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7.風魔法のデメリット

この世界においてもちろんだが休日というものは存在する。

この度、レイに無礼な態度をとったことに対して次に来る休日の買い物に付き合うという条件で許しを請うことができた。

実際問題勘違いなのだからいつまでも無罪を主張し続けてもよかったのだが言葉でレイに勝てるとは思えなかったのでそんな感じで手を打った。


こっちとしてはまだ試していない魔法を休日に試そうとしていたが予想外の予定が入ってしまったため代わりに今日学校帰りにどっかで試そうと思い、今ちょうどよさそうなところを探している次第である。


高校については昨日すぐにルーンさんに連絡して推薦してほしいとの旨を伝えた。

どうやらあとひと月くらいしたら一応試験や面接があるらしいからそれまでには大体のことを知って、活用できるようにしておかなければならない。


そのため、レイにほかの魔法も試してみたいと伝えたところ、レイ曰く


「私がいる前で試していただければ何も文句は言いません。危ないようでしたら次からは使わないでいただきますけど」


とのことなので今隣にはレイがついている。

これ以上レイに怒られたくはないし。



そういった今までにまだ試していない魔法は風、火、闇である。

火については大方予想がついているし闇もおそらく変なことにはならないとは思う。

ただ、風魔法だけは別だ。


多分俺はこの先、この魔法を試しすらもしないと思う。

風の最上級魔法に関してだけは、このCORというゲームにおいて異質すぎるからだ。




*****



そもそもCORにおいて、もっとも強いのは最上級魔法たちとされているが、そのほかにももっと凶悪な魔法はある。発動するだけで洗脳したり、相手を死に追いやったりするいわゆる呪いの類だ。


このような魔法はもちろん禁止されているし、研究することすら大罪とされている。が、使うやつはいないとは言い切れない。現にこのゲームのラスボスが使ってきたし。


まぁ、そこは今回置いておこう。今ここで言いたい結論としては最上級魔法はそういった洗脳や即死させるような魔法は省かれて構成されているということだ。



だが、風魔法の最上級魔法は死の風を操るものである。

これを発動し、生成された風を取り込んでしまうと数刻もしないうちに動けなくなり残りHPが1になって瀕死になるという、呪いかどうかのギリギリラインに乗っているのである。

まあ取り込んでも即死というわけでもないし、生物ではないものには一切効果がない。何よりこの技は自分よりレベルが上の対象に対しては一切効かないという重大な欠点がある。むしろ効いてしまったらもはや呪いの類になるのかもしれないし、ゲーム会社のインフレ防止策であろう。

そういった点や習得する難易度を考慮して最上級魔法の座に君臨しているのだと思うが。


俺はこのゲームをプレイしていた時、てっきり風魔法の最上級魔法はでかい竜巻を操ったり、風の竜を作ったりとかもっと派手なものだと思っていたから、最上級魔法がこんな陰湿なものだと知ったときの落胆はかなりのものだった。



ただこの魔法、やりこめばやりこむほどゲームを極める際に必須であることを痛感する。


そもそもCORは、自分が好きな属性を一個だけ極めれば物語を進めたりマルチ戦でランクを上げることに何の支障もない。

物語ではほかの属性をほかの仲間でカバーできるし、ランクマッチも何人かでパーティを組んで行うため自分の属性ではない人を集めればいいだけである。


しかもこのCORというゲーム、一つの属性を極めるだけでとんでもない時間を有するため全部の属性を極めるのは馬鹿がやることである。



だがこういった馬鹿を助けてくれたのがこの風魔法の最上級魔法だった。



ほかの属性のミッションをこなすときやクエスト周回、レベル上げの際に自分のレベルよりも低い敵を瀕死にできるというものは勝手が良く、高速周回においては欠かせないものとなっていた。

おそらく糞マジメにやったときの時間の半分くらいの時間で極めれるのではないかと思う。

あくまで体感だが。


もちろん主人公の上限レベルは基本ボスキャラよりも低いためボスを瞬殺ということはないが、道中の雑魚を楽々処理できるため、もはやこの魔法を習得することが廃人ゲーマーの登竜門ともいえるものだった。



おそらくゲーム会社もこういった意図でこの魔法を最上級魔法に設定したのだと思う。



*****


だが今となってはそんなこと関係ない。

そもそもこの世界で俺は、相手は今何レベルなのか全くわからないし、ほかの属性の魔法にあれだけの欠陥があったのだからこれにないはずはない。どうせ俺も動けなくなるに決まっている。


むしろ逆に振り切れていて、これを取り入れてしまったものは死んでしまうとかだったら正直目も当てられない。そんな怖いもの使えるわけがない。


もしもこの先、見るからにレベルの低そうな魔物と対面することができたら一回くらいは試してもいいのかもとは思うが正直これを使うメリットが今の俺にはほぼないためまあ使わないだろうと判断し、その名前を脳の隅に封印した。



「っていうことは俺、風魔法ほぼ何にも使えないんだ・・・」



あらためてこの体質? の不便さを痛感し少し悲しくはなったがくよくよしていても何も進まない。気持ちを切り替えて火の魔法に取り組むことにした。


まだこの時俺は、近い将来こいつのお世話になるなんて思いもしなかった。









閲覧ありがとうございます

今までは自分の好きなように書いてきましたが、ついに今どこに向かっているのかわからなくなってきてしましました

小説を書くことの難しさを痛感しております

もし続きが読みたい!やおもしろい!やむしろここがダメ等ありましたら、コメントや評価で伝えていただけると嬉しいです

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