の階を目指しなさい!」

「さっき女の子が向かっていたでしょう!? 俺も行かせてください!」

「だめだだめだ!あの子ならなんとかできるかもしれないし君にも力があるのかもしれないが全くの無名の少年をみすみす危険なところに送るわけにはいかない!わかったら早く下に行くんだ!!」


そのまま警備員に連れてかれ、2階まで下ろされてしまった。

こんな時も俺は無力だ。これはあの学校で感じた時と同じだ。


・・・もし、今回現れた魔物がまたムカデだったら? この前よりも多い数の魔物がいたら?

たとえこんな俺でも助けられる命があったら?

俺は、俺はこういうときに飛び出していくんじゃないのか?


警備員に手を引かれながらそんな葛藤が頭をぐるぐる回る。


『今日の兄さんはかっこよくありません』


さらにレイに先ほど言われた言葉が蘇る。


・・・・・


「・・そう、だよな。そうだよ! そうやって直ぐに飛び出すようなやつが本当の俺だよ!! なんでこんなにくよくよしてんだよ! 助けを求めている人がいたら行くのが俺だろ! 何のための力だ!!」


無意識に口から大声が出る。

周りの人に見られるが関係ない。


そこからの行動は早かった、と思う。

俺から離れていった警備員にばれないようにこそっとトイレに向かい、たまたま開いていた個室に駆け込む。もうすでに俺がやりたい事は決まっている。



「この魔法を使ったら多分不具合が起きるのは魔法を解いた後だろうけど・・・もうなりふり構ってる暇はない!」


いままで副作用が怖くて多分無意識にだけど後回しにしていた、こういう時にこそ輝く魔法が俺にはある。

まぁ苦しくなったらその時はその時だ。


いまこそ最上級魔法のうち残った最後の魔法、闇魔法を使う時が来た。


まってろ、レイ。俺も今から行く。


魔王の贖罪(ディスコルディア)


発動と同時に闇のオーラが俺を包む。

それが晴れた時、俺は真っ黒の装束と帽子に身を包んでいた。


そして俺はトイレの窓を突き破り屋上を目指した。


7話ですがあれを書かないとなんであれが出てきたのか意味不明になってましたね

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